監督・脚本・原作:押井守
原作・キャラクターデザイン:天野喜孝
出演:少女(兵藤まこ)、少年(根津甚八)、ほか
日本、1985年
押井守づいて「天使のたまご」も見てみました。
ストーリー性はほとんどありません。粗筋も書きようがない。ただ、ノアの箱舟が重要なモチーフなんだなぁというのは作中、少年の台詞から推測できますが、わしはラスト、卵を割られた少女が崖に落ちて大人の自分とキスをして消えるというシーンで、マタニティブルーの話だと思いました。ええ、少年は旦那です。
そう考えると、無茶苦茶ながらつじつまが合うのですよ。
・少年と少女の体格比が変
少年は少女の約2倍の身長があります。少年が1m80ぐらいとすると少女の身長はわずか90cm。あんまり年齢設定がおかしすぎます。なぜなら、少女は幼い容貌をしていますが、話していることは少なくとも中学生か高校生レベル以上の会話だと思えるからです。ということは、この話そのものが幻想、あるいは夢(という発想に至ったのは昨日見た「
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」の影響もありますが)に過ぎず、現実的なものではないのではないか。さらに少年と少女の身長差はあくまでも比喩的なものであり、実際の身長差はそんなにないのではないかと。
特に最後、少女の大人の姿(同じワンピースを着ているしラストで別人を出す意味はないはず)になったのを見た時に、本当の自分に戻ったんだろうなと。
あと、少女がお腹に卵を抱いて走っているシーンが多く出てきますが、卵の大きさからいっても、あの体格の少女が抱えて走れるような重さではないはず。そうなると余計、少女という姿が比喩的なもので、実際は大人なんだろうと思ったわけです。
あと、お腹に卵を抱いている姿はストレートすぎますが妊婦さんそのものですよね。
解説とか読んでいたら、目のある大怪球(と言ったら、もろにフォーグラーを連想してしまわずにいられない「
ジャイアント・ロボ」ファンv)は、この世界の太陽だそうで、沈むと夜になるんだそうです。ラストで少女が大怪球に乗ってる石像になっているのは、女性=太陽の連想とか。ほかの石像も女性ぽかったし。
あと、ラストの鳥の羽根が風で飛ばされるシーンは射精の暗喩だそうで。だとしたら、マタニティブルーに結びつけるのは無茶じゃないなぁと思う次第。
たんぽこ通信 映画五十音リスト
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