監督:エドワード=ドミトリク
出演:ギャノン(リチャード=ウィドマーク)、クレイ(ヘンリー=フォンダ)、モーガン(アンソニー=クイン)、ジェシー(ドロシー=マイケルズ)、リリー(ドロシー=マローン)、ハロウェイ判事(リチャード=フォード)、マキューン()、ほか
1959年、アメリカ
リチャード=ウィドマーク氏主演の西部劇。「
アラモ」の前年ですが、役柄のせいか、かなり若そうに見えます。まぁ、相手がヘンリー=フォンダ氏とアンソニー=クイン氏なので、若造っぽいく見えるのかも。うーん、ジョン=ウェインとの共演でも、大地主にしてはちと若かったけど、あれはローレンス=ハーベイ氏の若さも際立っとったからな。
西部の町ワーロックではサンパブロ牧場のカウボーイたちのため、町の秩序が失われ、保安官助手も逃亡してしまっていた。困った町の有力者たちはマーシャルのクレイを金で雇い、クレイとその友人のモーガンは荒っぽい手段ながら、確かに町に秩序を取り戻していくが、町に不在だった保安官助手に、サンパブロ牧場のカウボーイだったギャノンが名乗りをあげてから、次第にぎくしゃくしていくのだった。
かなり癖のある話ですな。
まず、ギャノンが主人公っぽいのですが、最初はサンパブロ牧場のカウボーイなので、仲間の悪事に眉をひそめるんだけど、保安官助手になるのは中盤からなので目立ちません。でも、「これが俺の仕事なんだ」と言いながら、サンパブロ牧場へ行って、「町へ来るな」と警告、右手を傷つけられてしまいますが、痛み止めを飲んで応戦するあたり、生半可なヒーローではありません。主人公らしくなるのは保安官助手になってからですかね。
で、ギャノン以上の存在感を見せるのが、ずっと主人公っぽいクレイ。しかし、この映画もクレイは最後、ワーロックの町を追われちゃうわけですから、悪役っぽい(でも、その大半は相棒のモーガンがしたことだったりもする)クレイに、この映画の興行成績はいかがだったのか心配になったり。
そして、クレイの相棒、モーガン。ちょっと足が悪く、そのことでかなり強烈なコンプレックスを植えつけられたようで、唯一、「足のことを笑わなかった」クレイに一方的な友情を抱いていて、クレイのために悪事もかなりなしている模様。クレイはそのことを知らなかったので、ラスト、そのためにクレイと仲違いするはめになってしまい、最後はクレイに撃たれて死んでいきます。何とも屈折したキャラクターです。
これら3人の男たちに、クレイに恨みを持って追いかけているリリーという女性や、ワーロックに住む普通の女性で、クレイに好意を寄せるジェシーとか、二言目には「法律がいちばん大事だ」的な発言をするけど、何の力もないハロウェイ判事とか、ことの発端であるサンパブロ牧場主のマッキューンなどがからんで、マッキューンを倒してもすっきり終わらない展開をするのでした。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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