監督:黒澤明
出演:村上刑事(三船敏郎)、佐藤刑事(志村喬)、遊佐(木村功)、並木ハルミ(淡路恵子)、ハルミの母(三好栄子)、遊佐の姉(本間文子)、その夫(東野英治郎)、ピストル屋の情婦(千石規子)、スリ係の刑事(河村黎吉)、捜査主任(永田靖)、スリのお銀(岸輝子)、レビュー劇場の演出家(千秋実)、レビュー劇場の支配人(伊藤雄之助)、アパートの管理人(高堂国典)、本多(山本礼三郎)、ほか
日本、1949年
新米刑事の村上は7発の弾丸が入った拳銃を盗まれてしまう。スリ係の刑事の協力もあって拳銃ブローカーに近づく村上だが、焦りもあって、なかなか成果を上げられない。やがて村上の拳銃を使った強盗事件が起き、村上は責任感から辞表を提出するが上司はそれを破り捨て、淀橋署のベテラン刑事、佐藤と組ませる。拳銃ブローカーから、ようやく遊佐の名があがり、彼の幼なじみであるレビューの踊り子、並木ハルミを問い詰めるがハルミは遊佐のことはただの客だと言い逃れる。そのうちに遊佐はとうとう殺人事件を起こし、再度、村上はハルミのもとへ向かうが、佐藤はその部屋にあったマッチから遊佐の足取りをたどっていく。しかし、遊佐が潜伏していると思われるあずまホテルで佐藤は遊佐の凶弾に倒れてしまうが、病院に現れたハルミは駅で遊佐が待っていることを村上に告げる。ようやく遊佐を捕らえた村上は佐藤を見舞い、ともに復員兵同士で、どちらもなけなしの荷物を盗まれたことから遊佐への同情を語るが、佐藤は犯罪が毎日起きており、遊佐のことなどいずれ忘れるだろうと諭すのだった。
黒澤監督の初サスペンスだそうです。2時間半と長く、少々、中盤がだれます。というか、前半は拳銃を盗まれた新米刑事の孤軍奮闘なもんで、素人っぽい場当たり的な捜査が目立つため、だれます。志村喬さん演じるたたき上げのベテラン刑事(しかし小学生以下の子どもが3人いるので年下の男の子っぽい…)が出てからは話もがぜん進み出しますが、それまでがちょっとだらだらした感じです。拳銃が盗まれたんだから、本庁の刑事たちももうちょっと真剣にやろうよ…
なんで佐藤さんが出てからの方ががぜんおもしろかったです。
配役とかを調べるのにWikiを見てたら、本作が淡路恵子さんのデビュー作で、千秋実さんの黒澤映画初出演作だそうで。まだ黒澤組なんて感じが固まってないころなんだろうなぁ。藤原釜足さんとか左卜全さんとかいないので寂しかったですよ。
中盤、拳銃ブローカーの本多が野球好きだっていうんで後楽園球場で待ち受けるシーンがありますが本物の野球の映像を使ってるそうです。道理で川上の名前が出てくると思ったわい。
黒澤映画で未見のものが「続姿三四郎」「醜聞」「乱」「まあだだよ」となりましたが、ラインナップを見ればわかるとおり、強力に見たい!ってのはないのでした。
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