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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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フリーランチの時代

小川一水著。早川文庫刊。

「時砂の王」「老ヴォールの惑星」の小川一水さんの短編集です。

表題作「フリーランチの時代」は、人類のファーストコンタクトを軽妙なタッチで描いた一作。こんな時代が来たらいいねってSFです。しかし、エイリアンの「私は人類をたいらげたい」は、これで終わりだったのだろうか…?

「Slowlife in Starship」は新しいニートの小説。でも、ラスト、主人公はニートならぬ道を歩もうとする。ミヨのキャラクターがいいアクセントです。

「アルワラの潮の音」は、傑作「時砂の王」のスピンオフ短編。Oこと、オーヴィルという懐かしいキャラクターと新しいキャラクターであるアレクサンドルや、オーヴィルたちが救うことになる人類、プッサたちの交流と戦い。こうした戦いを経て、オーヴィルはあの時代にたどり着いたのだなぁと思うと、また「時砂の王」を読み返してみたくなり。

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わたしの童話

住井すゑ著。新潮文庫刊。

にあんちゃん」という映画についてぐぐっていたところ、「綴り方兄弟」という映画について、この本が引っかかりまして、早速、密林で買い求めた次第。しかし、何だな、密林で買うと1円でも送料340円って詐欺みたいな値段だから、もう買うのやめよう! メール便で送ってきて340円もふんだくるってありえねぇ!

で「わたしの童話」なのですが、童話を収めたのは半分で、後半分が住井さんへのインタビューで構成されています。わしが気になった部分はインタビューに掲載されたもので、「綴り方兄弟」の映画を、教え子と部落の子どもたちと見に行った時の話でした。
「綴り方兄弟」のラストで、次男坊が風邪をこじらせて肺炎にかかります。その時、部落の子どもたちが泣き出したというのです。なぜかと聞いたら、人はいつか死ぬものだから、死ぬのはしょうがない。けれど、次男坊の死は貧乏のためだ。貧乏のために医者にかかれない差別に殺されるのだ。それが悲しいと言うのでした。
このインタビューには、古今東西の童話がぶった切りで住井さんに批評されています。「桃太郎」は財宝のために鬼退治に行くのはひどいとか、王様とか女王様が出ている童話は大したことないとか。住井さんというと過去の人かと思いきや「風の谷のナウシカ」まで出てきたのにはびっくり。王様とか女王様なんてのは本来、何もしない人間なんだから、そういう連中を美化するのはおかしいということでした。

前半の童話については、おもしろいのもあるし、つまらないのも。「農村イソップ」は全体的に説教臭くていまいちでした。おもしろかったのは以下。

「折れた弓」一見、平凡だけど、射るとすごい弓、満月が、金丸という金持ちに手に入れられて、見栄えを良くするために彫刻を入れられたら、かえって弓が折れてしまい、金丸も傷つけられた、という落ちがおもしろいです。

「空になったかがみ」ラストの3行がいい。でも、今の時代を眺めていると、その100年はまだ来ない100年だと思う。

「たなばたさま」わしも、七夕の伝説は仕事をさぼった織り姫と彦星だと聞いていましたが、奴隷のために7月7日にしか会えないという伝説の方がよほど美しく、天気になれと願い甲斐もあると思います。

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黒旗水滸伝(下)

竹中労著。かわぐちかいじ画。皓星社刊。

やっと読み終わった下巻です。

下巻ではクライマックスとして、関東大震災と震災後の混乱の中で起きた大杉栄、伊藤野枝、橘宗一の虐殺と、難波大助によるヒロヒト暗殺、アナキストたちの末路が描かれます。

大杉栄の虐殺犯人については、一応、甘粕正彦(元満映社長。震災時は東京憲兵隊)という説がまかり通っていますが、作者はここに疑問を投げかけます。
またさらに、関東大震災という、戦争に勝るとも劣らない未曾有の混乱期に、多数の朝鮮人や主義者が虐殺された事件についても、単なる無辜の人びとであったとするのは逆に革命を志した人びとには不当な判断であろうと断じます。

そうした信念のもとに描かれるテロリストたちの末路は、悲壮なまでにはかなく、崇高ささえ感じます。信念に殉じた人びとの格好良さは、万人に受け入れられないものだと思うんですが、なんちゅうの、今は見られないから、愛しく、切ない。大杉栄しかり、和田久太郎しかり、村木源次郎しかり、その格好良さにわしはほれぼれしてしまうのでした。

この後、日本は治安維持法という稀代の悪法の成立をもって、戦争と自滅への時代に突入していくのですが、是非、そこまで描ききってほしかったなぁと思うのであります。

帯の宮崎学さんの言葉がまたいかす。

「竹中労にとっての転向とは、闘うことを放棄したかどうかであって、群れから離れるかどうかではない。見事なまでの歴史に対する自覚である」

肝に銘じて、また何度も読み直したい名著でありますよ。

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ガンダムウォーズIV ファイティングG

「Gガンダム」関連のムックで、まだ手に入れてなかったのだが、今川監督作のドモンがマスター・アジアに弟子入りした話が載っていると聞いたんで、速攻で買い求める!

モデルグラフィックスの別冊で、大半は「Gガンダム」のプラモデルをカスタマイズした写真とか方法が載っている。うーむ、プラモデルなど、生まれてこの方1つも完成させられたことのないわしには無縁の世界だ…

個人的にはデビルガンダム最終決戦編のネオジャパンコロニーに寄生したデビルガンダムが立体造形化されていたのは感涙物のできであった。いいなぁ、これ…

そして、肝心要の話は漫画原作用のシナリオメモという形で「ドモン出奔す」とあった。なるほど、ドモンが父の方針に反発して家出した、という話はここが出典であったのだな。その過程でマスター・アジアと出会ったというのも納得。そして、わしがこの説でいちばん納得できなかった、ドモンが父に反発して家出し、マスター・アジアに弟子入りしたのなら、第48話でカッシュ博士にあんなに親しげに声をかけるわけないじゃん!という点においては、どうやらこの展開だとドモンは一度、家に帰り、マスターに弟子入りしたいと表明したと思われ(話はその前で終わってる)るので、これはこれで良かったんじゃないかと思いました。

裏表紙のキング・オブ・ハート(最終話でドモンとレインの石破ラブラブ天驚拳から飛び出したおっさん)が立体のレリーフになっていて、うちの玄関にほしいなぁと思ったv

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黒旗水滸伝(上)

竹中労著。かわぐちかいじ画。皓星社刊。

大正地獄篇とタイトルにあるように、上下巻で大正アナキズムの世界を描きます。
もうね〜、たきがはみたいな薄学の奴にはおっつけないような情報がてんこもりで、わからないところも多いんですよ。この本を読むにあたっての基礎知識が根本から欠けてるっていうの、足りないところが多すぎるっていうの、って感じで。
でも、その史観がおもしろくて、なにしろ大杉栄を初めとするアナキストたちが格好いいもんで、何回も読み直してるんですわ。凡百の歴史書じゃ読めないような黒歴史な部分だと思うしね。わし、心情的にはアナキストなもんですから、アナキスト扱う本は読みたいってのもあるんですけど。大杉栄の全集も欲しいと思ってるんだけど、前に神田で見つけた時には目ん玉飛び出るような高さ(10万円ぐらいだったかと…)だったもんで手が出なかったんですよ。

読んで、また勉強しなくちゃと思います。何ができるというわけでもありませんが。

わしが政治家に清廉潔白を求めなくなったのは、この本の影響かもしれません。

「下巻」のレビューはこちら

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