監督:パトリシオ=グスマン
見たところ:川崎市アートセンター・アルテリオ・シネマ
フランス、ドイツ、チリ、2010年
チリのドキュメンタリー映画監督パトリシオ=グスマンさんの映画が2本かかるというので行ってきました。天文学だけだったら、わしの琴線には触れもしないんですがピノチェト時代のことも扱ったドキュメンタリーで2部作だというんで、ちょっと頑張って観てきました。1週間限定の公開で「真珠のボタン」と交替でかかっているのですが、こちらの方が明らかに前編という感じで「真珠のボタン」が後編だったので順番変えなくてもいいと思いましたよ。
地球上で最も空、宇宙に近いと言われるチリのアタカマ砂漠。そこには天文台がいくつもあり、いろいろな国から集まった天文学者が宇宙からのメッセージを読み解こうとしている。その一方、アタカマ砂漠は1万年以上前から人びとが行き交う交易路でもあり、今もミイラが発見されたり、壁画が見つかったりする。またアタカマ砂漠には1973〜1991年、アメリカの支援を受けてチリで独裁政治を敷いたピノチェト政権による強制収容所跡もあり、今もそこで愛する者の遺骨を探す女性たちもいる。宇宙、古代、近い過去といった複層的な出来事を美しい映像とともに綴る。
というわけで、宇宙の美しい映像を見ていたかと思うと足元に視線が行き、そこには天文台とともに数千年前のミイラや遺跡があり、つい30年前の遺体もあったりします。その自由さがおもしろそうだなぁと思って行ったら、これが大ヒット。自在に宇宙と過去を行き来する眼差しにすっかり惚れてしまいました、パトリシオ=グスマン監督v
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