アニメの第７話です。それまで「触るもの皆傷つけた」なドモンが、初めてジーナに見せる優しさとか、第６話以前とは違ってきたな、と思わせるネオメキシコ編です。
そのほかの漫画は１回読んだらそれきりです。基本、「Gガン」のためだけに買ってる雑誌なもんで。
続きは以下に。
アニメでもいきなりネオメキシコのコロニーから始まった第７話、しっかり踏襲してくれてるのが良いですな。このデザイン、好きなもんで。
↓これ
この突き抜けちゃった感こそ、「Gガン」だと思うわけ。
さて、難病に冒されたジーナと妹のためにガンダムファイターになったものの、地球に逃亡して追われる者となり、次々に追っ手を暗殺し続けるチコのシリアスなドラマが展開した第７話。漫画ではけっこうギャグも交え、もっと明るい調子で進めてくれます。根っこのところはアニメどおりですが、オリジナルな展開になって、これはこれでおもしろいです。まぁ、眉間にずっとしわ寄せて、世界の不幸を背負っちゃったようなチコもドモンに対するキャラとして悪くなかったんですが、わりと空気だったネオメキシコのカラーがむしろ明るく脳天気でいい感じに弾けてます、今回。
まずはチコとジーナの子ども時代から。コロニーから地球の海に憧れる兄妹という始まりは一緒ですが、いきなりじいちゃんの台詞からはっちゃけ開始。何世紀もかかって破壊された海の環境がチコが大人になる頃には復活するという老人の推測に突っ込む兄妹。「必ず行こう！ ジーナ！」「お兄ちゃん！」という兄妹の明るさが、どこか悲壮さを漂わせたアニメとは全然違う方向に向いているのだな、と思わせなくもない。アニメが頭にあって読んでいると違和感ばりばりなんだけど、最後まで読み通すとそう思える。
そして１０年後のネオメキシコ。
レインが見つけたのはデビルガンダムが地上に最初に落下したというクレーターです。おお、アニメだとデビルガンダムの存在はかけらもなかった第７話でしたが、漫画では濃密に描いた第６話を受けて、キョウジの痕跡を追うわけです。
確かに、いちばん最初に「Gガン」見た時に、第６話でやっとドモンの目的が明かされたのに、第７話では全然関係ない話になって、わしは違和感を覚えたものでしたが、きっと島本さんもそう思ったのだろうかなぁなんて思いました。今ではけっこう好きだけどね、カラー違うのも。
そしてタイトル。テキーラガンダムの勇姿です。でも、何で手に酒瓶？ テキーラ？ これが伏線だとはな… やってくれるぜ。いきなりマックスターのお株を奪っちゃった感じ？
場面変わってどこかの海。久々に登場のチボデーギャルズです。
どうもバカンスを楽しんでるようにも見えるチボデーに、テキーラガンダムとのガンダムファイトを願い出るネオメキシコの人たちが登場。ネオジャパンで言うとカラト委員長くらいの地位にありそうなんですが、チボデーの尊大さと、ファイトを願い出る立場のためか卑屈そうな感じ。まぁ、アニメでもそんな感じか。後のページで「上に報告」と言ってるんで、カラトほど偉くはなさそうです。
この時のチボデーの尊大な対応（何か飲んだり食べたりしながらの態度）はアニメまんまで、らしいのが良いですな。
さて、バニーから連絡が入ります。尊大な態度ですが、チボデー、すでにバニーをネオメキシコに派遣とは、やる気満々です。
ところがドモンを見つけたというので、チボデーは驚きますが、舞台はそのままネオメキシコ、ドモンへ。
どうやら、前のページでレインがデビルガンダムの落下を確認したのを受けて、ドモンはキョウジを探しに来た模様。そういや、アニメだと、あの写真は第６話までで使われなくなってしまいましたが、まだ持ってますな。
で、「ビールをおごってくれたら教えるぜ」って言ってる酔っぱらいに「前にそれでガセネタをつかまされたからな！」なんて返す辺り、ドモンも学習してるのね。
