実はたきがは、子どものころに蟻を数十匹踏みつぶしたり、壁を這ってた毛虫を十数匹たたきつぶしたり、ということをしたことがある。まぁ、それを言ったら、いまでも目の前をうろつく蚊、蠅やゴキブリはたたきつぶすのがモットーである。蚊以外は目の前にいなければ気にしないが、なぜか奴らは出たがりなんだ。放っておくと衛生上、なんかやなんで抹殺するのだ。蚊は血を吸われる=かゆいという実害があるので論外なんだ。
ごめんなさい。
誰に謝るでもないけれど、そういう罪状のあるたきがはなので、間違っても天国になんぞ行けないだろう。信じてないけど。
「地獄は人が作るもの」(「蝶の舌」より ドン・グレゴリオ先生の言葉)なんだよ。
今年、関東地方ではアメリカシロヒトリという蛾が大量発生していて、千葉県・船橋市で市が対策に追われているというにうすをやっていた。何でも街路樹の桜の葉を食べちゃって木が丸裸になってしまい、殺虫剤を撒いても効かないんだそうだ。
それ、きっと、殺虫剤の撒きすぎで抵抗力あるやつ、いるから。
昆虫ってあるもん。殺虫剤に強い虫が残るの。何かと話題にのぼる、遺伝子組み換え作物だって、自分とこの殺虫剤を買わせるためにその殺虫剤に耐性のある種を買わせて、それだけ栽培するようにさせてるけど、やっぱり虫って耐性つけるもん。それに、その1種だけになったら、今度は病気とかで1発でだめになっちゃうって。それなのに、種も作れない1世代限りの種だから、毎年種を買わなきゃいけないって読んだよ。すごい、無茶苦茶な食生活、アメリカでは始まってるんだよ。
だから、アメリカシロヒトリもきっと殺虫剤への耐性をつけたのはいると思う。
考えてみたら、たきがはの住んでるマンションにも、アメリカシロヒトリの成虫らしい白い蛾を今年はよく見る。
専門家が言うには、今年1年で大量発生したんじゃなくて、何年かかけて、こういう発生になったんじゃないかって。天敵が少なくなったとか、気象条件とか、いろいろ積み重なったんだろうってことだった。自然のサイクルってもっと大きな目で見ないとだめなんだね。きっと。
でも、ふるってるのは町の人へのインタビューだった。つーか、全然意味ないと思ったのはわしだけか? 「嫌い」って女の子(総じて、女子というものは蝶や蛾が嫌いな人が多い。見るのも嫌、ひらひらが嫌い、という話はよく聞くので地域住民の声、というインタビューとしてはそういう答えをするであろう女子にインタビューしたのをわざわざ放送することに意義を見出せないんだが)、「気持ち悪いので何とかして」と言う男の人。
確かに頭の上から毛虫が突然落ちてきたら、気持ちいいものではない。でも、
「気持ち悪い」即「殺せ」という発想のがもっと気持ち悪いと言ったら、言いすぎですか。そうでなくても虫を見なくなっている都会でただ人間が「気持ち悪い」という理由だけで虫を殺すのがそのうちに日常茶飯事になりますか。そのうちに見慣れない=気持ち悪いという理由でバッタやトンボも殺しますか。
でも、アメリカシロヒトリが増えて、街路樹が裸になってるのがまずいというのなら、殺虫剤をかけるよりも、もっとやらなければいけないこと、あるんじゃなかろうか。天敵がなぜ減ったのかとか。でも、食べるものがなくなれば、今年はいっぱいいても、来年はどうなんだろうとか。目の前のことを片づけるだけじゃなく、もっと長い目で、見通し持ってやる必要があるんじゃないだろうか。場当たり的なことを行政がやってちゃいけないんじゃないかな。
って、さんざん虫を殺してるたきがはが言っても、しょうがないかしらん。
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