たきがはの職場は水俣にあるが、実は現職員中、熊本出身者は4人で、あとは兵庫3、大阪1、栃木1、神奈川2と県外の人間のが多かったりする。これは「水俣病患者支援者」という立場で始まった活動が、そもそも水俣病患者だと最初に言った人たちは地域の少数派(水俣は海と山と谷と川のある、たいへん自然豊かな良いまちであるが、漁民の割合はもともと少ない)だったため、地元の人よりも全国の特に若者たちを集めた、という地域のしがらみ的な理由もあったものと思われる。
で、先日、いただいた林檎を食っていて、「この林檎、みそになりかかってますねぇ」と言ったら、兵庫出身のおぜうさんに「へ?」という顔をされたので、みそというのは…と説明したのであった。
さらに、じゃあ、残りの職員にも訊いてみようと思ったところ、熊本出身者以外の全員が「知らん」と言って、同様の状態は「林檎がぼける」と言うのだということをたきがはは学んだのであった。
そもそも、関西の人たちはあんまり林檎になじみがないらしい。冬の果物は蜜柑だそうである。うちなんか林檎と蜜柑やもんなぁ。
日本て広いなぁ。
さらに、「大根にすが入る」と言うのを、栃木の人は「ずがあく」と言い、前述の兵庫の人はそもそも、大根限定の言い方はしないと言うのである。かすかすになる、ぐらい。
たとえば、アラビアとかだと羊の状態は実に詳しく言葉が分かれる。「妊娠した羊」なんてのは可愛いもので、遊牧民の生活に密着した羊への言葉はごまんとあるそうである。逆に海とか水関係の言葉は少なそうだ。
言葉には地域色が如実に表れるものであるが、日本でもあるのだった。
で、さらに発展系として、「ごはんをたべた?」という日常使ってる言葉にも関東と関西でアクセントの違いがあることが判明。ますます興味深い、水俣の春であった。
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