そこへチコが現れます。というか、まだチコだとは名乗ってない（子ども時代しか登場してないし）のですが、吹矢持ってるし、チコなんで、もう怪しさ大爆発です。というか、人の往来する市場で吹矢を堂々と持ってるとは怪しすぎるぜ。
ドモンはとっさに避けますが、チコの勘違いだった上、すでに撃たれた後、ここら辺からドモンの強さに？がつき始めるんですけど、まぁ、相手がぱんぴーではなくてガンダムファイターだってことで。
で、なぜかいきなり絵柄の変わったドモンががくがくと震えたところで、このコマだけ関智一さんがドモン描いたんだって！ すげぇな。情けなさに拍車がかかっちゃってるけど。
そして、バニーはドモンを見失ってしまいます。
ドモンが気づくと海の傍で、まさにチコに海に投げられるところ！ チコはけっこう力持ちだと思う。ドモン、抱えてったし。
でも、そこにジーナが現れ、チコを止めます。咳き込むジーナにドモンを投げ出すチコ。ひどい！
で、アニメだと展開が終始シリアスなもんで、ジーナに免じてドモンの命を奪うことを辞めるチコだったのですが、漫画ではシリアスを装いつつ、ギャグの展開へ。
メキシコの海に憧れたのがそもそもの間違いだったと言うジーナに、チコは「俺のやってきたことが… すべて間違いだったみたいじゃないか！！」と言います。それに「９割は…… 間違いだったと… 思う…！」と返すジーナ。さらにドモンまで「ほとんど全部間違ってたのと同じだ！！」と突っ込みます。アニメだと突っ込む余裕はなかったんだけど、余裕だな。
妹のためにいろいろ（まだ語ってないけど）やってきたのに、その妹に間違いだったと言われてショックを受けたチコはその場から逃げ出します。で、ジーナに助けられるドモン。
さて、チボデーはバニーからドモンを見失ったと報告を受け、さらにバニーは大きな男が人の大きさの荷物を運んでいったと報告。
シャリーとネオメキシコのガンダムファイト委員会から「その男がチコだ」と突っ込まれてしまいます。情報収集がバニーの担当のはずですが、アニメ同様、漫画でも？がつく感じ。
ガンダムファイト委員会の面々はチコがガンダムファイターを殺したかと言ってますが、チボデーの感想は若干異なる模様。アニメだとドモンへの敵愾心というか、ライバル心むき出しのチボデーですが、漫画のチボデーはわりと冷静にガンダムファイターたちがガンダムに乗らずにぶつかりあうのはよくあるけど、チコのやり方が気にくわないようですな。まぁ、真っ直ぐなアメリカンドリームの体現みたいなチボデーですんで、きっとチコの事情とかは考えないっぽいけどな。
その頃、ドモンはデビルガンダムの夢を見ていました。キョウジのために母が殺され、父が冷凍刑ですから、このトラウマはアニメだとけっこうスルーされちゃってる感もあるんで（その分、ドモンが初登場時からほかのことには目も気もくれる余裕もない尖りっぷりという描き方はしている）、これはこれでありだと思う。それにしてもキョウジの顔が悪辣だ〜
そして目覚めたドモンは、ジーナに助けられたことを知ります。ということは、ドモンをジーナが運んでいったのか？ それとも逃げ出したチコが助けた？
という話はさておき、ジーナにチコもガンダムファイターだと告白されて水を噴き出すドモン。どうやら気づいてなかったのね。大丈夫かよ、こんなんで。というか、ガンダムファイトって、全世界のガンダムファイターの顔とか名前は極秘？ そこら辺の事情ってどうなってたかなぁ… 決勝大会になると解説本っぽいのあるんだけどね。「第２７話」でチャンたちが見てた。
で、ドモンがチコの人違いというか勘違いで吹矢を撃たれたことを知ったジーナは「ぬるすぎるわ！」と怒ってますが、ドモン、ここは冷静に「なんでガンダムファイターが９割も間違ってるって話してたんだ…？」と兄妹の核心に突っ込みます。
