金達寿著。筑摩書房刊。金達寿小説全集7。
以前に「太白山脈」という映画を見まして、その当時は韓国映画を見始めたばかりだったもので登場する役者さんたちが見分けられず、ただアン=ソンギさんだけ覚えて、いいなぁと思って、朝鮮戦争の話なんだけど、左と右に分裂して、対立して、同じ民族なのに血で血を洗うような惨劇を繰り広げてというところまでは理解できたんですが、細かいところがわからなくて、もう一度見たいなぁと思いつつ、なかなか機会がなくて、そのうちに原作になった小説があることを知りまして。それも長い大河小説だと。ならば映画を見直すよりも小説を読もうと思って、タイトルだけメモして図書館で検索して、引っかかった小説がこれだったんですが、読み始めたら、わしの記憶も曖昧だったもので確か朝鮮戦争の話だったはずなのに、この小説は朝鮮の解放直後から話が始まるんですね。で、朝鮮戦争はその前夜である済州島四・三蜂起を含めても1948年からなんだけど1945年とはずいぶんと気長な展開だなぁと思って、でも1冊しかないのに展開はあんまり早くなくて、そのうちにもう1回ちゃんと調べたら、実は「太白山脈」というタイトルの小説はお二人が書いていて、わしが読みたかったのは別の方のだったことが判明、図書館で検索し直したら、読みたかった方は置いてなかったことも判明、しょうがないので最後まで読みましたが、ちゃんと最初に調べようよ俺… orz
というわけで、ちゃんと調べたら、こちらの「太白山脈」は朝鮮が解放される前の「玄界灘」という小説の続きで、まったく別物であることがわかりまして、不勉強もいいところですよ…
それでも完読したけどね。小説を途中で放り出したことはあんまりないんで。
日本の敗戦により解放された朝鮮の主にソウルを舞台に、右派と左派の人びとを交互に描き、解放だったはずがアメリカの思惑により、そうではなくなっていく朝鮮を描いた小説です。1946年の南朝鮮の一斉ゼネストで終わっているのですが、続編は書かれなかった模様。
時代的には少し空いて「
火山島」、そして朝鮮戦争へと続きます。
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