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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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留日回顧

景梅九著。大高巌・波多野太郎訳。平凡社東洋文庫刊。

サブタイトルが「中国アナキストの半生」とあったもので条件反射で借りてきました。幸徳秋水に師事し、大杉栄にエスペラントを習ったという景定成(字が梅九)という人の自叙伝です。清朝末期から辛亥革命を経て、袁世凱が大総統になって権力を握る辺りまでの19世紀末〜20世紀初頭の中国を描いてまして、そういや、ここら辺、歴史なんかで読むとわりと軍閥が跋扈して〜とか大ざっぱな紹介で、あっちゅうまに国民党とかいっちゃうなぁと思いまして、その「いろいろあった」の部分を東京への留学時代から始まって、わりと細かく書いてました。
また何かあると詩を読む風情のある人な上、相当な博学で蜂の生態が出てきたり、原文もだいぶ凝っていたようです(なので訳すのが大変と訳者が言ってた)。

ご本人は残念ながら、中華人民共和国の成立を見ず、日本の敗戦前に亡くなられたと書いてあったんですが、ググってみたら1961年だそうで、ちゃんと中華人民共和国見届けてんじゃん… 発行が1966年なのに、ちゃんと調べてみもしなかったんですかね。けっこういい加減な訳者だなぁ…

引き続き、東洋文庫を読む予定ですが、いたって気まぐれなんで、別の本に手を出すかも。

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ZENOBIA

モーテン=デュアー文。ラース=ホーネマン絵。荒木美祢子訳。サウザンブックス社刊。

2019年にTLで流れてきたクラウドファウンディングの企画で作成されたe-Bookというやつです。何でpdf形式で送られました。

2019年9月には発行されてて、送られてすぐに読んだんですけど、すぐにレビュー書かなかったのは期待外れというか、ちょうどシリア情勢について欧米の嘘が目からウロコが落ちる状態で、いろいろと認識が引っ繰り返っていた状態になってたもんで、しょせん、この話も欧米目線だよなぁと思って、うっかり勢いで買っちゃったことが後悔されたんでした。そのTLをtweetした人もフォロー外したし。

で、昨日、4ヶ月ぶりに読んだところ、何というか、相変わらずの欧米目線を抜け出していないけど、一応、このレビュー自体、わしが読んだ本やマンガのメモみたいなもんなんで、感想をメモしておく次第です。

ページは100とマンガとしては中編ですが、大ゴマを多用してるんでマンガとしてのボリュームは短編です。マンガというより絵物語な感じですか。

シリアから逃れたアミーナという少女が、船が難破し、走馬燈のように幸せだった頃、両親の失踪、おじさん(親戚か近所か不明)と一緒に瓦礫の山となった街を通り抜け、そのままゼノビアという沈没船とともに沈んでいくという話です。ひねりも何もなし。
タイトルロールのゼノビアは、「オウガ」ではなくて、その元ネタとなってる古代シリアの女王の名前で、アミーナを励ます母が再三持ち出してますが、女王と一般ぴーぽーの女の子では、いくら「ゼノビアにできたのだから、あなたにもできる」と言われても… と突っ込みたくなる無理クリ感が漂い、著者は立場を明確にしてませんが、アミーナが難民であることを考えるとアサド大統領の方を批判的に描いてるんだろうなぁと思えまして、おいおい、いつまでホワイトヘルメットが正義の味方気取ってられると思ってんだよ、とっくに化けの皮剥がれてんよと思ったら、この本に金を出したことが思いきり後悔されたわけでした。

訳者は後書きで「作者はおしつけがましく何かをうったえているわけではありません」と言ってますけど、そうは思えず、むしろ「普遍的な人間の感情」なんてものの方がなまじっかシリアの情勢も知らないのに薄ら厄介ではないかと思えます。

まぁ、そういう自戒の念も込めて、レビューとして残しておきます。

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白凡(ペクボム)逸志

金九著。梶村秀樹訳注。平凡社東洋文庫刊。

朝鮮の独立運動家であり、民族主義者の白凡こと金九の自叙伝です。「太白山脈」でそう描かれているし、一読した感想はやはり、そうとしか思えないので一部で言われている右派という言い方はしません。やっぱり松本清張には興味本位に朝鮮について書いてほしくなかったし、そんな小説をさも代表作のように収めている「昭和文学全集」も駄目だなぁと思います。

