監督:イム=グォンテク
出演:ユボン(キム=ミョンゴン)、ソンファ(オ=ジョンへ)、ドンホ(キム=ギュチル)、ナクサン(アン=ピョンギョン)、ほか
韓国、1993年
タイトルだけ聞いたことあったけど、見たことがなかった韓国映画がYouTubeで見られるってんで朝から鑑賞しましたが、芸術作品は難しい…
唄の峠と呼ばれる山奥に一人の男が現れる。彼はパンソリ唱者のユボンと、その養女ソンファの行方を捜していた。それはまだ朝鮮戦争前の時代、幼かったドンホの母は旅芸人の唱者ユボンと村を出るが、出産のために命を落とす。ドンホは太鼓奏者としてユボンのもとで修行を積み、ソンファのパンソリの伴奏に太鼓を叩くようになるが、生活は厳しく、西洋の音楽が入ってきたため、パンソリは忘れられつつあった。とうとうユボンのもとを去ったドンホだったが、漢方薬の仲買人になって各地を巡るうちに置いてきた養父と義姉のことが懐かしくなり、その消息を訊ねて廻っていた。いろいろな人に訊ねるうちに浮かび上がってきたのは芸を極めるために恨(ハン)を乗り越えようとする父と娘の壮絶な人生であった…。
芸のためなら女房も殺す〜♪という演歌がありましたが、まさにそんな世界です。なにしろドンホがうちを出て、唄えなくなったソンファを唄わせるために、ユボン、娘を盲目にしちゃうんですから。
あと、時代背景が李朝時代かと思ってたら、とっくに植民地にされた後で、でも日本語を強制されて、なんてシーンは出てこず、終盤、「戦争で住人がいなくなった」家にユボンとソンファが住みつく(たぶん、これが後の「唄の峠」)のも、さらっと朝鮮戦争の後っぽいのが語られてるだけで戦火に追われるユボンやソンファなんてシーンもありません。これはユボンやソンファたちが旅芸人であり、社会的には最下層の身分だったためもあって時代性を徹底的に廃しているんでしょう。服装が民族服から洋服が多くなっていくのが時代の移り変わりを表しているとも言えますが。
親子が始終旅をしているので、ロードムービーばりに四季の風景も描かれますが、舞台は全羅道が主で、そもそもパンソリの唱法である西便制も、その地域で主流だそうです。
しかし、芸術作品はよくわからん…
とか思ってぐぐっていたら、目から鱗の記事を見つけました。
映画「西便制」の言わなかったことあああ、その視点はなかった…
3人とも血のつながりはないわけだしなぁ…と思いましたけど、その裏を詮索するのはもっと考えないといけませんね。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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