内海愛子著。岩波現代文庫刊。
これはふだんTLで流れてくる「
韓国・朝鮮人元BC級戦犯者の証言.bot」に関連した本です。
主に連合国の俘虜を収容した収容所で俘虜の監督などをやらせるために朝鮮半島から集められた3000人超の人びと、戦陣訓(「生きて虜囚の辱めを受けず」というあれ)や戦闘訓練をたたき込まれて軍属として配属され、敗戦を迎えたところ、なぜか日本の戦犯として裁かれ、なかには処刑された人や精神に破綻を来してしまった人、オランダからの独立を目指すインドネシアの戦争に関わって戦死した人などなど、様々な人びとについての記録です。
その中で著者は
・戦中、戦後と一貫して無責任な日本政府
に加えて、
・植民地の人びとが日本軍の犯した戦争犯罪の最前線に立たされたのに、そのような事情に配慮もない植民地を持っていたイギリスやオランダなどの傲慢さも描き出します。
元々の発行は1982年でしたが、岩波現代文庫に収録されるに辺り、大幅に加筆、読み応えのある内容でした。
従軍慰安婦や南京大虐殺とはまた別な角度から日本が朝鮮や台湾といった植民地の人びとになした犯罪、多くの人に読んでもらいたい名著です。
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