1949年に(おそらく李承晩の息のかかった)安斗煕(アン=ドウヒ)に暗殺された時には70歳になっていた金九でしたが、波瀾万丈な人生を歩んでおり、そこんところがまず驚きでした。ちなみに金九というのは本名で活動できなくなったので名前を変えており、もとは金昌洙(キム=チャンス)といったのでした。

産まれたのは1876年で黄海道の出身。
出生前から波瀾万丈で、両班(ヤンパン)階級だったのに有力者の恨みを買ったとかで常奴(サンノム)のふりしてたとか、どんだけですかね。しかも成長後は、東学党に加わったり、安重根(アン=ジョングン)の父親と親しくしていたり(安重根とは直接の面識はない模様)、閔妃が殺された復讐に日本の軍人を殺したり(このために本名で活動できなくなったよう)、出家もし、治安維持法違反で17年もの刑を受け(後に減刑された)たし、上海に亡命して大韓民国臨時政府の主席にもなり、南京や重慶にも行ったし(南京大虐殺前に離れ、重慶爆撃には遭った)、日本の敗戦後、帰国して朴烈(パク=ヨル)とも親しくし、南だけの総選挙に反対して朝鮮民主主義人民共和国に行き、金日成と会って、最後は暗殺とか、どんだけ働いてんだよもう… って感じです。
唯一、せっかく日本(本文中では統一して倭)に反撃するために軍人を教育して(これは国民党つながりなんですが、当時の中国では国共合作してたから共産党は表に出られないんでした)、さて!と思ったところで日本敗戦はタイミングが悪かったというにはあんまりな気もしました。ただ、後のアメリカの姿勢を見ていると韓国(臨時政府の方)が日本に攻撃してようが、やっぱり統治能力なしと見なして半島を分断していたろうとは思いましたが。

それもこれも、この方の行動は大半が日本のせいなんで、本文中で再三、日本を指して倭(ウェ)と蔑んだ呼び方をしてるのも納得するわけです。日本が首を突っ込まねば、東学党の乱もなかったし、閔妃も暗殺されなかった。植民地にしなければ金九もなかったし、臨時政府もなかった。日本は何と罪深いことをしたのだろうと思わずにいられません。
もっとも、なぜかファシスト国家として言及されてたのがドイツとイタリアだったんで、日本がなぜないのかと思いましたが、あれだ。日本はファシスト国家以上の悪だから、ドイツとイタリアよりきっと上だったんだろうなと思います。

東洋文庫はその名に恥じず、アジア系に特化してるので、いろいろ読んでみるつもりです。

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空と風と星の詩人 尹東柱評伝

宋友恵著。愛沢革訳。藤原書店刊。

前に読んだ「伊東柱」の再改訂版だそうです。今度は全訳されてるので索引とか解説も含めると600ページ超の大ボリューム。内容も尹東柱(ユン=ドンジュ)一人に絞ることなく、その先祖が北間島(プッカンド。現中国領)に移住するまでのところから始まって尹東柱の死後の評価に至るまでと、まさに民族詩人・尹東柱について知りたかったら、まずはこれに相応しい大作です。ただ尹東柱作の詩は完全には網羅されてないので詩集をお求めの向きには向きません。

ただ読んでて、著者が尹東柱を好きすぎて、ずいぶん感傷的だなぁという文が目立ったのと、中国共産党よりも国民党の評価が高いようなのはいただけないと思いました。
まぁ、同じ朝鮮の人ですから、民族詩人・尹東柱への思い入れは日本人のわしなんかは思いも寄らないような強さがあるんでしょう。そこは、いつまでも過去を顧みようとしない日本という国を恥じる気持ちとは反対の、朝鮮を誇る気持ちというのもあるんだろうと思います。

ただ訳者が書いた解説で朝鮮民主主義人民共和国にて尹東柱の評価が高まっているようだというのを紹介した時に、日本の尹東柱研究者が「南北の文学観が、一歩近づいたことを喜びたい」と紹介し、これに「異議を唱える人はあるまいと思う」と述べるのは、わしは大いに異議を唱えたいですわ。朝鮮半島分断の原因を作った日本人が、よりによって「南北の文学観が、一歩近づいたことを喜びたい」とか、どの面下げて言えるんでしょうかね? 何、その上から目線。尹東柱を殺したのは日本だって自覚あるのかおら、な気持ちです。

