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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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天冥の標Ⅴ 羊と猿と百掬の銀河

小川一水著。早川文庫刊。シリーズ物の第5部。

今作も前巻からあまり時代が離れていません。前々巻でノイジーラント大主教国と戦っていた海賊船は一掃されたことがさらっと語られます。今作は小惑星パラスで農業を営むタック=ヴァンディ(本名はタカカズ=バンダイ)と、ノルルスカインという今までの話にもちらちらと登場してきたダダーという2人(ノルルスカインは人ではありませんが)の主人公の話が交互に語られますが、時代は全然違います。タックが生きているのは24世紀、ノルルスカインは6000万年前と、ここに来て、話がでかくなります。

タックの話は重力の小さい小惑星で営む農業の厳しさや、一人娘のザリーカの反抗、地球からやってきたアニーと名乗る学者の女性とのやりとりなどが中心ですが、タックがごく身近な人にしか話していなかった自分とザリーカの秘密によって、終盤、ノイジーラント大主教国(アウレーリア一統ではありませんが)の登場と相成ります。
ノルルスカインの方はその生まれと、一風変わった生い立ちが語られ、どうやら第2部で地球全土をパンデミックに陥れた冥王斑の原因も宿敵であるミスチフらしく、ノルルスカインが何を求めて宇宙を彷徨っているのかが明かされます。たぶん。

前巻が悪かったけど、持ち直した感じです。

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天冥の標Ⅳ 機械じかけの子息たち

小川一水著。早川文庫刊。シリーズ物の第4部。

出来の悪いポルノを読んでいるようで、気分悪かったです。話の大半がセックスのシーンで、第1部に登場する生体機械ラバーズたちの出自の話なんですが、メインが救世軍(冥王斑ウィルスの保有者たち)のキリアンという少年と、彼をセックスで落としたいらしいアウローラとゲルトルッドの姉妹たちがレイプよろしくキリアンに仕掛けるセックスなので、おもしろくなかったです。アウローラとゲルトルッドという姉妹が第3部でアダムス=アウレーリアに助けられた宇宙船に住む姉妹の名前だったのは何かの伏線なんでしょうが。
第1部でラバーズたちのまとめ役だったラゴスが登場、かなり長生きですが壊されない限り死なないので、28世紀まで生き延びてるみたいですが、これも何か理由があるのでしょう。

時代的には第3部の数年後くらいで、時差がありません。第3部で登場のグレア=アイザワも出ますし。

ラバーズが、もともと色事のために作られたアンドロイドならぬプロトボット(蛋白機械)なので、比重がセックスに傾くのは自然な成り行きなのかもしれませんが、全般、いただけない話でした。

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天冥の標Ⅲ アウレーリア一統

小川一水著。早川文庫刊。シリーズ物の第3部。

前巻よりも時代が一気に進んで24世紀です。第1部「メニー・メニー・シープ」でも印象的な人物だったアウレーリア一族の祖先の話ですが、主人公格だった医者のセアキの祖先も登場で第1部と第2部をつなぎ始めます。

23世紀、木星の大赤斑で見つかった異星人の遺跡ドロテア・ワットは調査隊を全滅させて宇宙に消えた。それから1世紀、冥王斑の患者たち、つまり救世軍から、ノイジーラント大主教国の強襲砲艦エスレル号の艦長アダムス=アウレーリアは、伝説となったドロテア・ワットに繋がる報告書が奪われたので取り戻すよう依頼されるが、その裏には伝説の海賊エルゴゾーンの存在が見え隠れするのだった。

第1部のアクリラ=アウレーリアと似たような人物がアダムスです。美形で大胆不敵な艦長(第1部では船長)ですが、けっこう繰り返し美形を強調されるので食傷気味になりました。
セアキ(第3部では瀬秋と漢字も披露)は第2部の美人で強気な矢来華奈子の子孫だそうです。第1部のセアキとも違って、いい味出してました。
そして第2部のチカヤの子孫であるグレアと、クルメーロの子孫も登場、第2部のタイトルでありながら、最後まで明かされなかった救世軍が正式名称として流通していますが、伝染性の病を抱え続ける人たちなだけに息苦しい生活を強いられています。

宇宙戦艦同士の戦いが主流の今作ですが、第1部のアンチオックス(酸素いらず)が水中でも息をしないでいいのは良かったんですけど、宇宙空間でも宇宙服なしというのは、ちょっと疑問符がつきました。酸素がなくても呼吸できるのはいいんだけど、真空でも人間の身体って大丈夫なのかと… そういう点も含めて改造したのか? それで人間の外見を保てるものなのか? アンチオックスは以降も主要な役割を果たしそうなだけに、引っかかり始めると気になる…

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天冥の標Ⅱ 救世軍

小川一水著。早川文庫刊。シリーズ物の第2部。

天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ」の続きというか、シリーズ物なので時代が一気に現代に遡ります。そして、偶然なんでしょうが「鹿の王」に続いて病気の話です… 流行ってんのか?

21世紀初頭、謎の疫病発生との報せに国立感染研究所の児玉圭伍と矢来華奈子はミクロネシアの島国パラオへ向かう。圭伍たちの懸命な治療にもかかわらず、次々に息絶えていく患者たちに、感染源も不明なまま、世界的なパンデミックへと拡大していく。しかも数少ない生き残りの患者たちからも陽性反応が消えないまま、やがてコスタリカの島に感染者たちが隔離されると世界的に決定されてしまう。

ちょっと間が空いたので前回の話の細かいところをきれいに忘れていたら、けっこう伏線が張られていたことが判明。こういう話は一気に読まないと駄目ですね。

日本が主役なので妙に生々しい話でした。これが29世紀の第1部とどう繋がるのか、第7部まで一気に借りてきたので続きが楽しみです。そして忘れた第1部も読み直すべきか…

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火山島Ⅰ

金石範著。文藝春秋刊。全7巻。

済州島四・三事件を扱った大河小説。これもTLで流れてきた関連で読んでみようと思ったのでした。全7巻ぐらいならば「満洲国演義」より、ちょっと短いくらいだし。

1巻目はさわり。2人の主人公、南承之と李芳根のそれぞれの立場とか思惑とかが事件前夜の1948年3月辺りで語られます。

大変重い話です。日本の支配から解放された喜びもつかの間、解放軍として朝鮮半島に乗り込んできたのはアメリカとソ連の2大国でした。アメリカが南(済州島は南に含む)、ソ連が北を占領して、南ではアメリカが立てた李承晩政権によって単独選挙が行われようとしていました。それに反対する南朝鮮労働党が武装蜂起を決議、その一員である南承之は、かつては中学校教師でしたが、南労党に加わったことで地下組織に属しています。対する李芳根は日本の占領中にソウルの刑務所に入っていたことがあり、転向、政治活動に一切関わらないことを条件に釈放されましたが、我が物顔で済州島を歩き回る西北(反共テロ団体)に反感を覚えています。しかし、西北というのも元を正せば、日本の植民地だった時代に日本につくことで利益を得たような連中が解放後に成り代わったものだといいますから、日本の統治が朝鮮半島になした罪は広範囲に及び、済州島のような最南端の島にも影響を与え、人びとを苦しめているのでした。

武装蜂起の結末も、登場人物たちの未来もあらかた想像はついており、暗澹とした気持ちになることもあるのですが、日本がかつて犯した罪の1つとして、読まずにいられない小説だと思いました。

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