「
ジャイアントロボ7」とか「
草間大作7」とか読み直して、我ながら、熱入ってるなぁと楽しくなりました。ロボ&大作、こんなに好きか、ぢぶん。
Episode 1から振り返ってみれば、ロボにも大作にも、言いたいことはまだまだあるでしょうが、ひとまず熱い暑い馬鹿語りもこれで閉幕でやんす。いまいちど、おつき合いのほどを。
村雨が、大作が、命がけで守ろうとした銀鈴の大テレポート。梁山泊の面々には良かったのだが、なにしろすでにテレポート能力を使うと命が削られる、とあるので死亡フラグ立てまくりの銀鈴さんにお礼を言われても複雑な大作。
しかも、草間博士の遺言まで銀鈴が言い出したもので、不安感ありあり。この不安が、この後の「どうして銀鈴さんを助けに行かないんですか!」につながるのであろう。実際、銀鈴がこの後、会話したのは恋人の村雨と兄の幻夜だけですし。
で、そんな心境の大作に呉学人、どうやら勝手にケーブルをつながせたと思われる。「僕はいやです!」と反抗する大作。
膝まで抱えていたところ、呉学人も押しの弱い人なもんで、強気に出る大作。まぁ、相手が九大天王だろうと十傑集だろうと強気な大作。ごーごー!
なんだけど、次の瞬間には黄信にほっぺたをひっぱたかれる。これね、Episode 5から登場で、大作とほとんど交流のない黄信だからできるわざっすね。戴宗の兄貴はもっと優しいし、楊志の姐さんも口はうるさそうだが手は出さないだろうし、銀鈴も一清道人もひっぱたかない。鉄牛は、いちばんやりそうなキャラではあるが、この時点では戴宗に替わって頼れる兄貴と化してるんで、ひっぱたかない可能性のが高い。
DVD-BOXの監督インタビューだと、あのシーンはもともと脚本になかったのを、黄信CVの納谷六郎さんがいたので作られたんだそうな。改めて、声のすごさを実感した。
でも大作も頑固。黄信に銀鈴はもうだめだ、と言われてもまだ納得できない。
黄信に斬りかかられそうになり、これは花栄と一清道人が止めたが、まだ強気な大作。銀鈴を犠牲に、という考え方に、たとえ銀鈴がもう手遅れなのだとしても納得できんわけである。
で、つい村雨を批判してしまう大作。どうやら、大作と鉄牛だけ、銀鈴と村雨が恋人同士だと知らなかった模様。
だから、黄信に「あの村雨がいちばん辛い思いをしたのを知っているのか」と言われて、びっくり。
で、涙涙の銀鈴と村雨の別れのシーンに続くんですが、村雨さん、大怪球の弱点ってなに? 銀鈴だけがそれができるって、どゆこと? まさか、梁山泊のエキスパートを大怪球の中にテレポートさせるのか? それが弱点なのか?
大作の胸に去来するのはどんな思いか。
Episode 6で「銀鈴も犠牲と考えればいいじゃないか」と言った村雨の心中を、その思いを考えているに違いない。そういや、ヒィッツカラルドに襲われた時も村雨が助けてくれたのは、やっぱり銀鈴がいたからかも、とか。そう言えば、大怪球に銀鈴がテレポートしていってしまった時、なんかピンクの気配が追いかけていたけど、あれが村雨だったのか、とか。
戴宗の兄貴ならば、なんとか説得しそうな気もするが、誰も大作を説得できず、黄信は「勝手にするがいい」と言い放つ。で、大作とのあいだに剣を走らせ、「逃げ出したらぶっ殺す」と宣言。
なんちゅう、男の世界だ。しかも道の向こうに動き出した大怪球が見え、大作がその進路上にいるのに「逃げ出すな」とは、なんてスパルタな人なんだ、黄信。
で、みんながいる時は強気な表情だったのに、置いていかれて不安げな大作。
大作は黄信の言うことが正しいのはわかってると思う。「誰もがすでに手は尽くした」と言う意味を理解していると思う。でも、銀鈴のことを思うと動けない。自分もすべきことをしなければいけないとわかっているのに、このままでは銀鈴を見捨ててしまうようで動けないのだと思う。
しかし、運命は無情である。大怪球はそのあいだにも聖アーバーエーに近づき、大作に近づいてくる。さらにロボまで踏みつぶして引きずっていく。
誇らしげな幻夜に何もできない大作。
悔しいよな、辛いよな。でも、大作はEpisode 2の時のように守られているだけじゃない。いまの大作は地上でただ一人、最強のロボット、ジャイアントロボを動かせる少年なのだ。それなのに見ているしかないのか、大作!と思わず握り拳も熱くなる。
聖アーバーエー、最後の抵抗。だが、それもパワーアップした大怪球の前には果て、絶体絶命のまさにその時、ジャイアントロボが動く。
ごめんなさい、と銀鈴に謝る大作の優しさ。でも、このまま自分が手をこまねいていたら、もっと事態は悪くなる。
大作は銀鈴を信じている。同様にその父であるフォーグラー博士も信じている。博士の残した3つのサンプルが、皆の言うように恐ろしい目的のために作られたのだと思っていない、実は唯一の人物である。幻夜はもとより、銀鈴でさえ、最後にはサンプル壊そうとしたし。その信頼感がまぶしい。登場人物の誰よりも真っ直ぐな大作がまぶしい。
でも、いまは戦う。全てを破壊しようとする大怪球と、BF団と、大作はついに戦う決心をしたのだ!