あと、「尹東柱」読んだ時には尹東柱は巻き込まれたと思ってましたが、特高的には宋夢奎(ソン=モンギュ)が要視察人だったんで、一緒に行動してた尹東柱も尾行されてたみたいで、訴状を読んだところでは二人が徴兵制度を利用して、朝鮮人を逆に鍛えようとしたのがそもそも問題視されたとありまして、でも、ここら辺の考え方は二人というより、特高のだったらいいなという決めつけに近く、その路線に沿って宋夢奎や尹東柱を描いてしまった「空と風と星の詩人~尹東柱の生涯~」は駄目くね?と思ったりもしました。

尹東柱の詩は、なにしろ「序詩」の

引用ここから。

いのち尽きる日まで天を仰ぎ、
一点の恥じることもなきを、

引用ここまで。

のような清廉潔白さが特徴の1つだと思います。この限りなく澄んだ視線の前で、わしは、

引用ここから。

恥の多い人生を送ってきました。

引用ここまで。

な人間なもんですから、けつまくって逃げ出すしかないなぁというのが正直なところです (´・ω・`)
好きというのもおこがましいっていうか。

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日本軍は香港で何をしたか

謝永光著。森幹夫訳。社会評論社刊。

タイトルどおり、1941年12月、太平洋戦争の開戦とともに香港に攻め込んだ日本軍が3年8ヶ月の軍政でいかに香港市民やイギリス軍・中国軍その他の捕虜を虐め、殺し、奪い抜いたかの記録です。
表紙の髑髏の山が物語ってますが、なにしろここは日本占領地、しかも中国大陸は目と鼻の先、「何をしたか」なんて今更言われるまでもないんですが、開けてびっくり、読んでびっくり。150万人いた香港市民が日本の降伏後は60万に減っていたというんですから、もはやホロコーストなんか目じゃないむごさでしょう。
しかも著者が1928年の香港生まれで、日本のために両親を失い、妹とも生き別れと辛酸をなめ尽くしていれば、執る筆も辛辣になろうというもの、こちらとしてはまったくもって頭を垂れて聞く(本だから読むだけど)以外にないじゃありませんか。

そういや、先日、くそみそにけなした「極限に面して」でしたが、1つだけいいこと書いてありました。生存者たちに共通する思いとして強制収容所のようなシステムを作らせてしまったことに対する恥だって。わしがこと日本軍の罪業にこだわるのは、その気持ちが近いかもしれません。同じ民族として、人として恥ずかしい罪を塗り重ねたことを恥じる思い、生存者とはまったく違う立場ですが、その恥への思いがいつまでもいつまでもこうした本を手に取ることを止めさせないのです。
そんな罪を犯した民族の一人であることが恥ずかしい。
その罪をいつまでも認めず、謝罪しないことが恥ずかしい。

歴史修正主義者の場合は、だから隠そう、忘れよう、なかったことにしよう、になるんでしょうけど、その真逆の方へわしは向かわざるを得ません。だって隠すのも忘れるのもなかったことにするのも恥ずかしいから。人様に誇れるようなことをしていないことだってすでに恥ずかしいのに、それを隠したり忘れたり、なかったことにするのはもっと恥ずかしいから。
かつて、わしは大好きな映画「山の郵便配達(何度目か)」でこんな感想を書いたことがあります。

引用ここから。

かつて日本人が持っていた恥の文化にも通じるものがあり、人に迷惑をかけまい、できることをする、自分の仕事に誇りを持つという姿勢は、もしや今の日本で「エリート」などと呼ばれる人たちが持っていたならば、間違っても原発事故などというものはなかったのではないかと思ってしまうような、そんな失われた「旧き良き日本」の姿というものがそこにあるようにも思えました。

引用ここまで。

いやあ、当時のわし、甘いわ。栗むし羊羹のように甘っちょろいわ。ないない。「旧き良き日本」なんてどこにもない。恥の文化なんて日本にゃなかった。恥じるから隠すなんて恥ずかしい真似は文化でも何でもない。ただの歴史修正主義じゃよ。

