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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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ゆきゆきて神軍

監督:原一男
出演:奥崎謙三、奥崎シヅミ、ほか
企画:今村昌平
1987年、日本

ニューギニア第36連隊の帰還兵、奥崎謙三氏が、戦地で起きた兵の銃殺事件を、生存者に訪ねて事実を掘り起こそうとする姿を追ったドキュメンタリー。無実の罪で殺された兵がなぜ殺されなければならなかったのかという事実を追ううちに、人肉食という日本軍の腐敗というか、困窮ぶりを表すようなショッキングな事実も浮かんでくるけれど、根底に流れているのは当時の日本軍の最高責任者でありながら、自らはまったく裁かれることなく、むしろ平和の象徴であるかのようにのうのうと生き延びたヒロヒトを断罪する気持ちである。

事実を明かすためならば暴力も敢えて振るう奥崎氏のキャラクターが強烈で、監督やスタッフの声はまったく聞かれない。そういう意味では「水俣−患者さんとその世界」とは対極に位置するスタイルであり、むしろ、まったく事情を知らない監督が口を挟んでも蛇足に過ぎないことをわかっていて、黒子に徹したと思われる。

作中、どうしても話すわけにはいかないと固辞する山田吉太郎さんが、奥崎さんの粘り強い説得により、ぽつぽつと話すあたりは真実だけが持つ迫力に満ちている。

問答無用、一度は見ておけ、な傑作。

たんぽこ通信 映画五十音リスト

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