そこでジーナは事情を話します。海に行きたいという夢をかなえるため、ガンダムファイターになったチコ。鍛え方がかなり力に特化しているというか… どういう戦法なのだ、テキーラは？というか… サボテン型の棍棒で腹たたくなっていうか… やってることはなんかおかしいんだけど、「Gガン」特有のおかしいことも当人たちは凄く真面目にやってる！というノリがなんからしくていいです、この特訓シーン。
しかし、ジーナがコロニー型のウィルスにかかり、余命一年と知り、チコは酒に溺れます。でも、子どもの頃からの夢だった地球の海に行くというジーナの願いをかなえるため、チコはとうとうテキーラガンダムを盗み出し、ジーナとともに地球に逃げ出したようなのです。盗み出したらしいというのはジーナの推測に過ぎないのですが、ガンダムファイト委員会に追われているという事情を鑑みるにほぼ正しいかと。
ドモンが「計画完了まで我慢できなかったのか…… まったくダメな奴だ… チコ…！」とこっそり心中で突っ込んでるのは、ちょっと意外。でも「ダメな男なりに人生を懸けて闘ってきたんだ…」とは共感するところ、大あり？
でもジーナが咳き込んで、心配するドモンに、ジーナはドモンも「兄のことで苦労している」と突っ込み返し。なかなか恐るべき女性ですな。それもドモンがさんざん兄のことでうなされていたかららしいですが。ドモン、自分の置かれた立場を思い出して顔面蒼白です。
しかし、ジーナはさらにドモンが寝言でキョウジと叫んでいたのも聞いており、「ドモン・カッシュさんでは？」と訊ねます。名乗ってないのね、まだ…
そこでジーナが語ったのは、恐るべきデビルガンダムとの出会いでした。
地球に逃げたものの、ネオメキシコの政府軍に追い詰められてしまったチコとジーナ。このアヒルみたいな口のMFは、確かペスカトーレという美味しそうな名前（←おい）のネオメキシコの機体です。まぁ、ネオジャパンのカッシングみたいな奴。ぶっちゃけ雑魚だと思うんですが、さすがに数に負かせて追い詰められたテキーラガンダム。ジーナがコクピットにいるのもまずかったか。その背後に現れたのがデビルガンダムだったのです！ どうやら、最初に落ちてクレーターを作った直後のような壊れっぷり。
しかし、その破壊力はあっという間にペスカトーレを全滅させ、テキーラを助けました。追われていたことに気づいて助けてくれたのです。しかもキョウジが！ ということはこのキョウジはまだ自分の意識があった？ でも全身がケーブルで覆われているので、直後にデビルガンダムに取り込まれた後のようですけど。
そして、キョウジはチコにドモンへの伝言を頼みました。ところが、その時、ジーナは気絶していたのでキョウジの言葉を聞いておらず、チコも言ってない模様で、ドモンは途方に暮れた感じです。
そこへネオアメリカのチボデーがギャルズとともに派手に登場、町を騒がせ、チコを挑発します。
群衆に紛れて見ていたチコは、思わず「ガンダムファイターの血が… 騒いできやがる…」と怒りをあらわにしますが、自分の立場（国家反逆罪とか、きっとペスカトーレ壊滅の責任も負わされてるっぽい）を考え、ジーナのためにチボデーを暗殺しようとしますが、ドモンが止めます。オリジナルのエピソードの中にアニメの展開を挟む辺りが心憎いですな、島本さんは。
で、ドモンはジーナが発作に倒れたことを伝え、今はレインが彼女を見ていると言いますが、チコ、なんか逆ギレでドモンに殴りかかります。アニメだと「不幸なのが自分だけだと思うな」って感じで説教しちゃったドモンですが、ここはチコが受け取ったキョウジのメッセージを聞く方が最優先と見え、チコと派手に殴りあってしまうドモン。いや〜、チコをさんざん馬鹿だと言ってるドモン（この後でも出てくる）ですが、いい勝負の馬鹿っぷりですな。
で、衆人の注目するところとなり、チボデーやガンダムファイト委員会の面々に気づかれてしまうドモンとチコ。逃げ出した２人は、トラックを盗み出しますが、チコは途中で海に飛び込んでしまいます。海の中にはテキーラガンダムのシルエットが。