閑話休題。

というわけで、こちらの本では中国戦線でも東南アジア戦線でも、どこでもかしこでも見慣れた獣兵(要するに鬼畜。人間以下)とも揶揄される日本兵が軍民そろっていかにひどいことを香港でやったかを次から次へと15章に渡って紹介していくのです。楽しいわけがない。愉快なわけがない。でも読まずにいられない記録です。

以下、雑多なメモ。

引用ここから。

日本軍国主義者(こういう言い方1つをとっても、著者がいかに現代の日本人に気を遣ってくれているのかよくわかるってもんです。まぁ、その優しさを仇で返すのが日本人なわけなんですが)は、このような非人道的な殺戮行為を「膺懲(ようちょう)」行為と称し、この戦争は「膺懲戦」であると主張していた。それは、中国人が日本民族の優越性とアジアの盟主としての地位を認めようとしないで日本との合作(いわゆる「共存共栄」)を拒絶したので、中国に懲罰を加えるために戦う、というのであった。またこのことを盾にとって、この戦争には国際法上の戦争法規を適用するわけにはいかないと主張していた。その結果、中日戦争はきわめて残酷かつ野蛮な戦争と化し、日本軍国主義者は中国人民の抵抗の意志を徹底的に粉砕しようとしたのである。

引用ここまで。

日本軍の残虐行為を論理的に説明するとこうなるんだと思います。ただ、こう言っちゃ何ですが、先日見た「東京裁判」でも

引用ここから。

被告の謀議とか共謀とかが疑われてたのに、被告の一人、賀屋興宣が「そんなまっとうなものなんかなくて、なんかあれよあれよという間に戦争がどんどん拡大してって、負けちゃったんだよ」という認識が全員に共通したものであろうとのナレーション

引用ここまで。

ってあったんで、日本人はそんなに論理的にゃあ考えねぇ。まぁ、せいぜい後付けの言い訳だと思いました。あるいはそうでも解釈しなきゃやってらんない著者の思いだとも思えました。

引用ここから。

残忍さで世界に名を知られていた日本侵略軍は、

とあるのに、後の方で

世間(世界の間違いかも)はただナチス・ドイツのユダヤ人虐殺の蛮行を非難するだけで、日本軍が犯したこのような極悪非道な罪業については忘れ去っている。

引用ここまで。

これね、最近、特に思います。わしの結論は、白人が持つ潜在的なアジア人蔑視が原因ではないかと。特に中国や朝鮮、東南アジアは、日本が敗北するまでは欧米の植民地だったので新興国が圧倒的に多い。そのことがサンフランシスコ講和条約でも軽視されたし、韓国や東南アジア諸国に対する賠償もろくに行われていないのは何も日本一国だけでできることじゃないと思います。欧米、特にアメリカの後押しがあっての日本のふんぞり返りだろうと思うのです。
だから日本のいわゆる「保守」が何かとサンフランシスコ講和条約を否定したがったりするのを見てると、そのおかげででかいつらができているくせに自分勝手だなぁという感想しか出てきません。まぁ、あいつらは「保守」の名を騙る隷米だよね。

本文中、日本軍の手先として使われた漢奸(中国人のスパイ、売国奴)以外に、植民地の朝鮮や台湾から連れてこられた朝鮮人、台湾人がいて、残虐な日本軍以上に憎まれたという記述を読むと、BC級戦犯でもそういう人がいて、何人も処刑されてて、直接、捕虜や住民と触れあう機会が多い下っ端の方が恨みを買いやすいんだよなぁと思って、何とも気の毒でした。まぁ、朝鮮の親日派なんか見てると、気の毒だけでは済まない悪質なのもいるんでしょうけど、そもそも植民地にしてなければ、日本軍に連れていかれなければ、という植民地ならではの事情は見過ごすわけにはいかないと思うんです。

