監督:森田芳光
出演:山吹摩耶(小雪)、道上(井坂俊哉)、川上(山中崇)、さくら(小池栄子)、保利(小澤征悦)、魚住サキ(黒谷友香)、川上たみ(藤田弓子)、ほか
「ビッグイシュー」の小雪さんのインタビューを読んだ時に、この映画について言及しておりまして、興味を覚えまして、久々に映画のはしごです。ひ〜 肉体的にちょっときついかも。
函館の町に戻ってきた山吹摩耶は、市電の運転手を務める道上を通じて、高校時代の友人に連絡を取る。その目的は友人たちに金を渡すこと。道上には世界の市電を見回る資金を、ランナーの川上には怪我を治す金を、さくらには望むものを、保利には研究資金をと言って、大金をぽんと渡す摩耶。しかし、思いもかけぬ大金を手にしたことで、ある者は生活を崩し、ある者は変わらぬ生活を送る。果たして摩耶の意図はどこにあるのか…?
ええ、あらすじで「摩耶の意図はどこに」と書きましたが、実はこの映画、お金にまつわる、大人のためのファンタジーではないかと思いますので、最後までその謎は明かされません。むしろ、主題は、突然の大金を手にした市井の人びとがどんな反応をするかにありまして、ある者は湯水のように金を使い、ある者は自分の手に届く範囲で満足をする。またある者は命を落としてしまう、という個々のドラマが主題なんであります。
そう思って観ると、摩耶の渡す金は、我々への試金石でもありまして、いきなりの分不相応の大金を手にした時、あなたはどうしますか?という問いかけをこの映画はなしており、さて、どうしたものかねぇと考えさせられるのでした。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
[0回]
PR