上橋菜穂子著。偕成社。
守り人シリーズ最新刊。上下2巻といままでの倍のボリューム。外伝「虚空の旅人」とは時期が重なっており、迷える皇太子チャグムや、快婆トロガイ師、出番なかったす。
話は「虚空の旅人」で言及された新ヨゴ皇国の西隣、サンガル王国の北西、カンバル王国の南西に広がる草原に王国ロタが舞台。ロタに伝わる恐ろしき神タルハマヤ、その復活を巡る、美少女アスラとロタの猟犬スファル、ひょんなことからその事件に関わるバルサとタンダ。
いままでも国の根幹にまつわる事件に巻き込まれてきたバルサだったんだけど、今回はスケールアップ。
これで守り人シリーズ全巻制覇したんすけど、たきがは的には「闇の守り人」がいちばん好きっす。バルサの戦いってどうしても第三者にならざるを得ないと思うんすよ。当事者じゃないから言える。部外者だから言えることってあるでしょ。でも、「闇」ではバルサ本人の戦いでもありましたから、故郷なんで当然ですが、その当事者ならではの怒りとか、悲しみが、いちばんせつなく、良かったと思うのですね。
そういう意味では「神」はバルサが自分からトラブルに巻き込まれるわけですが、いままででいちばん動機が弱いような気もするわけ。「精霊」では巻き込まれだし、「夢」だとほかならぬタンダが巻き込まれだからね。
でも、まだまだ続きそうなシリーズですんで、まだまだ先が楽しみっす。
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