監督:チャウ=シンチー
出演:玄奘(ウェン=ジャン)、段(スー=チー)、孫悟空(ホアン=ボー)、猪剛列(チェン=ビンキャン)、沙悟浄(ジロー=リー)、玄奘の師匠()、空虚王子(ショウ=ルオ)、ほか
見たところ:TOHOシネマズ海老名
2013年、中国
「
少林サッカー」のチャウ=シンチー監督が送る、新しい「西遊記」伝説です。
玄奘のキャラクターがまず良かったです。可愛いv 最後まで「
海洋天堂」の大福だって気づきませんでしたが… (´・ω・`)
彼と師匠は、わらべ歌で妖怪の善の心を呼び覚まし、改心させるという一風変わった術を使います。そのため、即効性がないので初っぱなの怪魚戦では段にかっさらわれてしまいます。
でも師匠のもとに帰った玄奘は、自分に力がなかったので村人を救えなかったことを嘆き、まぁ、妖怪ハンターとしての強さとか名誉よりも優しさというのが前面に出たキャラクターで、好感が持てました。
そして、けっこう長い猪剛列戦。なぜか段と一緒に行動する玄奘。彼女は武芸にも優れていますが、変幻自在のリングを持ち、攻撃力も高いです。しかも強面の部下を率いており、それなのに将来の夢は「普通のお嫁さん」という可愛いキャラクターです。段も良かったですね。
ただ、段に惚れられた玄奘でしたが、修行が優先とすげなく、彼女を振ってしまいます。それでも孫悟空に猪剛列を倒してもらうため、その策に乗る段ちゃんはいい女でした。裏腹な強さも魅力的v
ところが玄奘、うっかり孫悟空を解放してしまいました。500年も閉じ込められている妖怪王ですんで玄奘に比べるとずっと狡猾なんですが、登場した時は青白い肌のおっさんですv でも元の姿を取り戻したら、妖怪ハンターの強者、足じい(普段は片足が異常に小さいが戦闘になると巨大化して襲いかかる。元気なじじい)、虎筋蟷螂アニキ(虎拳、蟷螂拳を操るマッチョな男)、空虚王子(自称「虚弱」で時々、虚弱王子と間違える・間違えられる。縁起がいいという理由で姥桜4人を引き連れている残念なイケメン。武器は剣)も足下に及ばぬ強さで、段ちゃんもかないません。
最後に残ったのは玄奘ばかりでしたが、毛をむしられて坊主になってしまいます。玄奘は妖怪ハンターですが、師匠ともども、一応、僧侶という設定がありまして、師匠はかつらをかぶっていますが禿です。で、玄奘はぼさぼさ頭でしたが、ここで孫悟空に毛をむしられ、はげになるという筋書きだったのです!
わらべ歌の教本を取り出すと、一回、段ちゃんにびりびりに破られたのを段ちゃんがくっつけて返してくれたのですが、「文字は知らない」と言っていた彼女なので適当にくっつけてしまったらしく、なぜか大日如来経(だったかな。般若心経ではなかったはず)になっており、唱えると孫悟空を閉じ込めた仏が出現します。
さすがの孫悟空も仏にはかないません。玄奘は段ちゃんの形見となった無限自在リングを孫悟空の頭に嵌め、仏典を求めて西域へ旅立つのでした。
さらに段ちゃんに預けられていた猪剛列と沙悟浄もおともに加わり、ここに「西遊記」がスタートするのでした。
玄奘一行の、4人が4人ともスネに傷持つ身というのが哀愁(玄奘は段を失い、孫悟空は500年も閉じ込められ、沙悟浄は子どもを助けたのにさらおうとしたと誤解されて殺され妖怪に化け、猪八戒は妻に裏切られて殺して妖怪に、という設定つき)がありまして、これがこの旅のなかで癒されるのか興味深いところです。
しかも旅立つ4人のB.G.Mが「Gメン75」で大爆笑。いちいちツボを押さえてくれる憎い奴ですv
なにしろオープニングの半獣半魚の妖怪戦から心を鷲づかみにされちゃったので、続編が楽しみな今年最高の1本でしたvv
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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