監督:フランク=ディーチェ、ヴェルナー=キーファー
見たところ:茅ヶ崎市民文化会館
2008年、ドイツ
1997年にドイツで初めて発足したEWS(シェーナウ電力供給会社)が、市民運動からいかにして立ち上がっていったか、従来の電力会社から住民が電力を選ぶ権利を勝ち取るまでの戦いの記録を記したドキュメンタリー。シェーナウというのはドイツの南西部、スイスとの国境に近い山間の町です。
今の日本で、同じようなことをしようと思ったら、どれだけの障害があるのか、何年かかるのかと思いますと、正直、同じ敗戦国として第二次世界戦を迎えたのに、ドイツと日本との違いはどこにあるのか考えてしまいます。電力の自由化ひとつをとっても、それを得るためにしなければならないこと、変えなければならない法律はいくつあるのか、シェーナウのように国中の専門家が協力してくれるのか、何とも暗澹たる思いです。
国をあげての脱原発に向かおうとしているドイツと異なり、いまだに原発再稼働を目論み、既得権益から自由になれない日本。あれだけの大事故を引き起こしておきながら、いまだに目の覚めない国民。今度、同じことが起きたら、この国が終わるというのに、いつになったら気づくのだろうと思いながら、デモに行ったりするわけなのでした。
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