監督:エリア=カザン
出演:キャル(ジェームズ=ディーン)、アダム(レイモンド=マッセイ)、アロン(リチャード=ダヴァロス)、ケート(ジョー=ヴァン・フリート)、アブラ(ジュリー=ハリス)、保安官(バール=アイヴス)、ほか
原作:ジョン=スタインベック
音楽=レナード=ローゼンマン
アメリカ、1955年
ジミーことジェームズ=ディーンの出世作です。
厳格な父アダムとの軋轢に苦しむ若者キャルは、30kmほど離れたモントレーの町でいかがわしい酒場を経営する女性ケートが死んだと教わった自分の母ではないかと疑い、何度かケートを訪ねるが邪険に追い払われる。キャルには双子の兄アロンがおり、父に似て品行方正のアロンは父の愛情を独り占めにしているような状態だった。だが父が冷凍レタスの輸送で失った5000ドルの利益をキャルは取り戻そうと考え、ケートや父の友人ウィルの手を借りて果たすが、誕生日プレゼントに贈ったそれは父の気に入るものではなく、逆に拒絶されてしまう。父の愛を失ったと考えたキャルは父に言われたとおりに母の死を信じるアロンをケートに引き合わせるが、母の商売は兄の理解を超えていた。自分を傷つけてアロンは出征していき、父はショックで卒中を起こし、半身不随になってしまう。先が長くない父と和解したいと考えたキャルだったが、言葉も発せなくなった父は相変わらず彼を受け入れようとしない。しかし兄の恋人だったアブラの仲介により、ようやく父子は和解するのだった。
というわけで、ジミー以外には特に知った顔のない登場人物だったもので、わしは全面的にジミーに感情移入して観てました。はっはっは。
なので、アロンの小ずるさというか実は親父が考えているほどいい子ちゃんでもないところとか、そもそも親父の偽善的な品行方正っぷりが大変鼻についておりましたので、それでも父の愛を求めるジミーに同情たっぷり、ラストも、アロンが衝動的に出征したのは確かにキャルのせいなんだけど、でも卒中なんか起こしたのは全面的に親父が悪い、自業自得やんという立場だったので、和解というのはどうなのって感じです。
ただ、キャルが生まれた後に家を出たケートは、確かにいかがわしい酒場の経営者で、キャルとか家族に迷惑もかけたんだろうけど、アロンをいきなり連れてこられて、アロンに酒場で暴れられてというのは単に被害者に見えました。まぁ、親としての責任を果たしてないんだから、と言われてしまえばそれまでですが、キャルがアロンに報復するというのは、もちっと別の形であってほしかったと思わなくはありません。ほら、わしも女性の方を贔屓するからさ。
アブラは最初は嫌な感じの女でしたが、中盤で自分の父親と確執があったことをキャルに打ち明けた辺りからキャルへの理解者になり、勝手に出征しちゃったし、勝手に婚約なんか宣言したアロンなんか見捨ててキャルとくっつけばいいと思いました。そこまで描かれませんでしたが。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
[0回]
PR