山本航暉著。マンガ図書館Z刊。全26巻。
シリーズの前半「疾風伝説彦佐」(12巻)とその続編「疾風伝説彦佐 疾風の七星剣」(12巻)、外伝の「疾風伝説彦佐 戦国の疾風」と「疾風伝説彦佐 疾風の絆」で計26巻の長編です。
戦国時代、最強の戦請負人と呼ばれた旋風三人衆こと疾風(かぜ)の彦佐、月影の飛竜、ムササビの小源太たちの戦いから始まり、続編では彦佐の両親捜しと東北地方を支配していた悪徳領主・榊原宗矩との決着までを描いた架空時代劇です。外伝には武田信玄とか真田幸村とか登場しますが、本編は実名の武将は一人も出ず、架空の武将ばかりですね。
確か作者は「ゴッドハンド輝」という医療マンガをこの後に描いていて、わしもそれでしか名前を知らなかったのですが、「彦佐」の方がだんぜんおもしろいです。「覇王伝説驍(島崎譲著)」なんかも好きだしね。というか時代劇って和風ファンタジーですよね。
ストーリーの少年マンガな展開も好きですが、なにより登場人物たちが魅力的です。彦佐の相棒の飛竜と小源太もいいですが、それ以外の仲間たちもいきいきとしていて、彦佐を中心にまとまって強大な敵に立ち向かっていくところなんかは胸熱ですね。はっちゃんとか時雨とか…
たきがは的には正統派の2枚目の飛竜(暗い過去あり。隻眼)とほれっぽい小源太(こちらも暗い過去あり)のコンビが、それぞれ実力者であるのに、やっぱり彦佐をリーダーと立てる、なんて展開も好きでしたが、何といっても彦佐が監獄島で会った海丸と名乗る坊さんの正体が知れた辺りから、もうこの人の臥薪嘗胆を地でいく境遇が壺でした。
読んでいるうちから思ってたんですが、わしはこの手の「ファイアーエムブレム」的な群像劇が好きなようで、彦佐はもろにマルス(初代主人公)だと思いました。
1巻はまだ絵柄が落ち着かないところもありますが、正統派の時代劇少年マンガとしてお薦めです。
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