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森村誠一著。角川書店刊。全2巻。

「悪魔の飽食」という石井細菌戦部隊についてのドキュメンタリーを執筆する途上で生まれたという、表裏一体をなす小説。久々に読み返しましたが、何回でも読み直したい傑作です。

中国から来た農業視察団の通訳・楊君里という女性が深夜のタクシーで謎の服毒死を遂げた。捜査に当たった棟居刑事は、彼女の経歴に第二次大戦中、中国東北部で暗躍した日本軍の秘密部隊との関わりを知り、関係者に当たっていく。それは、今なお贖罪されたことのない、日本軍の暗部を知ることであった…。

ということで、棟居刑事が1人、また1人と関係者を捜し出し、そこから次の証言につながる細い糸をたぐっていく様が上巻の展開。切れたように見えた糸が関係者からの電話でまたつながったりして、1つ1つの事実が明らかになっていく。それらは、単純に楊君里と、その直後に亡くなった奥山という老人の死に関わっていくものではないにしても、戦後、知られてこなかった、闇の中に封印されていた731部隊の実体を明らかにしていく。そういう意味では、まさにこの小説は「悪魔の飽食」と表裏一体の関係にあるわけで、それが小説の謎解きとして明かされていくという展開はすでに「悪魔の飽食」をこれまた何回か読み直した身には知っていることでもあるのだけれど、作中の登場人物の口を借りて語られる構図はより生々しさを伴った残虐さである。

推理小説としては、日本、中国(ただし731部隊関連のみ)、アメリカを股にかけたスケールの大きさはなく、謎解きの快感も薄いのだが、それ以上に重い731部隊の存在、戦後、アメリカがその貴重な実験情報と引き換えに、731部隊幹部たちの戦犯免除を計った事実などを鑑みると、それもまたしょうがないという気もする。

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