中山千夏著。出版社名メモしとらんかった。図書館で借りたもんで。
とてもわかりやすい死刑廃止論。何と言ってもある程度の年齢以上だったら誰でも知ってるよね?なアドルフ=ヒトラーをタイトルにもってきたのがインパクトあるよ。これで、たきがはも興味覚えたもんで。
死刑の存在が凶悪犯罪の抑止につながっていないことはわかりきった事実。そして何より、死刑=殉教=英雄視とつながるとしたら、やはりタイトルのようにヒトラーでも死刑にしてはいけないのだと思う。ヒトラーが敗戦直前に自殺したことは、現在のネオ・ナチにとって大きいはずだから。でも、原爆2発も落とされて、敗戦確実になって、後は本土決戦か国民皆殺しかというぎりぎりまで天皇制の維持にこだわったヒロヒトの場合、A級戦犯として裁かれてりゃよかったんに。という思いが消えないのも事実。まぁ、裁く=死刑でもないですけどね。根本的な問題は最大の戦争犯罪人、最高の戦争責任者が責任何も問われなかったという点にあるわけですから。
よく「犯人の人権より被害者の人権」と言われるけど(特に死刑推進論者)、とっくに殺されてるであろう被害者にもう人権はないと著者は言い切る。考えてみりゃ、そりゃそうだわ。それより、被害者のプライベートをこれでもかこれでもかと垂れ流し、死人にむち打つようないまの報道のあり方を何とかしろと言う意見は至極ごもっともだと思う。
小難しい法律用語はいっさいなし。わかりやすい言葉で書かれた死刑廃止論。どっちにしようか悩んでたらご一読をお薦め。どっちの答えを出すにしても。
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