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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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虚空遍歴

山本周五郎著。新潮社文庫刊。全2巻。

江戸時代後期。浄瑠璃に新しいふしを作り出そうともがく若き浄瑠璃師・中藤沖也の生涯を描いて、文学・芸術のあり方を求めた長編小説。

新しい浄瑠璃を作り出そうというのだから、沖也が幾度も失敗し、悩み、もがき、苦しむのはありなのかもしれないのですが、終盤、金沢で、やっと会えた興行師にふしを聞かせようとして、酒に逃げてしまう辺りの展開はずーっと失敗続きだったなかで、これだけが沖也自身の弱さから来るようで、ちと興醒めな気がしました。
しかし、そうして失敗して失敗して、なかなか新しいふしを作り出せない沖也に、たった一人の、しかも最高の理解者であるおけいは「できあがってしまったら、いろいろな人が沖也ぶしを汚してしまうでしょ。それならば失敗して、あなたの胸の中にある方がいい」とまで言ってのけるんですから、作中で2人だけが感じているように、もしかしたら、前世で2人は1人だったのかもしれず、これだけの理解者がいるのならば、沖也という人は幸せであったに違いないとも思えるのでした。

ラスト、沖也は「支度ができた」と言って死んでしまい、見送ったおけいも「あの人が死んだことで自分の人生も終わったのだ」と言い切ります。そんな、自分の人生をも変えうるものに出会えたおけいは、それでも幸せであったのだと思いました。

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