監督:ピーター=チャン
出演:龐青雲(ジェット=リー)、趙ニ虎(アンディ=ラウ)、姜午陽(金城武)、蓮生(シュー=ジンレイ)、クイ将軍(シー=ヂャオチー)、陳大臣(ウェイ=ツォンワン)、姜大臣(ワン=クイロン)、狄大臣(グー=パオミン)、ほか
中国・香港、2007年
ジェット=リー主演作は見てないのが特に香港時代に多いので気づいたら見るようにしてます。
原題は「投名状」で、龐(パン)、ニ虎(アルフ)、午陽(ウーヤン)の3人が義兄弟を結んだ時の誓いの書、血判状みたいな物のことです。「義兄弟を裏切った者は義兄弟でも殺す」というハードな展開で、ラストにつながってますが、一応、実際の事件をもとにしており、実は1973年の映画「ブラッド・ブラザース 刺馬」のリメイクに当たるそうですが、未見です。
清朝末期、太平天国の乱で荒れていた時代。官軍だったが、味方のクイ将軍の裏切りで全滅した部隊のただ一人の生き残り龐青雲(以下パン)は、蓮生に救われた縁で盗賊、趙ニ虎(以下アルフ)の村にたどり着く。そこに現れたクイ将軍の軍に略奪されそうになったアルフに、パンは「自分たちも軍に入れば、食うに困らない」と教え、盗賊のままでは軍の欲しいままにされると感じたアルフと、弟分の姜午陽(以下ウーヤン)は、パンと義兄弟の契を結び、清朝軍に入ることにする。太平天国軍を相手に無類の活躍を見せたと言われる山(シャン)軍の誕生だった。捨て身の攻撃もあって山軍は次々に武勲を建てていくが、蘇州攻略では5年もかかり、飢えに苦しめられる。朝廷に交渉して食糧を得ようとしたパンだったが、乱が長引くことを願う3大臣の策略により、ついに宿敵、クイ将軍との交渉に及ぶ。その頃、蘇州に残ったアルフは単身で蘇州城に潜入し、敵の司令官と「部下を降伏させ、食糧も与える」と約束を取り交わすが、戻ったパンは降伏した4000人の太平天国の兵士たちを射殺するよう命令を下すのだった…。
「三国志」の桃園の誓いといい、三兄弟というのが中国ではお好きなんでしょうか。
固く誓い合ったはずの義兄弟の契が、厳しい戦いと現実を前に徐々に崩れていく。冷徹であろうとするパン、人情派のアルフ、2人の弟分で狂言回し(たびたび入る語りは彼のもののようです)のウーヤンが交わす、男の友情と義理をドラマチックに激しい戦いも交えて描きます。
わし的には圧倒的にアルフが好みでしたので、彼が4000人の捕虜の殺害を止めようとして鎖に繋がれたり、最後に射殺されてしまったりするシーンは見ていて切なかったです。アルフとパンの二股かけた蓮生が、けっこう悪女に見えたり。でも、ウーヤンが彼女を殺して収めようとするのを、もうそんなところじゃ収まらないんだよと思ったり。
ラスト、パンが殺されてしまったのが実際の事件を元にしているそうですが、清末四大奇案とまで言われて、何回も映像化してるそうです。
原題の「投名状」のがいいと思うので、安直に横文字使う邦題はいまいちだと思いました。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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