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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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長崎の鐘

永井隆著。青空文庫刊。

「長崎の鐘」という歌がありまして、それの関連かと思ったら、長崎に原爆が落ちる前から落ちた後の原爆症についてまで書かれた随筆でした。

さすがに当事者だけあって原爆が落ちた時の様子が生々しいです。それ以上に詳しいのが原爆症についての記述でして、フクイチなんかでもかなり参考になるんじゃないかなぁと思いました。

笑っちゃったのが、被爆していながら、何しろ原子力が専門の方ですので原爆をアメリカがどうやって作ったんだと同僚と喧々諤々と論争を交わすところでした。

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ロザリオの鎖

永井隆著。青空文庫刊。

永井隆博士の随筆集ですかね。奥さんのことから原爆のこと、お子さんのこと、いろいろ様々です。

ただ、わしはどうしても映画の「この子を残して」で永井博士を演じた加藤剛さんvのイメージが強いので永井博士というと聖人君子な感じを抱いていたのですが、実際の永井隆博士はこんな方なんで全然キャラが違って、どっちかというと軍医と言った方が正しいんだろうなぁと思いまして、文章から受けるイメージもカトリックの軍医という、何かわし的には矛盾してそうな感じの方でした。
矛盾とか言っちゃうのは、永井博士はカトリック教徒なんで、神が絶対の存在としてあって、ダーウィンの進化論さえ否定してしまうほどなんですが、その一方で「天皇陛下」とか言っちゃうところもあって、そういうのが矛盾してると思ったのでした。天皇を崇めないで弾圧されたキリスト教徒の方もいたような気がしますし。わしの記憶違いかもしれませんが。

また、永井博士は長いことレントゲン科の医師でもあったので原子力へのイメージが大変前向きでして、これは時代もあるからしょうがないと思うんですが、原子力のいわゆる平和利用というのは嘘だということが今の時代、わかっております。どう逆立ちしても出てしまう放射性廃棄物を安全に処理することが人類にはいまだにできない。それがわかっています。そうとわかっているので、永井博士が「これからは原始時代だ」と言うのは無邪気だなぁと思ってしまいます。

そして、たぶん、これを聞いたら中沢啓二さんなど激怒するんだろうなぁとか思っちゃいましたが、原爆を神の御業として受け止め、長崎(博士にとっては天主堂のある浦上なんですが)に落ちたことで神が赦したという考え方は、第2次世界大戦の死者2000万人を思いますと、そうではないだろうと言いたくなるのです。まぁ、カトリックにとっては地上での生なんてのは天国での永遠の生へのつなぎにすぎんのだろうから、何千万人殺されようと「殺される者は幸いである」とか言ってそうですけど。

やっぱり、この方のカトリックの部分は受け入れられないなぁと思いました。

ただ、それでも、わしは霊魂を否定しませんし、神の存在を全面的に否定するほど唯物論に傾いてもおりません。ただ、自分の魂を誰か、神という存在でもいいですが、より上位の存在にお任せする気にはなりません。

スピッツの「潮騒ちゃん」にありますように

偉大ななんかがいるのなら
ひとまずほっといてくださいませんか
自力で古ぼけた船を
沖に出してみたいんです♪

の方がずっと共感できるのです。

でも、もともと唯物論者だったという永井博士がお母さんの死によって科学では説明しきれないものがあるのを知り、パスカルの「パンセ」によってカトリックとして目覚めたというのを読んだので、「パンセ」を読んでみようと思いました。

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赤いろうそくと人魚

小川未明著。青空文庫刊。

子どもの頃に読んだ童話があったので懐かしくなってダウンロードしました。

冒頭、人魚のお母さんが人間の世界に憧れを抱きますが、まず、そこで肩をたたいて引き留めなければ!と思いました。人間は決して優しくもないし、自分より弱いものをいじめないなんてことはない。もっと醜いものだと、これはそういう話だと思いました。ラスト、娘を香具師に売ったろうそく売りの老夫婦に人魚の母親とおぼしき女性が復讐します。そんなことをするぐらいなら、最初から人間に娘を預けなければよかったのになぁと思ったら、この話はどういう意図で書かれたのか、考え込んでしまいました。

人間の町が1つ滅んだとか、けっこう容赦ない落ちでした。

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夜明け前

島崎藤村著。青空文庫刊。

3ヶ月くらいかかって、だらだら読んでました。

馬籠の本陣に生まれた青山半蔵は、若くして国学者・平田篤胤の教えにのめり込んでいく。時は明治維新前、激動の時代が半蔵に覆い被さろうとしていた。

大変長い話でした。青空文庫でも全4ファイルという大作でスマホのページで3000ページ以上です。時間もかかりましたが、最後はけっこう一気にいけちゃいました。

わしも、こういう話を読む前の下準備というか勉強はしないので、どういう話かぐらいは知っていても、半蔵が傾倒する平田派というのがどういう主張をしているのかはまったく知りません。なので、読んでいるうちに天皇による祭政一致の政治というのが理想みたいな話で出てくると、もうどっちらけで、その理想も崩れ、それでも自分なりに追い求めようとしていった結果、だんだんと幻覚を見るようになっていくという展開は痛々しくはありましたが、まぁ、どうなんだろうという感じでした。

個人的には前半の馬籠本陣の様子、仕事などを事細かに書いた描写がおもしろかったです。

永井隆博士の著作も見つけたんで読んでみようと思いますが、この方はクリスチャンなので、また合わないこと請け合い(爆

追記:2014/11/21

平田派の考え方にわしがこうも否定的なのは、天皇制廃止主義というのもあるんですが、神社本庁で「首相の靖国神社公式参拝の推進」とか「天皇による神道政治の復活」とか読んで、もう、虫酸が走るほど神社が嫌いになったのもあるからなのでした。

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赤ひげ診療譚

山本周五郎著。新潮文庫刊。

赤ひげ」の原作です。

基本的な筋立ては一緒ですが、8本の短編による連作集なのと、映画では登の成長に大きな役割を果たしたおとよや、おとよに影響を与えた長次などの扱いが大きく異なります。ただ、赤ひげ先生の台詞なんかはけっこう原作まんまなところもありまして、読んでて三船のイメージが大きくダブりまして、良かったです。

映画では赤ひげや登を中心としたヒューマニズムがかなり強調されていて、感動大作になってましたが、原作では意外とあっさりめな感もありまして、そこら辺の印象も異なります。

読んでいたら、また映画が観たくなりました。こういう原作と映画のいい関係は、わしの知る限り、滅多にないと思うので、黒澤監督は山本周五郎さんに褒められたとおり、「原作よりいい」映画を撮ったのだなぁと思いました。

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