忍者ブログ

されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

詩の中にめざめる日本

真壁仁編。岩波新書刊。

たきがはは、実はあんまり詩集を読みません。「原爆詩集」が例外で、あんまり詩集に興味がありません。ですが、先日読んだ「獅子ヶ森に降る雨(簾内敬司著)」の中で真壁仁という詩人の「冬の鹿」に言及しているくだりがあり、最近はそういう派生で本を読み続けているので図書館で検索したら、詩集はなくて編集した詩集が見つかったという。目次をパラ見したら「原爆詩集」の峠三吉氏のお名前があったので借りてきました。

もともとは「月刊社会教育」という雑誌に同じタイトルで連載された詩の紹介記事だったようです。
よって、あんまり有名な詩人は少なく、農業者兼詩人、子ども、主婦兼詩人といった市井の人びとの詩が多いのが特徴ですが、意外なところでは上に書いたような峠三吉氏や、東大の安保闘争で亡くなった樺美智子さんの詩とかが載ってました。
主題もそれこそ千差万別で、労働のこと、家族のこと、自分のこと、なかにはアウシュヴィッツに寄せたものなどもあり、興味深く読みましたが、わりとあっさり流しました。

その中で印象的なものがあったので転載します。

にほんのひのまる
なだてあかい
かえらぬ
おらがむすこの ちであかい

拍手[0回]

PR

デルスウ・ウザーラ 沿海州探検行

ウラディーミル・クラウディエヴィチ=アルセーニエフ著。長谷川四郎訳。東洋文庫刊。

黒澤明監督の「デルス・ウザーラ」の原作です。

まだロシアだった1907年、シベリアの沿海州で2度目の調査を行った著者に同行したのがゴドリ人(ロシア人の呼び方で自称はナナイ人)の猟師デルス=ウザーラでした。1度目の沿海州の探検で著者に同行しており、2度目の調査にも著者の頼みで同行、その深い知恵と知識で著者の一行をたびたび救いましたが、57歳と高齢で、天然痘で身内を全て失ったためもあり、猟師としての能力(視力)を失い、著者に誘われるままにハバロフスクに移住しますが、あまりに暮らしぶりの違う都会での生活に慣れられず、山に戻ったところで何者か(著者はロシア人ではないかと推測)に殺され、殺された場所に近いコルフォフスカヤ駅の近くに埋葬されますが、著者の3度目の探検ではその墓の場所はすでにわからなくなっていたとか。

わし好みの博物誌的な探検行で、タイガ(シベリアの密林)の様子が詳しく書かれているのがおもしろかったです。

デルス(作中ではデルスウ)も、アニミズムな世界に生きる猟師というのが良い。それだけに視力を失い、猟師として生き続けられなくなり、という終盤の展開は映画と同じでしたが辛いものがありました。猟師としては生きられなくても、その知恵でもって、タイガで生を全うした方が良かったのではないかと思いますが、そこのところはわかりません。

翻訳が満洲の時代に出されたもののようなのはいいんですが、地図もその時のままとは平凡社仕事しろと思いました。

東洋文庫は今さらながらわし好みの本が多いようで、読破してみたいと思いましたが、ちょっと金石範さんの「火山島」が読みたいのだ…

拍手[0回]

パンセⅠ

パスカル著作集第6巻。ブレーズ=パスカル著。田辺保訳。教文館刊。

永井隆博士の「ロザリオの鎖」を読んだ時に、唯物論者だった博士がパスカルの「パンセ」を読んでキリスト教信仰に目覚めたと書いてあったので、どんなものかと思って読んでみたのですが、何ですか、そもそも「パンセ」というのは思考とか思想という意味で、パスカルが晩年に綴ったキリスト教弁証論などについてのメモ、走り書き、覚え書きの数々を、パスカルの急死により遺族が急遽まとめたもので、まとまった著作ではなかったのでした。パスカルという人は「人間は考える葦である」とか「クレオパトラの鼻が、もしもう少し低かったら歴史は変わっていたであろう」という言葉で有名ですが、もともとは数学者で、23歳の時に信仰に目覚めたものの、病弱だったので39歳の若さで逝去。天気予報の時に気圧で使われるヘクトパスカルという単位は彼の名にちなんだものです。
という基本的な知識が根本的に不足しておりました。てへ

ただ、言ってることはキリスト教の素晴らしさ、いかに人が神がいなければ真の幸福をつかめないかという点に終始しているかなぁと感じました。

まぁ、つまり、例によって無神論者を気取るたきがはの心には響かなかったわけですが。

だいたい、わしは生命保険みたいに「元気なうちに保険かけておかないと後で痛い目見るよ」という人の不幸を煽るようなものは大嫌いなんで死後という誰も知らないはずの世界をさも知ったように語る宗教には不信感しか抱いたことがありません。

だから、そういう奴が読む本じゃないという話は黙殺(爆)

拍手[0回]

漬物の味〔扉の言葉〕

種田山頭火著。青空文庫刊。

漬け物をこよなく愛するたきがはが100%そうだよ!と頷かないでいられない一文を発見したので転載します。

山のもの海のもの、どんな御馳走があっても、最後の点睛はおいしい漬物の一皿でなければならない。
 漬物の味が解らないかぎり、彼は全き日本人ではあり得ないと思う

漬け物万歳。

拍手[0回]

透明人間

H.G.ウェルズ著。青空文庫刊。

何年か前にケビン=ベーコン主演で「インビジブル」という映画をやっていましたが、その原案です。

イギリスの片田舎の宿屋兼酒場にやってきた包帯づくめの不気味な男。やがて男の正体が透明人間だと知れるが、村中総出の大立ち回りの末、男に逃げられてしまう。男が次に現われたのは港町だった。そこで負傷させられた男は旧友の博士の家に偶然、逃げ込み、透明人間になった経緯を語るが、その言葉に表れる自分勝手さに、博士は彼を警察に引き渡すことを決意する。透明人間は一度は逃げおおせ、博士の裏切りを激しく憎むが、とうとう捕まり、殺されてしまうのだった。

透明人間って、大昔にテレビで見たような気がするのですが、服を脱いで、包帯をほどいていくとだんだん見えなくなるじゃないですか。つまり透明人間が透明人間でいるためには身体に何も身につけられないわけです。
そして透明人間は雪の中、裸でロンドンをうろつきまわり、犬に見つかったり(嗅覚が鋭いから)、足が濡れて足跡を残してしまい、子どもに見つけられたりしているわけです。

つまり、透明人間ってフリチンなわけですよw そう思ったら、実際にこんなのが目の前にいたら、わしも怪奇物は苦手なんで冷静でいられる自信はありませんが、何とも情けないなぁと思いました。しかも食べた物が胃で消化されるまで見えてしまうというんですから、グロい話だなぁとも思ったり。
しかも透明人間のやってることって小銭を盗んだの、人を殺したの、みみっちい犯罪ばかりです。もっとましなことを思いつかなかったのかと問い詰めたい。ほんと問い詰めたい。

拍手[0回]

カレンダー

01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

最新CM

(06/14)
無題(返信済)
(05/29)
(04/27)
甘くない態度(返信済)
(04/26)
謹賀新年(返信済)
(01/04)

プロフィール

HN:
たきがは
HP:
性別:
女性

バーコード

ブログ内検索

かうんたあ

脱原発意思表示Webステッカー

バタリーケージの卵を食べたくない!キャンペーン