竹宮惠子著。竹宮惠子全集9〜12。全4巻。
A級宇宙飛行士ダン=マイルドと9歳のエスパー少女ニナ=フレキシブルのカップルを中心にしたSF連作ラブコメディ。
リアルタイムで連載されていたのは知っていたのですが、あんまりおもしろく感じなかったんだけど、今読み直すとそれほど抵抗がなかったです。たぶん、高校生のわしは著者の溢れる天才性に嫉妬したんだろうなぁと思いました。それほどSFにしても文芸にしても、余りあるバックグラウンドがなければ描けない話なんですよ、これ。蘊蓄を蘊蓄だと読ませない、まさに天才の技です。
高校生くらいのころに、どうやら自分にはプロとしてやっていけるだけのアイデアもなさそうなので作家になることを諦め、それでも書くことは諦められずに同人誌に行ったように思うので、まぁ、わしが生まれたころにデビューしていた天才相手に嫉妬とはいけずうずうしい話ですが、すごいなぁと思ったのは間違いないです。
年代的にはあっても不思議はないのですが「
エデン2185」のシド=ヨーハンが登場、ニナと仲良くなってます。後付けっぽいので、あんまりおもしろくなかったですが。これだけ仲がいいのなら太陽系から離れる時に通信してもいいはずだけどねという不自然さが。
収録されている短編二本はどっちでも良かったんですが、「雪国」が、あの川端康成が宇宙人だったという落ちはおもしろかったです。
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