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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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愛に向かって走れ

出演:カール=マルザック(カーク=ダグラス)、エディ=メイソン(ジョン=シュナイダー)、ショーター警官(J.C=クイン)、ジリー=バック(リー=パーセル)、ほか

カーク=ダグラス氏の名が筆頭に来てますが、役者としての格で言ったら当然ですが、主役はエディで、マルザックはどっちかというと憎まれ役です。大したことしてないのに、20年も刑務所にいる羽目になった主人公が、タイトルどおり、奥さんと息子に再会するまで。

ハンスビル刑務所をエディ=メイソンが脱獄した。エディは職場の上司を殴ったことと公務執行妨害で5年の罰を喰らい、刑務所に収監される前に脱走したことでさらに15年の罰まで追加されてしまっていた。だが、3年目に脱獄したエディは、愛する妻と息子に会うために周到な計画を立て、メキシコとの国境の町ラレドで再会しようとしていた。だが、エディと因縁のあるカール=マルザックが追いかけてくる。エディは家族と再会できるのだろうか。

話としてはわりと他愛もないです。こういう脱獄物ってけっこう古今東西、どこにでもありますよね。アメリカなんで、からっとしてるのと、基本、ファミリー愛というのがお約束な気がします。日本だともっとどろどろしてそうです。
まぁ、他愛もないと言いますのも、こういう映画の落としどころって、1つしかないからです。主人公が家族と再会するか否か。基本それだけ。ちゅうか、タイトルが「愛に向かって走れ」という時点で、もうべたべたな展開も予想できちゃいます。

ここにスパイスを加えるのがカーク=ダグラス氏演ずるカール=マルザックなわけです。作中でちょっぴり明かされますが、愛犬ニッキー(犬種は不明ですが、黒くて、猟犬ぽいです)と暮らす孤独な中年。元ニュージャージー州の刑事でしたが、犯人を撃ち殺したことで職を追われたらしく、警部補にこそなってますけど、主人公エディの収監された刑務所で囚人の護送をやってます。そうか、そういうのも警察の仕事だったんだ。で、エディを捕まえた時に1回脱走されたことがありまして、その時にエディの息子をちょっとこづいたものでエディに手錠でぶん殴られており、その傷痕が右目の上にあります。因縁と言っても実はそれだけの間柄ですが、マルザックは執念深く、かつ理論的にエディを追っていきます。エディが刑務所で地図を見ていたり、ジョギングをしていたと知り、警官がまったく足取りもつかめないでいるところから、実に的確にエディが通るであろう道筋で待ち構えたり、エディがテキサス州知事の姪と一緒にいると知ると、身分を偽って警察に捜させ、彼の潜むホテルに入り込んだり。
でも、そこまで執念の固まりみたいにエディを追っておきながら、ラスト、ついに捕まえたエディをあっさりと解放… うわぁぁ〜 因縁ってそんなものか、と思いました。まぁ、あとは、マルザック当人が言うように、「俺も歳を取った」というのもあるのでしょう。きっと、マルザックは、エディの犯した罪が20年も刑務所暮らしをしなければならないものだとは思っていなかったところがあったのです。そして、自分より若く、犬と1人と1匹暮らしの自分とは違って、愛する妻と息子のいるエディに、より人間らしい暮らしを送らせたかったのではないか。なんて思うと、カーク=ダグラス氏がお歳に見えて(実際、この映画は1983年の作なんで、ジョン=ウェインより10歳ぐらい若いとはいえ、カーク=ダグラス氏も60歳以上のはず)、なんか「OK牧場の決闘(ドク・ホリディ!)」とか「戦う幌馬車(ジョン=ウェインとの共演)」とか「スパルタカス(キューブリックに撮らせた。たきがは的にはカーク=ダグラス氏の最高傑作)」とか「海底2万哩(若い!)」とかお若い頃からの出演作を知ってると、みょうにしんみりしちゃうのでした。ちょっとセクシーさも控えめだったしな。やっぱり晩年の作で「スペース・サタン」ってSF映画にも出てたんだけど、お尻披露してるの見て、「こんな年寄りになって尻をさらさんでも〜!」と、たきがは家では阿鼻叫喚の地獄図(←大げさ。でも、半分くらい実話)となったものであったし… (´・ω・`)ショボーン しみじみ。

余談ですが、Wikipediaで調べていたら、この映画の時にはカーク=ダグラス氏は67歳であったことが判明。「スペース・サタン」より3年も後でした。そうか、あれより年寄りか…
しかも、「スペース・サタン」が第1回ゴールデンラズベリー賞にノミネートされたんですって! 作品賞、主演男優賞でノミネートだって! ノミネートのみで終わったことをファンとしては喜んでいいのか悪いのか… (´・ω・`)ショボーン
そうか〜 ゴールデンラズベリー賞にノミネートってことは、あのけつ(←けつ言うな)に驚愕したのはわしらだけではなかったのだな… (´・ω・`)ショボーン

まぁ、うがった見方をすれば、主役はあくまでもエディだし、対象もファミリー層とか狙ってそうな映画なんで、マルザックに執念のあまり、エディを何が何でも刑務所に引っ立てさせる役はさせられなかっただけだべ、という気もいたしますが… ちゅうか、ぶっちゃけ、マルザックを演ずるのはカーク=ダグラス氏じゃなきゃいやん!ってほどの役でもないもんで、それこそ、カーク=ダグラス氏が出てなかったら、一生見なくてもおかしくはない、そんな程度の映画だったり。

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