上里隆史著。ボーダーインク刊。
サブタイトルは「島津氏の琉球侵攻」です。一応、史実として独立王国だった琉球を島津氏が征服、以後、琉球は日本の一部として近世を迎えるというのは知っていましたが、その具体的な流れを知らなかったので読んでみました。
すると琉球王国が知られたような形になるまでの、いわゆる三山時代から始まり、統一に至るまで、さらに島津氏が現在、知られているような形になるまで、さらに秀吉の朝鮮侵攻と徳川幕府の成立、そして島津氏による琉球征服、敗残の王となった琉球王・尚寧が江戸まで行かされ、首里に戻るまでと現在、沖縄の文化として知られるものの成り立ちと近代・琉球までが詳細に語られ、クライマックスは当然、1609年の島津氏による琉球征服なんですが、そこに至るまでの流れが詳細に綴られた良著でした。
琉球王国の時代に琉球の航海を技術面で支えた帰化人たちが住んでいた久米村の跡地だそうです。県庁前駅から海側に歩き、福州園の向かいです。(2018/7/22追記)
特に韓国に行った時にあちこちで見た壬辰・丁酉倭乱(いわゆる文禄・慶長の役の朝鮮での呼び方)などが琉球という第三国が加わることで見方が大きく広がったのは目から鱗でした。
あと、後の日中戦争でもそうでしたが、いけいけどんどんで勢いに任せて突っ込んでいって、自分の力量を超えたことにも気づかずに泥沼にはまるというパターンはこの時代から変わってないんだなぁと、日本人の頭の悪さに愕然としました。全然、歴史に学んでないよね。
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