日本軍が香港を陥落させて三日間の休暇を兵に与えたものの、アメリカなんかと違って後方に下げたりなんかしないから現地で休みで、そのあいだ、悪逆非道の限りを尽くしたとか読むと、抜本的に余裕のない日本軍というのは世界一、戦争をさせちゃいけない軍隊だとしか思えません。休暇で占領地の住民相手に憂さを晴らすとか、最低最悪の悪手ですよ。別に香港に限ったことでもありませんが。日本軍が占領したところ、どこでもそうですが。
そのくせ、香港占領後にアメリカ軍(香港はイギリスの植民地なのになぜアメリカ?)を悪者に仕立てたプロパガンダ映画なんか作ってますけど、実態は逆ですもんね。悪さしとるの日本人だもんね。映画一本で殺し尽くし、奪い尽くし、犯し尽くした悪行が誤魔化せるとか、馬鹿ですよね。

また香港だけじゃなく、マカオにも甚大な被害をもたらしてますが、当時のポルトガルは中立を宣言してたので、これは国際法違反です。いやぁ、ここら辺、ちゃんと問い詰めなくちゃあ。
でもポルトガルがそうしなかったのはアジアの植民地を軽視していたか、大したことないと思っていたか、わりとファシスト寄りの政権だったみたいなんで、日本がやったことは大目に見たのか、どれかでしょう。

あと日本人の牧師が回想記書いてまして、当時の憲兵隊長とかが戦後、処刑されたのを聞いて、

引用ここから。

彼らは罰せられて当然で、死んでも償いきれないほど生前の罪業が大きかったとはいえ、権力を濫用した者の末路は憐れむべきであった。彼らはすべて異常な時代の産物として憐れむべき同胞であり、やはり戦争が生み出した犠牲者であった。したがって、これ以上彼らを憎悪するのではなく、いつ、どこであろうと、永遠に二度と不幸な戦争をくり返さないよう、ひたすら祈るだけである。

引用ここまで。

と書いてましたが、これ読んだ時にわしは ( ゜д゜)、 というAAが真っ先に浮かびました。100%加害者捉まえて「戦争が生み出した犠牲者」とか、ものほんの犠牲者差し置いて、どの面下げて言うねん。しかも「異常な時代の産物」とかって時代のせいにするなよ。悪いのは戦争じゃなく、それを引き起こす差別なんだよというのが、わしの最近の考えです。
上の方でも書きましたけど、中国を懲らしめるために残虐な作戦をとったといったって限度ってもんがあるじゃないですか、普通。でも日本軍てそうじゃないよね。とことん残虐、三光作戦まんまに殺し尽くし奪い尽くし犯し尽くした。それって懲罰ってよりも中国人を日本人以下と考える差別の賜物だろうと思うんですよね。というか、現人神を戴く日本人すげぇで、日本人と例外的にドイツ・イタリア以外を下に見てたでしょ。だから捕虜にもあんなことができたんじゃなかろうかとしか思えないんです。

そして植民地といったら朝鮮、朝鮮といったら日窒、日窒といったら水俣病です。連想が一方的だという意見は却下します。著者の妹さんが海南島から戦後、30年以上も経って戻ってきたという記述がありましたが、そこには日窒によって開発された石碌鉄山があったというじゃありませんか。いやいや、水俣で漁民の血を吸って大きくなった日窒、やることが違いますネ。朝鮮だけじゃなかったんだネ。

あと、わしが日本軍を阿呆呼ばわりするのはインパール作戦を引き合いに出すまでもなく、日中戦争でも、アメリカとの開戦でも何でもそうですが、何しろ見通しが甘いことにつきます。というか、なんでそう、何でも自分たちの思いどおりになると思っちゃうのかなぁと思わざるを得ない幼稚さです。それは香港戦でも発揮されてまして、

引用ここから。

日本側が把握していた軍事情報では香港島側のイギリス防衛体制を実勢より甘くみていたため、

引用ここまで。

なんちゅうか、万事がこの調子で敗戦まで突っ走ったよね、この国は、って感じです。

と、徹頭徹尾、こんな本が読みたかったんだ!!!な、たきがはド・ストライクな良書でしたが、1つだけ注文をつけると中国の人の名前にルビ振ってほしかったですね。地名はルビ振ってんだからさぁ。

そういや、わしはまだ香港に行ったことがありません。でも行くとしたら、この本に書かれたことを忘れないで、観光一辺倒に陥らないようにしたいと思います。

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