それに応えるかのようにフォーグラーを持ち上げるロボがかっちょいい〜!
大作の絶叫に応えるロボ。
ロボがダメージを受ければ、応援。
ロボってほんとに頑張るんだよな〜。RED版でもそこらへんはちゃんと描かれていて嬉しい。ロボはただのロボットじゃないのよ、心があるんだよ、と思ってしまう描写が熱い。
しかし、大怪球の反撃にロボが倒れ、危険を察した呉学人は大作に逃げるように言う。でも、その通信を切ってしまう大作。黄信に言われるまでもない。大作は最初から逃げる気なんてなかったんでないか。
しかもロボはまだ動いている。
それなのにロボが遠い。どうしたものか。その時、大作の足下に転がる1本のシズマ・ドライブ。視界にはメッサーシュミット。
行け行け、大作!
しかしそうは問屋が卸さない。ロボとのあいだに立ちはだかる血風連、大作が覚悟したその時、梁山泊のエキスパートたちが助けに現れる。
さっきはこっぴどく怒られたけど、道を空けてくれた花栄と黄信に礼を言う大作。
もちろんそれだけでは終わらない。梁山泊エキスパートの総見せ場だもんな。
皆に礼を言う大作。
Episode 1の時に、戴宗と鉄牛が助けに来た時には泣いていただけだったのが嘘のようだ。
さらに、最後の最後、復活した鉄牛に涙を浮かべる大作。
しかも鉄牛の台詞がふるってるのだ。「これからは俺が守ってやるってな」はいいのだ。その後で「ようし、いい子だ」って。まるで戴宗の兄貴が乗り移ったようだよ、鉄牛! しかもEpisode 4までの鉄牛の話し方と意識して変えたんでしょうな。CVの飯塚さんがまた痺れる〜! 格好いい〜! しぶ〜い!
で、「ロボが待ってるぜ!」と大作を送り出す鉄牛。
続編があったら、さぞいいコンビになったろうと思う。RED版では鉄牛の登場は望み薄だが、史進に期待してるんですけどね、性格似てるし。しかも鉄牛よりももっとお馬鹿だし。いや、可愛いキャラですよ、史進は。
これで終わりじゃないのが今川節だ。
まさかここで、戴宗と楊志が復活するなんて思わなかったです。
さらにさらにだ! ええい、こんちくしょう、ここで草間博士が「息子よ!」と手を差し伸べる。
大作にとってロボはお父さんでもあり、親友でもある。最初の黄信と花栄から、大作の応援歌が続いて、続いて、最後に草間博士で占める。これが泣かずにいられようか、いや、ない。一緒になって、大作を応援するのが楽しい見方だと思う。音楽ともども、ここは盛り上げて盛り上げて、盛り上げてくれるのである。それでいてアルベルトの復活でまた盛り上げるのはすごいっす。
そしてまさに人機一体となって、大作はロボに立とうと促す。
ああ、熱いなぁ。ロボットアニメとはかつて、このようなドラマじゃなかったろうか? 手に汗握って、展開にわくわくしなかったろうか。このカタルシスこそロボットアニメの醍醐味じゃなかろうか。
立ち上がったロボは、大怪球の捨てた外壁を楯に、エネルギーフィールドの突破を試みる。
大作が「ひるむな、ロボ」と言っているのは自分にだろう。
しかし外壁が溶けて、アルベルト登場。敵とはいえ、その誇りに触れる大作。
考えてみれば、大作も九大天王や十傑集というすごい大物の死に立ち会っているわけで、彼らの死が成長を促したものだろうな、と思う。セルバンテスは死んでないんで。戴宗とかアルベルトとか。
で、大作、最後の命令。
ロボの総攻撃でさしもの大怪球も半壊。泣き声の幻夜に驚く大作。
ここら辺がいい子だよね、大作は。あとは、幻夜に「同じ境遇同士」と言われたのを覚えていて、気の毒になったか。
でも銀鈴のが大事。鉄牛に言われて、大怪球へ侵入。
でも大作が銀鈴のもとにたどり着いた時、彼女は兄に撃たれ、しかも消えてゆくところだった。
ああ、そうか。ジャイアントロボはシズマ・ドライブなしで動くから、大作はシズマ・ドライブの復活を知らないのだな。だから、なんで幻夜が泣いているのかはわからんし、外で何が起こってるのかもわかってないと思われる。
なので幻夜の言ってることもわかってないと思う。
うーん、ますます幻夜の独り相撲が滑稽だ。
大怪球は自爆、逃れた大作とロボは銀鈴の形見のイヤリングと、アンチ・シズマ・ドライブを取り出していた。
長い戦いの後には朝日が似合う。万感の思いを込めて、大作は「銀鈴さん」とつぶやくのだった。
そしてビッグファイアの覚醒、さらなる激しい戦いを予感させて、大作はロボに命ずる。「たたけ、ジャイアントロボ!」
なんて熱いアニメなんだ。なんて暑苦しいレビューなんだ。それでもこのアニメの魅力を1/10も伝えられないと思う。アニメは動いてなんぼだ。話してなんぼだ。絵だけでも駄目だ。声だけでも、音楽だけでも駄目だ。絵と音楽と声、まさに三位一体となってこそ、最高のアニメが見られるのだ。
乾杯、「ジャイアントロボ」。こんな素晴らしいアニメを作り出したスタッフに、改めて感謝の意を表したい。その奇跡を喜びたい。ありがとう、「ジャイアントロボ」
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