世界中を襲うバシュタール現象のために各地のBF団基地も壊滅的な打撃を被っていた。ただのA級エージェント、幻夜が指揮を執るということで「地球静止作戦」への不信感を抱いていた十傑衆は、リーダーの樊瑞以下、アルベルトの行方不明という事態もあって、幻夜に真意を問い質そうとするが、BF団最高幹部の諸葛亮孔明は幻夜を庇い、作戦がビッグファイアの意志であると宣言する。しかし、幻夜は独断で大怪球フォーグラーを動かし、ついに動いた十傑衆だったが、ビッグファイアの登場により、もはや口を挟むことも許されなくなってしまう。そして聖アーバーエーと名を変えたバシュタールに現れたフォーグラーと幻夜の前に、聖アーバーエーに一足先に飛んでいた中条長官が現れる。何者もかわすことのできないと言われる中条長官の必殺技とは? 一方、梁山泊本部で目覚めた大作は、銀鈴のスリープとロボの封印という措置に衝撃を受ける。しかも2年前に死んだと思っていた村雨が現れ、銀鈴のスリープは、彼女のために必要だと告げる。彼女の心は実の兄の登場と、父の遺言によって大きく揺れ動いていたが、フォーグラーを倒す切り札も銀鈴なのだった。だが、梁山泊をマスク・ザ・レッドとビッグゴールド、素晴らしきヒィッツカラルド、直系の怒鬼と血風連が襲撃、そのどさくさに大作はロボの封印を解く。そして、銀鈴をスリープから解こうとするが、ヒィッツカラルドが現れ、大作を庇って村雨が倒れる。ヒィッツカラルドの指ぱっちんには全てのものを切り裂く力がある。大作が銀鈴を庇い、死を覚悟したその時、銀鈴が目覚める。彼女の中にもはや迷いはなかった。父を信じ、サンプルを持っていくと銀鈴は語るのだった。
豪華絢爛、十傑衆、勢揃いの回。某「リーン」みたいに枯れ木も花の賑わいでなくて、一人ひとりが超人であり、そんな連中の揃ってるBF団がいかに凄い組織か、そのBF団と戦う国際警察機構がまたいかに凄いところか、前回の銀鈴の「どんな任務にも堪えられる」という言葉の重みを改めて教えてくれるという意味でも十傑衆の存在感は単なる脇役では終わらない。しかもビッグファイアから、3つの護衛団から登場しちゃって、BF団の凄さをつくづく感じられる。こんなんと戦ってる国際警察機構って改めて凄いなと。そんな国際警察機構が好きだ。でも同じくらいBF団も好きだ。孔明は好きになれんけど。
しかし、私的には大作の「少年」というファクターが全開に溢れてるのもこの回であろう。ロボを封印され、銀鈴のスリープ、楊志の死を知り、うなだれる大作に村雨がちょっかいを出すシーン。も、ほんとにちょっかいだよ、これは。「優しい戴宗はいない」って、自分が優しくないと暗に言ってるわけだね。うん、確かに優しくない。前回の銀鈴の心の揺らぎを鋭く見抜き(さすがは恋人という設定があるだけのことはある。だからこそ、Episode 1でフォーグラー博士の出現に驚いたのは銀鈴の素性を知っていたからでもあろう)、大作に皮肉混じりに説教するも、真っ向から反論しようとする大作。「考えてもみろ。もしもおまえの父親が世界破壊のためにロボを使えと遺言したらどうだ?」「お父さんがそんなこと言うはずがありません!」凄いよ、大作。その信頼感。もう、君の中ではお父さんは絶対なんだね。「幸せは犠牲なしに得ることはできないのか」そう言ったお父さんの言葉の裏には「犠牲なしに得られる幸せをわたしに見せておくれ」とある、大作はそのことを探そうとしているのだなぁと思って、泣けた。(´Д⊂ヽ しかも終盤、ヒィッツカラルドの指ぱっちんから庇う村雨に「村雨さんは好きになれない」と言い、「犠牲を得ることで大人になるのなら、僕はずっと少年のままでいたい」って、なんて純粋な叫びなんだろうと(´Д⊂ヽ さらにその信頼を話にしか聞いたことのない、でも憧れのお姉さんである銀鈴の父親でもあるフォーグラー博士にも向けられるとは、まさに主人公、大作のこの信頼こそが迷う銀鈴を決心させたに違いないと(´Д⊂ヽ さらにだ。今回、いままでほとんど気違い同然に描かれてきたフォーグラー博士(前回で多少ポイントを回復したが)が、初めて語られる良き父親としての姿。そこで流れるは名曲「明日への希望」しかも、フォーグラー博士の語る言葉は意味としては草間博士の言葉と同じだ。いままで犠牲の上に成り立ってきた科学、その科学が犠牲を払わないで済む道を選択することはできないかとエマニュエルとファルメールに語りかける回想シーンの美しいこと美しいこと。傑作カットは数々あるこの「ジャイアントロボ」であるが、美しさでいったら、このシーンこそ白眉であろうと思う。しかもこのすぐ後に控えるはバシュタールの惨劇、全てを失った慟哭ときて、これが泣かずにおられようかッ!(´Д⊂ヽ この思い出を胸に秘め、10年間を過ごした銀鈴は、ある意味、幻夜よりも幸せだったと思う。彼女は全てを失って衰えてゆく父の姿を見ていない。だから、父の思い出は悲しくもあるが、優しいお父さまとして覚えていられた。だからこそ、彼女はフォーグラー博士を信じ、ついに今回のエンディングにつながったのだろうと。でも、それもやっぱり大作の寄せた信頼があったからで、前回の鉄牛同様、「銀鈴さんを犠牲にしなくちゃいけないなんておかしい」と主張できる大作の叫びは胸を打つのだった。
それにしても、「悪いけどロボは封印させてもらった」って呉先生、
全然役に立ってませんが?! ほんとに封印する気なら、大作から操縦機を取り上げんと。大作の命令下、すぐに反応するのってどうなんすか。まぁ、話的にはそれで全然おっけーなんだけど、参謀としてそれでもいいのかと。しかし、前回からやたら「しまった」が多い呉先生、もはや当初の知性派のイメージはかけらもなかったり。それより、大作を踏みつぶそうとしたビッグゴールドを村雨と二人で一時的にでも止めたところを見ると、武闘派として出直された方がよかねーか。
一清道人、ちょっとだけの登場だけど、怪我してるのはしょうがないとしても、誰か、着替えをあげてくれよ(´Д⊂ヽ ぼろぼろなんて可哀想じゃん。せめて、同じ服を何着も持ってるとかしてやってくれよ。
次はいよいよ最終回。その前の回として盛り上がった今回だが、さらなる盛り上がりがあるのは「ジャイアントロボ」のいいところだ。
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