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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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縛り首の木

監督:デルマー=デイヴィス
出演:フレイル医師(ゲーリー=クーパー)、ルーン(ベン=ピアッツァ)、エリザベス=マーラー(マリア=シェル)、ほか
1959年、アメリカ

ゲーリー=クーパー主演の変わった西部劇。

舞台となるのは西部のゴールドラッシュに沸く町。そこにやってきた流れ者の医師フレイルが泥棒の青年ルーンを助け、さらにスイスから来たエリザベスという女性を助けたが、過去に妻と密通した弟を殺して以来、フレイルは人を愛することに臆病になっており、エリザベスの求愛にも応えられなかった。フレイルのスイスに戻るようという勧めも断ってエリザベスは金を掘って暮らすが、フレイルは雑貨屋を通じて彼女に金を投資する。一方、金の採掘でエリザベスのパートナーとなったフレンチが彼女に恋慕しており…。

要するに命を助けた身内も失った女性が好きなんだけど、過去に傷を持つツンデレ医者が逆に彼女に命を救われたことでやっと彼女に素直になれたという話ですな!

この町か西部のルールかわかりませんが、金塊を盗んだだけで死刑(=縛り首の木に吊される)なので、ルーン青年は最初は脅されて、嫌々フレイルを手伝っていましたが、エリザベスを助ける頃になると、それなりに信頼が生じたのか、いろいろと手伝っているところがけっこういい奴です。

ヒロインのエリザベスは、登場時こそ、強盗に襲われて父は死亡、自分は3日も水なしで荒野で生き延びていたので失明しかかり、と大変でしたが、復活してからは強い女になっちゃって、女性の金掘りという世にも珍しい職業を選択してしまいます。ラストも縛り首にされそうになったフレイルを助けるためにせっかく見つけた金をばらまいて、金の採掘権も譲る大胆さ。こんなに女性が強いタイプの西部劇って珍しい〜

そして主人公のフレイル医師は、金塊泥棒のルーンを助けたものの、命と引き替えに召使いになるよう迫るも、すぐに証拠の弾丸捨てちゃうし。
でもお金のない一家の娘が栄養失調になっていたら、無償で雌牛を貸しちゃうし。
ギャンブルするし。とってもいい人が、ゲイリー=クーパー氏の真面目な顔で演じられると何ともおかしみがあります。
しかもエリザベスを助けてからはさらに暴走。
彼女をいちばんに見つけたフレンチがエリザベスに迫れば追い出すわ、「今度来たら殺す」と宣言する(しかも実行した!)わ、そのくせ、わざと冷たく当たって、彼女の求愛に応えず、スイスに帰れと言ってるのに、エリザベスがなかなか強い女性なもんで、自分で金を稼ぐわ!って町に行けば、こっそり援助してやるし、しかも総額1000ドルって、どんなツンデレって感じでした。

最初のうちは物騒なタイトルに、なんか腹に一物ありそうな医者に、どこに落ちるのかわからない話なんですが、ラストでしっくり。大した事件も起こらない小さな町でのとある男女の再生の物語っていったらいいでしょうか。

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