海を見つめるドモンのもとへガンダムファイト委員会の面々が追いつきます。ドモンはチコが海の中にガンダムを隠したのではないかと推測しますが、委員会の面々は「海を愛する男が… ガンダムをここに隠すはずがない！！」と断言、チコを自殺としたがっているようですが、あっさりテキーラガンダムが登場。チコは「海が好きなんだよオオオオオ！！」と訴えるのでした。ドモン、ここでもチコを「バカ」と言い切ります。
で、ペスカトーレ部隊がまた登場し、ドモンは加勢しようと考えますが、「テキーラ！」のかけ声とともにペスカトーレをほふるテキーラガンダム。「酒のテキーラの強さと同じくらいは強い！」ってガンダムファイト委員会の面々の台詞がドモンが言うようにまるでわからない〜 ┐(´ー｀)┌
でも、チコの戦い方に感心するあたり、実は共感してる？ アニメだと敵っぽいけど？
そこへシャイニングガンダムが登場、キョウジからの伝言を聞くべく、ドモンがガンダムファイトを申し込もうとしますが、そこにレインが割って入ります。なんと、ジーナは治ると告げるレイン。
感激したチコは、いきなりテキーラガンダムを下りちゃって、罪を償うと言い出したのですが、そこにガンダムマックスターが登場、ドモンにガンダムファイトを申し込もうとします。
ところが、チコの自首に対し、ガンダムファイト委員会のおっさんが罪を償うなら、さんざんネオメキシコをこけにしたガンダムマックスターを倒せと言い出し、こっから完全にオリジナルの展開に。
さらにいつの間にか集まったネオメキシコの市民がチコを応援、ペスカトーレ部隊の人たちまで「あいつ（ガンダムマックスター）をぶっ壊したら もうおめぇを追っかけねぇよ！！」と言い出した上、テキーラまで景気づけに差し入れされてはチコも引っ込めません。というか、ガンダムファイターとしての闘志がぼうぼうに燃え上がったっていうか。皆の歓声を受けて、チコ、再度、テキーラガンダムに乗り込みます。
チボデー、自分がさんざんネオメキシコをあおった、というか馬鹿にしちゃったという自覚がないのが困ったものですが、そこは陽気で自信満々なアメリカンですんで、「売られたファイトは買う」そうです。
そして始まるガンダムマックスター対テキーラガンダムのガンダムファイト。ドモンもついチコを応援しつつ見守りますが、レインから、コロニー型ウィルスの治療はカッシュ博士の研究の応用だと告げられます。まぁ、それは後の伏線でしょうな。
最初のうちは優勢だったテキーラでしたが、マックスターはやっぱり強かった。最後はテキーラは爆発、圧倒的な勝利を収めます。
しかし、チコはドモンが助け、ついにドモンはキョウジからの伝言を聞くことができましたが、それは「俺を追うな！！」という短いものでした。ドモンも馬鹿なので、思い切り落胆し、レインに慰められるの図。
チコは改めてガンダムファイト委員会の面々（でいいんだよな、こう言い切っちゃってるけど）に自首しますが、おっさんたちは「チコはガンダムマックスターとの闘いで勇敢に散った！！」と上に報告してやると言って、チコを見逃してくれるのでした。さらにチコと飲み明かそうとは、陽気なメキシカンって感じで、Gガンらしくていい！
チコは負けちゃいましたが、それなりに善戦したと認めてくれ、さらには妹の回復祝いだっていうんだから、いい人たちだよね。
その分、勝ったチボデーは何か納得がいかないようで、ギャルズ置いて、帰ろうとしてますが。
まるで「さらば」と言うようにテキーラガンダムの腕をラストのカットにして、次回は「ネオカナダでドモンの怒りが頂点に！」だそうですよ！ 「Gガン」１シリアスな展開と思ってる「第８話」を、この調子でどう料理してくれるのか、今から楽しみだぜ！
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