監督:ヴィクター=フレミング
出演:スカーレット=オハラ(ヴィヴィアン=リー)、レット=バトラー(クラーク=ゲーブル)、アシュレー=ウィルクス(レスリー=ハワード)、メラニー=ハミルトン(オリビア=デ・ハビラント)、マミー(ハティ=マクダニエル)、ほか
日本映画の横綱を「
七人の侍」とするならば、ハリウッド映画の横綱は文句なしに「風と共に去りぬ」でありましょう。というわけで発掘したんで、見てみることに。しかし、ビデオテープの状態が悪かったのと、この時代のハリウッド映画は吹き替えでは見ないのがお約束ですんで、そのうちにまた見直すと思います。これでも4〜5回見てるんですけど。
たきがは、あちこちで何度も書いておりますが、初見時からスカーレット&レット派です。実はアシュレー&メラニーの魅力が最近までわかりませんで、スカーレットがどうしてあんなにアシュレーアシュレーと言ってるのか理解できなかったのですが、年取ってから見ると、アシュレーはあれはあれで安全パイなのだな〜と思いました。ただ、やっぱりスカーレットにアシュレーでは釣り合わないと思います。だいいち、スカーレットが本音を吐いてる相手って、召使い以外はレットだけです。周辺の男どもは当然として、両親にさえ猫かぶっているじゃありませんか。でもレットには悪態をつき、泣きわめき、かなり本音を言っています。スカーレットが飾らないでつきあえるのがレットだけとは、ある意味、不幸な女性だなとも思うのですが、スカーレットの場合、自ら不幸を招いているようなところもありますんで、まぁ、自業自得っちゅうか、それでもわしはいい子ちゃんのメラニーよりも圧倒的にスカーレットが好きです。自己中で、我が儘で、ええかっこしいで、なりふりかまわずで、でも自分に正直なスカーレットが大好きです。
久々に見たら、意外と説明が多かったのですが、南北戦争という時代を挟んでいるので多少はしょうがないのかなと。スカーレットたちの物語をナレーションで済ませているわけではないので、マクロな時代背景を語るにはいいなと思います。
それはそれとしまして、スカーレットがタラに戻ってからの第2部の記憶がけっこう抜け落ちてるもので、タラが復活してから、スカーレットとレットがついに結婚するまでの経緯をすっかり忘れておりました。まさか、2回もスカーレットが未亡人になったとは思いもしなかったです。そもそも第2部のことも忘れてたっちゅうか…
それに、したたかだと思っていたスカーレットが、第1部では意外と弱く、気丈なところも見せつつ、基本的にはもろいというのがまた魅力的で可愛い女性だな〜と思いました。しかし、実際問題、彼女のような友人がいたら、何か気の休まる時がなさそうです。メラニーの聖女ぶりが際立っておりますわ。
そして、弱いと思っていたメラニーが逆に第2部になるとというか、スカーレットのもろさが目立つところではしっかりしたところを見せて、本当に強い女性というのは実はメラニーなのだなと思うのでした。
それにしてもレット=バトラーは格好ええのぅ〜 クラーク=ゲーブル氏がまたこれ以上ないぐらいのはまり役で、10個のアカデミー賞を取った本作ですが、主演男優賞を取っていないのはおかしいよ!と思うわけでした。
しかし、そんな自信満々のレットが、やっと念願かなってスカーレットと結婚した後になって、スカーレットが自分を愛しているのか自信がなくなっていくのは皮肉としか言いようがありません。
だから、後半でスカーレットがレットが自分から離れていくのを知って、戻ってきて露骨にうれしいという顔をしていることに気づかない。しかも、スカーレット自身が、自分が愛していたのはレットだと気づいたのは終盤も終盤、メラニーのいまわの際ときてますから、この2人の気持ちのすれ違いたるや、さらに皮肉な展開に。
でも、ラストでスカーレットが、「タラに戻ろう。明日考えよう」と言うシーンは、彼女の、メラニーとは違った強さ、生きる上でのしたたかさというかたくましさが伺えて、わしはこの1点において、スカーレットが好きなのでした。
それにしても、1939年にこんな大作を作っていた国と戦争して勝てるわけないなぁとまた思いました。
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