ETV特集。
TLで流れてきた情報で、たきがは、常々興味のある死刑制度です(最近は懐疑的から反対派に移行してます)。辺見庸さんの姿勢もわし的には近い立ち位置だと勝手に思っているので、早めにお風呂に入って、見ることにしました。
戦後最大のテロ事件と言われた三菱重工爆破事件で捕まった確定死刑囚・大道寺将司さんの俳句と、故郷・石巻が震災で大きな被害を受けたことにより、語るべく言葉というものを失ったと感じていた作家・辺見庸さんとの対話を、大道寺さんの俳句も交えながら、描いたドキュメンタリーです。
わしが、どうしてこんなに死刑のことを気にかけてしまうのかというと、かつて人に殺意を抱いた人間として、どこかで一歩か二歩間違っていたら、わしもまた、そういう罪を負っていたのではないかと思っているからです。
だから、侵略企業としての三菱に狙いをつけ、爆弾テロを起こした大道寺さんの思想にどこか共鳴するものを覚えてしまうからであり、ましてや昭和天皇の暗殺を狙った「虹計画」などを知ると、常々、ヒロヒトを日本最大の戦犯であると考えるわしとしては、その罪を逃れ、敗戦を遅らせ、自己保身しか考えなかったのに、まるで戦後の平和の象徴であるかのように言われたその姿勢が何とも気に喰わず、もう少し早く生まれていれば、たとえば、全共闘の時代にわしが生きていたら、そうしなかったと言えるだろうかと思わずにいられないからです。
そうして、確定死刑囚として、30年以上も獄中にある大道寺さんの句にはとても惹かれてしまうものがありまして、番組を見終わってから、速攻で辺見さんが出版に奔走した句集「
墓一基(リンク先はYahoo!)」を注文してしまったのでした。
8人もの死者を出し、300人以上もの負傷者を出した罪は確かに重い。けれど、その罪を犯した人と、わしのように犯さなかった人間との境界線は、それほどはっきりしたものでも断絶したものでもないと考えています。むしろ、辺見さんが言ったように「獄中にいるあなたと、獄外にいるわれわれと、どちらがすさんでいるか、わかったものじゃない」と。わしは自分がすさんでいないと言えるほど、脳天気ではないつもりです。
30年以上も閉じ込め、いつ執行されるかという恐怖を与え続ける死刑という制度の非人間性にも改めて反対を唱えたい次第。
4月21日(土)の深夜(日付けは日曜日なんで注意)に
再放送(リンク先は番組の紹介ページ)があるそうです。見逃した方、是非。
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