青空文庫刊。
大昔、大杉栄全集10万円に手が出なかった身としては無料で読めるのはありがたいです。
先日、中国に行ってパラリンピックの勝者たちは絶賛するけれど町中に障害者としか思われない方たちが乞食をしているのを見ると共産主義の唱える平等がますます胡散臭く見え、そうでなくてもがっちりと管理された社会に魅力なんか感じないわしは、やっぱり無政府主義に傾倒を深めるのでした。
その巨頭、大杉栄氏の著作物を暇に明かせて読破しました。
手のつけられないような腕白小僧で、幼年学校に行かされるような軍人の家庭に育ちながら、どういう流れで無政府主義に傾倒していったのかという赤裸々な「自叙伝」から、獄中から奥さんに当てて出した書簡の数々、ベルリンで開催される予定だった国威無政府主義大会に出るべく、日本を脱出してフランスで遊行してたりした日本脱出記、出獄してから記した獄中記など、多彩な著作を読みました。
関東大震災のどさくさで虐殺されていなかったら、その後の時代をどんな風に喝破したろうかと思います。
「日本脱出記」は、中国に渡る前から「黒旗水滸伝」にそっくり出てて、またそれが面白かったり。
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