脚本・監督・製作:アリ=フォルマン
2008年 イスラエル・ドイツ・フランス・アメリカ合作
久々に映画館に行きまして、映画をはしごしてまいりました。どっちも重たい映画だったのですが、猛烈な頭痛でダウン。うう… かつて、5本も見た映画馬鹿はどこへ行ったのだ、ぢぶん?
話題作だったので、DVDでなく、劇場で見たかったのです。たきがは的にも興味ある話題ですし。
アリ=フォルマンは、かつての戦友を訪ねたことで、自分が1982年に従軍した時の記憶を失っていることに気づく。なぜ覚えていないのか? 記憶を掘り起こすためにアリの旅が始まった。
99%がアニメで綴られています。リアルタッチなアニメで、これは芸術作品だな〜と思って、たきがは、途中でつぶれかけました。頑張りましたが。このアニメ、美しいんですよ、とっても。だから、すごく凄惨な、イスラエルのレバノン侵攻を描いているのに、美しく、幻想的である。死体さえも美しい。そう思って見ていたら、ラストの1%で来ましたね〜 実写。いきなり、目が覚めたよ。もう、がつんって感じで。虐殺が行われた難民キャンプが、これでもかと写される。写され続けるラスト。あ〜 おったまげた。
この映画、「
おくりびと」と並んで、アカデミー賞の候補だったそうですが、どうだろうなぁ、この映画にアカデミー賞をあげるほど、アメリカ映画界って外を向いてないような気がする。だって、結果的に、この虐殺を行ったのはレバノンのキリスト教政党ファランヘ党だったわけですが、それも元はと言えば、イスラエルがレバノンに侵攻したのも遠因ではないですか。そして、イスラエルが中東で頑張ってられるのはアメリカの支援があるからで、当然、日本も無関係とは思われないわけで。まぁ、日本の件は置いておきましても、アメリカが決して無関係ではないこの虐殺について、戦後27年も経ってから語った映画を、アメリカ人が褒められるとは思えない。なんてことを思った。
わし的には、ラストの衝撃が凄かったので、そこに至るまでのアニメのうち、いくつか無関係っぽいエピソードを外した方がいいんじゃないかな〜と思いました。眠かったんで。まぁ、発端は監督の戦時中の記憶を取り戻すというところにあるんで、しょうがないのかもしれないけど、本題はそこじゃないだろうということで。
しかし、眠いと言ってしまうわしの感性に問題あるかもと思ってしまうほど、実写が雄弁だということです。
それにしても、蠅の表現が印象的な映画でした。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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