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宇井純著。三省堂新書。

初版が1968年とあるのでかなり初期、第1次訴訟も起きる前の熊本・水俣病について、その発生からじっくりと描いた本。「公害原論」での親しみやすい文章とはうってかわって堅めの文だけど、わかりやすさは変わってない。1つ1つの事実を積み上げて、なるほどとわからせてくれるところなどは初期の水俣病を学ぶにはすごくいい本だろうと思う。
新書という読みやすいサイズだけど、一般書店ではすでに扱っていないのが惜しまれる良書。水俣病センター相思社でのみお取り扱い。

最終章にて、岩倉具視の発言「民心をして戦慄するところあらしむべし」に言及した箇所があり、かつてたきががは「私は貝になりたい」や「白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々」にて抱いた疑問・感想を見事に指摘しておられた。この国の支配層にとって我々民衆とは支配すべき敵であるそうな。あ〜、にゃるほど。敵ですか。そりゃあ、抑えつけるのもわかる。信用しないのもわかった。「同じ日本人」だからじゃないんだね。身内だから裏切られると思うとよけい憎い、んではなく、最初から裏切ると思ってる敵なんだね。
同時に、市民革命を経ずに西欧の資本主義を闇雲に取り入れ、戦前・戦中は国家主義に走り、戦後は資本(独占)主義に走ったこの国の不幸を思った。幼稚な民主主義なんだよね、日本て。しかも島国だから西欧のように自国の利益ばかり追求するわけにいかんてこともないし。
その後の政治も、宇井さんの望んだようになっていない。地方自治体は世界でも稀に見る無茶苦茶な市町村合併(日本ほど市町村がばりばり減ってる国はない)によってどんどんその地位を低下させられてる。わしらにいちばん近いはずの地方自治体が、だ。「敵の力は削いじまえ」ってわけだな。
にゃるほどにゃるほど。

いろいろな意味で凄い本である。同時にこんなに凄い人を万年助手にしていた東大という存在のばからしさを思う。

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