松本清張著。カッパノベルズ刊。
やっと読みましたよ、「砂の器」! 一回、映画で見ているので筋は知っているのですが、緻密な構成にうなってしまいます。こういうのは映画だとわからないし、たぶん、前半の今西刑事の徒労に終わってしまうような捜査とかははしょられたと思うのですが、1つ1つの事実を丁寧に積み上げていく仕事が、やがて事件の全容を明らかにする過程は、やはり小説ならではの読み応えがありました。
逆に映画で高く評価された、業病の父親と息子のさすらいのシーンなんて、小説だとわずか数行たらずだもんね。逆にあのシーンを小説で延々と描かれても大した効果はないでしょうし、そこら辺の取捨選択をした映画も、あれはまた凄いものだったんだなぁと改めて思いました。
たきがは、和賀役が加藤剛さんだってことだけ記憶しとったものですから、和賀が登場するたびに加藤さんのお顔がちらつきましたよ。また映画も見たいなぁ。
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