忍者ブログ

されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

平家物語

全4巻。日本の古典全集。小学館刊。

たきがは家の本棚の肥やしシリーズ。「平清盛」を見るに当たって、読んだことがなかったので予備知識が仕入れてみました。しかし、原文だと何年かかるかわからなかったので、あっさり現代語訳で読んでる根性なしです。

今、大河ドラマでやってる清盛の若い頃というのは、実は「平家物語」では序盤のほんの触りに過ぎず、やっぱり清盛が権力を握ってからの方が長く、それより長いのが源平の合戦というか、平家が滅んでいくところだったりしたのは意外でした。ただ、現状のどこかで見たような立身出世物語よりも、権力者となった清盛を如何に魅力的に描くかという点に絞れば、従来の清盛像とは違う新しい清盛像を見せられ、おもしろかったんでないかと思います(たきがはは今の大河にはとっくのとんまに飽き飽きしています)。

全編に流れる無情さと哀れ。なかなかおもしろかったので、また別の本も読んでみよう(万葉集は読んだ)。

拍手[0回]

PR

流れる星は生きている

藤原てい著、中公文庫刊。

作家・新田次郎氏の奥さんでもある著者が満州から日本・諏訪に戻るまでを綴った引き揚げの話。初めて読んだ時にぼろぼろと泣いた記憶があり、もう一度読みたいと思って十年ぶりくらいに再読したのですが、次々に襲いかかる苦難に、最初は泣いているしかできなかった著者が次第に奮然と立ち向かっていく様は描写も生々しく圧倒されましたが、肝心の涙はちっともこぼれてこなかったという不思議でした。多分、既に書いたように、最初のうちこそ泣いてばかりで頼りなかった著者が、夫が捕虜として捕られた辺りから三人の子ども(しかも一人は乳飲み子)を守るべく、母は強しを体言するに至っては圧巻の一言に尽きるからじゃないかと思います。あの時代、多くの残留孤児を生み出してしまったことからも、子どもを抱えて日本に戻るのがどれだけ大変だったかは、現代に生きるわしの想像を絶するものだったのではないかと思うんですよ。けれど藤原さんは誰一人欠くこともなく帰ってきた。そのことに圧倒されちゃって涙も引っ込んだのかなと思いました。

拍手[0回]

アシュラ 完結編

ジョージ秋山著。青林工藝舎刊。

同時収録が「銭ゲバの娘プーコ」なんですけど、「銭ゲバ」がまだ届いてないんで「アシュラ 完結編」だけ読みました。

アシュラというのは、おそらく中世(平安〜室町ぐらい)ごろ、日本中が飢饉のために餓えていた時代に、ある狂女から生まれた赤ん坊が、母に殺されそうになりつつ生き延び、いつか「アシュラ」と呼ばれるようになり、人の心を失ったアシュラの放浪にからめて、苦しむ庶民の姿を描いた超問題作です。
1970年代の「少年マガジン」は凄かったんだよ、こんな人肉を食べる漫画が連載されていたんだから。衝撃的な内容でしたが、途中で連載が唐突な終わり方をし、アシュラが生みの母と再会し、その死に立ち会うもラストは「生まれてこない方が良かったのに」と、全編、この基調に包まれている漫画でして、作者はアシュラの持つ獣性をこれでもかこれでもかと描き続けたわけです。
その「アシュラ」が完結してるとなると、読みたいのが人情というもの、「銭ゲバ」も注文しましたが、こっちはついでです。てへ

未読の方のために、ネタバレは伏せておきます。

拍手[0回]

銭ゲバ 銭ゲバの娘・プーコ

ジョージ秋山著。幻冬舎文庫刊。全2巻。

というわけで、最後に読みました。

(´・ω・`)

(´・ω:;.:...

(´:;....::;.:. :::;.. .....

