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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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ゴッドファーザーの息子

手塚治虫著。集英社文庫刊。手塚治虫名作集1。

手塚治虫の自伝っぽい短編を集めた一冊。ほかに座敷童との交流を描いた「いないいないばあ」と、なぜか歴史物、安倍晴明の母親が狐だった、という伝説に題材を取った「悪右衛門」を収録。

「紙の砦」という話が特におもしろかったです。空襲警報が発令され、爆弾が落ちてきても、逆に誰もいなくなった工場でのびのびと漫画を描く主人公は、そのまま手塚先生の姿でしょうか。ふとしたことから気があった少女、京子と仲良くなるも、彼女は空襲のために顔に大けがを負い、日本が負けて「これで漫画が描ける」と喜んだ主人公のようには喜べなかった、というラストが物悲しい。

「悪右衛門」も、安倍晴明誕生までの逸話がおもしろかったです。

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妙なる技の乙女たち

小川一水著。ポプラ社刊。

人類が静止軌道まで延びるエレベータを開発した近未来。エレベータのあるインドネシアの赤道直下の島リンガで暮らす、日本人女性の活躍を描く、短編集。

工業デザイナーの歩(すすむ)、海上タクシーの船長・水央(みずお)、不動産業者の香奈江、保育士の麻子、エレベータのアテンダント麦穂、彫刻家の里径(さとみ)、宇宙に初の農場を築いた美旗(みき)の7人が主人公で、それぞれの話につながりはほとんどないです。香奈江の話だけちょっと長いですが、全体的にさくさく読める話です。しかし、さくさくといっても、それぞれの技に秀でた女性たちが未来都市ともいえるリンガで起こる小さな事件から、大きな事件に遭遇し、解決するあたりはなかなか小気味よいのでした。

第3話の「楽園の島、売ります」が好きですが、ほかの話もなにげないSFっていうところがおもしろかったです。

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エジプトミイラの話

ミルドレッド・マスティン・ペイス著。清水雄次郎訳。弥呂久刊。

たきがはの好きなミイラの本です。ミイラの解包(包帯を解いて、中の遺体を暴く)とか、エジプト以外のミイラの話、エックス線でわかったことなどが前に読んだ本と違い、例によってすらすらと読みました。うーむ、何でこんなにおもしろいのだ、ミイラ。

メキシコのグアナフアトという町には自然に土葬された人もミイラ化してしまうため、ミイラ博物館というのがあるそうです。しかし、ネットで探してみたら、ミイラに服を着せたりやりたい放題らしいので、いくらミイラ好きでもそれはどうかと思う〜 自分のご先祖が客寄せパンダにされるのは気にしないのか、メキシコ人。

ミイラというとエジプトという感覚はもう古く、世界中にミイラがあります。日本にも藤原四代のミイラあるし。去年、中尊寺金色堂に行った時に見たかったのですが、見られなかったんだよなぁ。あれは公開してないんでしょうかねぇ? → 非公開だそうです。

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コキーユ

山本おさむ著。小学館文庫刊。

「我が指のオーケストラ」「どんぐりの家」「遙かなる甲子園」など傑作漫画を描かれた山本おさむさんの中編。

20年ぶりで中学の同窓会に出席した浦山は同級生の早瀬直子と再会し、中学卒業式当日に彼女が打ち明けたことを知らされるが、浦山には聞こえていなかった。20年ぶりの再会に接近し合う2人。だが、浦山はじきに小樽へ転勤することが決まっていた。

中学の卒業式で思いを打ち明けたはずなのに、相手には聞こえていないまま20年が経過してしまった男女の大人の恋物語。それにしても浦山くん、聞こえなかったのなら、聞き返そうよ (´・ω・`)ショボーン それだけで2人のその後は大きく変わったはずなのだが。と突っ込みを入れるのも野暮になりそうなきれいな話です。映画化もしたらしいんですが、とんと聞いた記憶がないなぁ。
で、例によってネットで探してみたら、小林薫さん、風吹ジュンさん主演でした。どうやら、原作と違って、早瀬直子が主人公のようです。

タイトルの「コキーユ」はジャン=コクトーの詩の一節「私の耳は貝の殻 海の響きを懐かしむ」から取られています。作中でも、クラスのお別れ会で浦山からのプレゼント(プレゼント自体は全員で廻し合っているので誰のがもらえるかはわからないことになってますが)となってました。

ラスト、早瀬は亡くなり、浦山に美しい思い出を残します。これは、同窓会のたびにアバンチュールを2人が楽しまぬよう、みたいなことか?

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天涯の砦

小川一水著。早川書房刊。

時砂の王」「老ヴォールの惑星」「フリーランチの時代」などの小川一水さんの著書です。

時は未来。人類が月に基地を構え、惑星開発に乗り出した時代。地球と月を中継する軌道ステーション望天で起こった事故に巻き込まれた10名と犬1匹の、無事に帰還するまでの物語。

登場人物は皆、どこかで挫折していたり、一癖も二癖もあるような人びとだったりして、英雄のような存在はいません。これがハリウッド映画だと、二ノ瀬か久我山あたりが英雄になってそうですし、門前にいたっては凶悪なテロリストとかになりそうですが、ごく普通の人たちが、自分たちの持っている知識を出しあい、できることをして、望天の一部となってしまったピザ状の形をした区画と、そこにたまたま接岸していたために大きな役割を果たす、宇宙船との中で右往左往しつつ、頑張る話です。

表紙がその事故当時の望天と宇宙船わかたけの強制ドッキングの図になっていて、想像力がふくらませやすかったり、巧みに語られる未来予想図に、二ノ瀬たちがどうなるのか、はらはらしながら、一気に読み進んでしまいました。本読んで夜更かしなんて、何年ぶりだよ…

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