師匠と弟子の最終決戦、「機動武闘伝Gガンダム 第45話 さらば師匠! マスター・アジア、暁に死す」において、ついに明らかになるマスターの真意。しかし、地球再生のためには人類皆殺しも辞さないマスターに、ドモンは「人類もまた自然の一部、ともに生きる人類を殺しての地球再生など愚の骨頂」と応じて、マスターに「わしは教えられたよ」と言わしめる。
ここって、ドモン、マスターを越えたわけじゃないよな。
確かに演出は、
「愚の骨頂!!」と一喝したドモンがマスターを見下ろすほど大きくなっているし、マスターにも「教えられたよ」と言われているが、その直後の石破天驚拳のぶつかり合いでも、ドモンはもしもマスターに
「キサマの力などそこまでの物に過ぎんのかぁっ! それでもキング・オブ・ハートかあっ! 足を踏ん張り腰を入れんかぁっ! そんなことでは悪党のワシ一人倒せんぞっ! このバカ弟子がぁぁぁぁぁぁっ!! 何をしておるっ! 自ら膝をつくなど勝負を捨てた者のっ することぞおおぉぉっ!! さあ、立てっ! 立ってみせいいいいぃぃ!!」(以上、師匠のお言葉は
あじあの楽園様を参考にさせていただきました。ありがとうございます)と、これだけ罵倒され、ようやく立ち上がり、マスターの石破天驚拳を押し返すことができたわけだし、第46話でもウォンにキャリアーを壊されて「地上に激突か?!」とやたら諦めの早いところを見せつつ、「ドモンっ!」と師匠の幻を見、颯爽と現れた風雲再起に騎乗することができたんだし、さらに第48話ではグランドマスターガンダムにシャッフル同盟揃っていいところなし、それでもみんなに「諦めないで」とか言われてるのに「でも」と答えて、師匠・シュバルツ・キョウジ・ミキノ母さんの最後の登場で「ワシ等の死を無駄にするのか?」と言われてようやく奮起し、グランドマスターガンダムを倒せたわけなんで、何度も書いているが、ドモンはやはりマスターを越えたわけではないのだと思う。
それにしてもたきがはも毎度しつこいですね。いや、第45話でふと思いついたもんですからね、なんというても「Gガン」だし、師匠だし、せっかくなんで書き留めておこうかと思いまして。いや、それぐらい、「Gガン」って思い入れの強いアニメなんすよ。
閑話休題。
しかし、今回は第45話にてよくネットで見かける話なんだけど、マスターが4年前のガンダムファイト以来、「何が理想的な戦争よ!」と人類抹殺と地球再生を決意し、その手段としてデビルガンダムを選び、断腸の思いで愛弟子を敵にし、とここまで手間暇かけてるのに、ドモンは第45話にて初めて聞かされた師匠の真意、第39話で見たネオ香港の裏の姿、1年間戦ってきた荒れ果てた地球の姿にも第45話で初めて思い至ったように、「愚の骨頂!」とマスターを一喝するけど、どっかにも書いたけど、あれはあくまで上げ底みたいなもんで、そういう意味では石破天驚拳も上げ底みたいなもんなんで、師匠を越えていない。
なんでかと言うと、「地球再生→人類が地球を汚している・ガンダムファイトの弊害→地球人類抹殺→そのためにはデビルガンダムが必要」という4段論法に至ったマスターに対し、ドモンは一言も「人類抹殺など愚の骨頂→ならばどうする?」という論法を展開してないからである。確かに、最終話でカッシュ博士曰く「ガンダムファイトに弊害があるとわかった以上、変えていける」という明るい未来を提示した「Gガン」ではあるが、それはドモンの意見でも何でもないし、第46話でも優勝パレードにて師匠の言葉を反芻しつつ、「師匠の言うとおりだ」と、下手すると自説を撤回しかねないような感想を抱いているからである。
つまり、ドモンは師匠の「地球人類抹殺」は「愚の骨頂」と言ってのけたけど、もしも師匠が「ならば貴様はどうするつもりだ?!」とでも応じられたなら、たぶん、答えはないのだ。だから、何行か上で「初めて聞かされたドモンが4年間も悩んでいた師匠を喝破したのは変」という意見については、喝破したのはあくまで師匠の結論のみで、師匠の論法に対する代替案は出してないし、「Gガン」という話としても出さず、あくまで「希望の未来」のみを提示して終わっているんであった。別にそれがまずいという話じゃなくてね。
だから、ドモンが第45話で師匠を喝破したように見えるのは、あくまで「地球人類抹殺」一点のみであり、ゆえにドモンは師匠を越えていない。だから、師匠が第46話、第48話で登場し、ドモンを激励、あるいは叱咤するのはまことに正しいと言えるんじゃあるまいか。ちゅうことかな。
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