監督:ジーン=ネグレスコ
出演:ジャーヴィス=ペンデルトン(フレッド=アステア)、ジュリー=アンドレ(レスリー=キャロン)、グリッグス(フレッド=クラーク)、プリチャード夫人(テルマ=リッター)、ウィリアムソン大使(ラリー=キーティング)、ほか
原作:ジーン=ウェブスター
アメリカ、1955年
フレッド=アステア氏出演の映画を「
ザッツ・エンタテイメント」「
同2」ぐらいしか見たことがなかったので、その秀逸なダンスを拝見したくて借りてきました。本命は「イースター・パレード」「踊るニューヨーク」「バンド・ワゴン」です。
変わり者で知られる富豪のジャーヴィス=ペンデルトンはアメリカ政府の視察で訪れたフランスで孤児のジュリーを知るようになり、彼女を援助したいと思う。相談を受けたフランス駐在のアメリカ大使ウィリアムソンはジュリーが18歳だというので反対するが、ペンデルトンが匿名で援助するというので承諾する。その代わり、ジュリーには月に一度、手紙を書くという条件が課される。アメリカに渡ったジュリーは大学生活を満喫するが、実生活の忙しいペンデルトンは2年もジュリーのことを忘れてしまって、ジュリーからの手紙は秘書のグリッグスが確認してファイリングするだけになっていた。しかし、その助手のプリチャード夫人は後見人から手紙の返事をもらいたいと綴るジュリーに同情して、ようやくペンデルトンにジュリーのことを思い出させる。ジュリーと同室にさせた姪のリンダに会いに行くという名目でジュリーに会うペンデルトンは、リンダの叔父という立場でジュリーと頻繁に会うようになるが、ウィリアムソンに目撃されて、親子ほど年の差が違うことを責められてしまい、ジュリーを放って旅に出る。しかし、とうにジュリーはペンデルトンを愛していた。やがて大学を卒業する日、旅に出たまま帰らないペンデルトンに業を煮やしたプリチャード夫人はグリッグスが急病だと偽ってペンデルトンを帰し、大学までジュリーを迎えに行く。ペンデルトンの屋敷で再会したジュリーは、ペンデルトンこそが後見人その人だと気づき、ペンデルトンもジュリーに求婚するのだった。
というわけで、56歳のフレッド=アステア氏と24歳のレスリー=キャロン嬢の恋物語なのですが、話の筋は完全に一昔前の少女漫画です。いやいや。
もう、何でも買ってくれるような大金持ちで親切なおじさまという、少女たちが夢見たような都合のいい人物、それが足ながおじさんでして、実際、ペンデルトンは姪のリンダの結婚式には「何でも買ってやる」と言ってますし、マサチューセッツにある大学からニューヨークにジュリーが遊びに来れば、泊まるホテルは大使も泊まるような一流で、部屋も超ゴージャス、2人でゆっくり食事ができる広いテラスに、ダブルベッドがあってもなお広い広い部屋だったりします。
なんで、話の筋は他愛もないものなので、フレッド=アステア氏のダンスを堪能するのが正解。この方、決してハンサムではないのですが、なにしろ、超絶的なテクニックを誇るジーン=ケリー氏に対して、正統派のダンサーなのでポーズの1つひとつが美しいです。指先まで行き届いた動き、決めのポーズ、燕尾服とシルクハットがお似合いの姿はハリウッドが数々輩出したスターの中でも間違いなく突出したエレガントさでありました。ジーン=ケリー氏のダンスがひどいと言ってんじゃないのよ。
それなのに、シネスコサイズで見たために縦の縮尺が縮んでおり、長身のアステア氏がちんちくりんに見えたのが悲しい… 横たわっている時は通常サイズなんだけどなぁ。肝心のダンス・シーンがどうもいかん。これじゃ足ながおじさんじゃないよとさんざん突っ込んで観てました(爆
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