という読後感でして、もっと若い頃に読めば、風太郎にもそれなりに同情できたか、反感持ったかわかりませんが、なんちゅうか、ピカレスク・ロマンと読むには、あんまり風太郎にご都合主義すぎて、あんなに人殺してるのに、全然発覚しないとか、県知事にまでなっちゃうとか、ありえねーよ!な展開だったもんで、おもしろくなかったのでした。

しかも最後に自殺しちゃうという、銭ゲバにも一片の良心ってことなのかもしれないんですけど、逆に、そういう半端な悪役にはまったく興味も関心もないもんで、ありきたりな落ちにがっかりです。「銭ゲバ」を名乗るんだから、もっと突き抜けてほしかったわ。県知事なんてしょぼい地位に安穏としてないでさ。

このまま「銭ゲバの娘・プーコ」も読みましたが、こっちはさらにあきません。いや〜、わし、「宇宙戦艦ヤマト」で、沖田艦長が復活した時に激怒した口なんで、銭ゲバがこういう形で生きていたというのはさらにがっかり。これがほんとに蛇足って奴だよ。
あれだけ救いのない展開を見せていた「アシュラ」が、「完結編」で、むしろすがすがしい終わり方をしちゃうのとは対照的。

拍手[0回]

六千人の命のビザ

杉原幸子著。朝日ソノラマ刊。

戦時中、リトアニアの首都カウナスの日本領事館で、日本の通過ビザを求めてナチス・ドイツの支配から逃れてきたユダヤ人たちに、杉原千畝さんがビザを与えた。戦後、日本外務省はこのことをよしとせず(日本とナチス・ドイツは同盟国であったため、ドイツの政策に反対する行動だった)、杉原さんは外務省を退職させられたが、後に命を救われたユダヤ人たちが杉原さんを探し当て、イスラエルの発行する「ヤド・バシェム賞(諸国民の中の正義の人賞)」を与えることで、杉原さんの行為は世界的に認められたものとなり、杉原さんの日本での復権も叶った、という事実を、杉原さんの奥さんによって語った話。

なんですが、どうしても、こういう立場の方々は、ユダヤ人の受けた迫害、いわゆるホロコーストに同情的なことはあっても、現在のイスラエルで行われているユダヤ人によるパレスチナ住民へのホロコーストに近い扱いはスルーするわけです。まぁ、息子がイスラエルに招待留学までしてるから、悪口も言えないんだろうけど、杉原さん自身が生きていたら、そこのところはどう考えたのか、そもそもそういう事実を知っていたのか、という点の方に興味があり、奥さんの主観はどうでも良かったりしました。

あと、外交官というのは無茶苦茶恵まれていた人たちでして、戦時中、日本では食料統制が敷かれ、食べるものにも困ったとか、うちの両親はもろに戦中派ですんで、ご飯じゃなくて芋ばかり食べていたとか(母は福島、父は長野に疎開なので事情はかなり異なりますが)、なにしろすごく大変だったという話を断片的に聞いておりますと、敗戦後、最後にいたのがルーマニアだったんですが、荷物が家族6人(杉原夫妻、奥さんの妹、息子3人)でトランク30個分とか読んでしまうと、着の身着のままで逃げてきた満州からの引き揚げ(「流れる星は生きている」という名著あります)に比べると、ソ連に拘束され、見張られていたとはいうものの、命に別状があったわけでなく、何とも恵まれた人たちだったのに、そこら辺、当時の日本国民の実情なんか全然思いやる様子もなく、自分たちの荷物がどんどんなくなっていって大変だった、みたいなのを読んでしまうと「へぇ〜」ぐらいな感じになってしまったりしました。

どっちかというと杉原さん自身の手記を読んだ方がずっとおもしろかったかもしれません。

拍手[0回]

カレンダー

03 2025/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30

最新CM

(06/14)
無題(返信済)
(05/29)
(04/27)
甘くない態度(返信済)
(04/26)
謹賀新年(返信済)
(01/04)

プロフィール

HN:
たきがは
HP:
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

かうんたあ

脱原発意思表示Webステッカー

バタリーケージの卵を食べたくない!キャンペーン