洪錫謨著。姜在彦訳注。平凡社東洋文庫刊。
片っ端から「朝鮮」と名のつくものを読んでる感じです。
タイトルどおり、朝鮮の歳時記を綴るものですが、うーん、こういうの、やっぱりある一定の階層以上に限られてたんだろうなぁと思いました。だって使ってる農産物にしても工芸品にしても富裕層じゃないと手に入らないんじゃないかと。なので時代的にはだいぶ異なりますし、何かと引き合いに出しちゃいますが、「
太白山脈」の小作農たちには無縁とは言わないまでも、ここまでの再現は難しかったんじゃないかと。
まぁ、それでも好きな外西宅(ウェソ・テク)が娘の頃に鳳仙花の花で爪を染めたというエピソードがありましたけど、それが載ってて、明礬を混ぜたとあったので、ただの花の汁じゃ定着しないよなぁと納得しました。
あと河大治(ハ=デチ)が小兵(160cm足らず)ながら相撲が強いという描写が何回かあって、相撲について書かれていたりしたのも興味深かったです。
そういや、何年か前に両親に送った智異山のお茶は、去年、飲んだそうですが、かなり美味かったそうです。ただ、「
火山島」とか読んでたら、両班の李芳根(イ=バングン)でも馴染みが薄かったみたいですが、あれは済州島という地理的な理由もあったのでしょうか。
そんな感じで、知ってる小説とかに引きつけて読むのはおもしろかったです。
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