監督:黒澤明
見たところ:鎌倉川喜多映画記念館
日本、1951年
早田雄二さんというカメラマンの方の写真展をやっておりまして、主に女優さんを撮った方なので、その被写体になった女優さんの映画がお一人1本くらいな感じでかかりまして、たきがはの大好物「白痴(黒澤版)」がかかったので行きました。あと「浮き雲」も月末にかかるので、これも見たいのです。さらにGWには「
別離」「大いなる沈黙へ」「
ハンナ・アーレント」が3日おきにかかりまして、相変わらず掘り出し物が多い映画館です。
何度目かでやっと気づいたのですが、亀田の愛し方というのはキリスト的だなと思いました。博愛主義というんですか。たぶん、いちばん好きなのは妙子なのかもしれないけれど、綾子も好きだし、赤間も好きだし、みんなみんなに幸せになってほしい。ただ、妙子の場合は、ほかの2人に比べると傷ついた魂をより癒したいと願っているので、どうしても綾子や赤間よりも優先してしまうんだろうけれど、綾子の何不自由なく育った傲慢さとお嬢様然としたところも、粗暴な性格の裏に隠れた赤間の純真さも好きだし、救ってやりたいのだろうと。
だから、亀田は妙子や綾子、赤間からやいのやいのと責められて、悲しいかな、白痴でもあるので良い知恵も浮かばず、最終的には赤間ともども破滅してしまったのではないかと思いまして、ああ、これはキリスト的、それも神のいないキリスト的な人物なんだろうなぁと思いました。
で何ですか、たきがはの好きなポーランドの監督アンジェイ=ワイダさんが坂東玉三郎をナスターシャ役で「ナスターシャ」という映画を撮っていたとか。ジェラール=フィリップ主演の「白痴」(フランス映画)は退屈だった記憶しかありませんが、こっちはちょっと興味あるなぁ。
それにしても、同じ年に原さんは「
めし」(成瀬巳喜男監督)にも「麦秋」(小津安二郎監督)にも出演してます。それも主役です。凄いことだなぁと感嘆することしきりです。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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