監督:チン=シウトン
出演:法海和尚(ジェット=リー)、素素(ホアン=シェンイー)、許仙(レイモンド=ラム)、青青(シャーリーン=チョイ)、能忍(ウェン=ジャン)、雪女(ビビアン=スー)、ほか
見たところ:うち
2011年、中国・香港
中国の伝奇アクションかと思って観ていたら、途中から主役が白蛇の化身・素素(スースー)と医者を目指す青年・許仙(シューシェン)の恋話になり、法海の弟子の能忍も蝙蝠の妖怪に変身させられたりとめまぐるしい展開でした。許仙への愛を貫こうとする素素を法海がこらしめる終盤はちょっと悪役っぽかったりして、ジェット=リーが主役とは言い切れない感じです。
「
海洋天堂」で大福役をやってた文章さんが弟子の能忍だったとは気づきませんでしたよ。
妖怪退治を生業にする金山寺の高僧・法海は弟子の能忍とともに男をたぶらかす雪女を封印する。さらに町に向かい、人の血を吸って干からびさせてしまう蝙蝠の妖怪を退治しようとするが、能忍が血を吸われてしまい、蝙蝠の妖怪に変身してしまった。その頃、山で薬草を採る許仙を助けたことで一目惚れした白蛇の化身・素素は、町に下りて許仙と結ばれるが、その妖気を察した法海に狙われる。許仙に宝刀を渡し、一度は素素に致命的なダメージを与えることに成功した法海だったが、素素を愛する許仙は彼女を救いたい一心で金山寺の雷峰塔にあった秘薬・仙草を盗み出してしまうが、逆に仙草が封じていた悪霊に取り憑かれてしまった。仙草のおかげで元気になった素素は許仙を取り戻そうとするが、彼女が妖怪だと言うので許さない法海と激しい戦いになってしまう。
和尚さん、妖怪に厳しいです。素素と許仙の愛ぐらい赦してあげてもいいんじゃないかと思いましたが、最後まで赦してあげません。ただ、それで負けちゃって、自分の過ちに気づいてから、さらなる力を得てパワーアップ、最終的には素素を封印してしまいます。
素素は許仙への思いは一途ですが、何しろ巨大(普段の移動は5メートルくらいだが最終決戦時には数十メートル)な大蛇です。法海和尚に追い払われてしまい、許仙恋しさで金山寺を水攻めにします。女は怒らせると怖いんだよ、和尚… (´・ω・`)
でも、許仙のために自分の精気を薬に吹きこんでパワーアップさせて、民衆を助けるのを手助けしてあげたりと基本、いい子です。結ばれてほしかったのですが残念。
許仙は素素の妹・青青(チンチン)の悪戯で、山に薬草を採りに来た時に湖に落とされてしまいましたが、そこを素素に助けられました。なにしろ、湖に落ちた時には気絶しており、その後、素素の口移しで呼吸ができるようになったけど、次に目覚めた時には一緒に来た仲間に助けられており、素素のことは誰も気づいてなく、許仙も彼女の顔を覚えていないといううっかりさんでしたが、町で素素に再会した時に覚えていなくても彼女のことを思っていたことが発覚、今度は素素自身に湖(町が西湖のほとりにある)に落とされ、また水中で口づけ、やっと素素だと気づいて、幸せなカップルになります。
ただ、中盤、素素に端午の節句でもらった蛇や虫避けの酒を飲ませたり、法海和尚に襲われて、大蛇の本質(大きさはまだ10メートルない)を露わにしてしまった素素に1000年の宝刀をぶっさしてしまったりとけっこううっかりさんな一面も。
でも、素素の正体が白蛇の妖怪だと知らされても、深傷を負った彼女を助けようと仙草を取りに行く辺りはなかなか誠実な感じですし、「仙草は火にも燃えない」というネズミの妖怪の言葉を思い出し、身体中に張りついた凶暴な薬草に火をつけて仙草を見つけ出すとか、知恵者なところもグーです。
しかし、仙草を盗み出したために、雷峰塔に仙草で封じられていた悪霊に取り憑かれてしまい、法海の企みで素素のことも忘れてしまったりとうっかり要素はやっぱり強かったりしましたが、最後の最後で素素を思い出したけど、彼女は雷峰塔に封印というクライマックスでした。でも、その後、医者になるのを止めて、雷峰塔の前で掃き掃除をしていたので、少しでも素素の傍にいようとするところなんかはこのカップル、赦してやんなよと思わなくもありません。
香港映画らしい派手なアクションでお気楽に楽しめる一本でした。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
[1回]
PR