フランツ=カフカ著。原田義人訳。青空文庫刊。
一応完結していた短編。
年上の女中をはらましてしまったために両親に勘当されたカルルという若者がアメリカに向かう移民船から下りる直前に出会った火夫との出逢いと、火夫の主張、アメリカの上院議員の甥だったために運命が一転するカルルの貧しい火夫への思いと別れなどを綴った話。
「
審判」とか「
城」とかに比べると落ちがちゃんとついていて、話としてもまとまっているだけ、ずっとましでした。
しかし、トランクを盗まれたかと思っていた貧しい青年が実は上院議員の甥だったために好転するという展開の不条理さはやっぱりカフカなんでしょう。
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