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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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吉村昭自選作品集 第一五巻

ずっと前に「休暇」という映画を見まして、その原作をずーっと読みたかったのですよ。で、松本清張まいぶーむを一時中断しまして、「休暇」の入っている全集を借りてきたわけです。

たきがは、映画の「休暇」で何が好きかって以下のポイントであります。

・主演が小林薫さん! 重要、これすごく重要。
・死刑執行において、死刑囚の身体を支える支え役になることで有給休暇1週間を得た主人公が新婚旅行に出かける。
・死刑囚・金田と主人公である刑務官との心の交流が描かれることで、「死刑存続」を叫ぶ今の時代に一石を投じるのではないか。

という当たりです。しかし、原作の方、映画に比べると話が淡々としすぎちゃって、二番目と三番目のポイントが薄いのさ。よくふくらませたな〜 そう言えば、「駅馬車(監督:ジョン=フォード、主演:ジョン=ウェイン)」も、原作がむっちゃ淡泊で、よくこんな駄作からあんな傑作が!とはうちのままの弁であります。まぁ、映画を見たら原作は読むなってことだ。

「水の葬列」が、落ち武者の部落がダムで水没することになった時、その作業に従事する妻を殺した男が見た部落の様子がなんちゅうか、乾ききっていると申しますか、諦めきっているといいますか、その雰囲気が良かった。

あとは「メロンと鳩」「鳳仙花」という二本の短編がやっぱり死刑囚に関係する人たちを逆の立場から描いたともいえるような話で、「休暇」と併せて興味深かった。

それ以外の短編は、うーん、わし、こういう、現代の日常を描いた小説ってあんまり読まないもんで、え、そんなおち?みたいな感想や、こういうネタが話になるのか〜な目から鱗だったりいたしました。

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インカに眠る氷の少女

ヨハン=ラインハルト著。畔上司訳。二見書房刊。

5000年前の男」という本と似たような内容です。たきがはの好きなミイラものです。ただ、「5000年前の男」では見つかった男性のミイラは自然死だったのですが、こちらは人為的な死、かつて中南米に栄えたインカ帝国が行った人身供儀、つまり生贄ですから、事情はまったく異なります。

インカ帝国という国は、ローマ帝国なみの規模をもって、あの高山地帯に隅々まで行き届いた道路なども造ったかなり発達したところでした。その中で行われたのが6000メートル級以上の山に捧げた人身供儀だったわけです。その理由は様々で、天変地異とかを収めるためというのもあって、インカの生贄に特徴的なのは、10代までの子どもたちが対象になったということでしょう。

タイトルにもなった「氷の少女」というのは、長年、この地で高山に登り、遺跡を発掘してきたアメリカの高地考古学者の著者が、以後、ペルーやアルゼンチンで何体ものそうした人身供儀となった子どもたちのミイラを見つけるきっかけともなった少女のことを指します。なんでもフジモリ大統領時代のことで、日本にも来たそうなんですが、記憶にないなぁ。これだけミイラミイラと騒いでいるわりに、見に行ってないとは…

こういうちょっと変わった歴史物が好きな向きにはたまらん1冊です。

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彩り河

松本清張著。

昼休みにだらだら読んで、やっと読了。

ええと、清張全集なので、小冊子がついてくるんですよ。で、それを先に読んだら、この話、真田広之さん主演で映画になったそうで。で、その主役のジョーがいつになったら活躍するのかと思って楽しみにしていたら、いつまでも脇役で、全然アウト・オブ・眼中だった初老のおっさんと中年のおっさんが狂言廻しやってて、しかも推理小説のはずなのに、人が殺されたの、180ページも読み進んでからで、しかも中年のおっさんが途中で殺されたもんだから、また初老のおっさんに狂言廻しが移って、その描写が同じことの繰り返しなもんでくどくて、飽きました。でも、最後まで頑張って読みました。たきがは、どんなにぶん投げたい小説でも最後まで読む主義なんですよ。例:「ノルウェイの森」

いや〜、社会派推理小説としては、どっかで見たようなステレオタイプの悪役と、どっかで聞いたような復讐譚って感じだったのですが、それだけ清張さんの小説が先駆的だったってことなんだなと思いました。そういう意味では古典だなと。

でも、推理小説としては冗長な展開と描写で飽きた。「眼の壁」でも似たような展開だったけど、途中で何度もぶん投げたくなりました。傑作とは言いがたいお。

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ゼロの焦点

松本清張著。松本清張セレクション3。中央公論社刊。

そう言えば、最近、映画にもなったな〜と思いながら読みました。そのせいでヒロイン禎子の顔がずーっと広末だった。で、予告編だけ見たので、中谷美紀が出ていたのは見たんだけど、あれは室田佐知子だったのだなと後で気づきました。旦那役は誰だったかな〜?

その前の「松本清張傑作総集」がえらく長くかかってしまったもので、当然、返却期限までには読み終わらず、最後はうちで一気読み。ちゅうか、昼休みの楽しみに本を読むというのはもっと薄い本でないと限界があるようです…

新婚1ヶ月で夫・鵜原憲一が行方不明になってしまった。新妻・禎子は夫の行方を捜して金沢まで訪れるが、夫の兄も殺されてしまう…。

実直に1つ1つの人物・事件にあたり、事実を積み重ねていく、というのが松本清張氏の推理物の特徴なのだな〜と思いました。「砂の器」しかり「点と線」しかり。まぁ、わしは全然おもしろくなかったのですが、「眼の壁」もそうだったし。で、「砂の器」や「点と線」では刑事がその役目を担い、真犯人に近づいていくのがリアルなのですが、「眼の壁」では素人が回り道しながら、という流れがつまらなくて、この「ゼロの焦点」でも、ど素人の禎子が近づいていくというパターンを踏襲しておるわけですが… うーむ、警察って何、やってんの? 途中から、夫の元同僚の本多くんが素人探偵みたいな感じになって、禎子と一緒にいろいろ突き止めていくんだけど… あ、彼が核心に近づいたのは、わざとかぁ。

どうも、ずーっと禎子視線で語られていたのですが、広末が始終ちらついていたのが良くないです。あと、清張氏の女性キャラがワンパターンな気がして、それもいまいち、おもしろくありませんでした。好みの問題ってやつかもしれませんが… 単にたきがはがおっさん好きなだけかもしれませんが… そうか! 「眼の壁」では狂言廻しの竜雄が若造ってのが嫌だったのか、俺?!

松本清張傑作総集」よりずっと軽くて読みやすかったので、これからはこっちのシリーズを借りよう、そうしよう。

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松本清張傑作総集1

新潮社刊。

松本清張氏の作を読破しよう!と思い立って、まず移動図書館で「けものみち」と短編集を借りました。で、次に借りたのが「砂の器」とこれ。

くそ重てぇ。何を好きこのんで、厚さ5cm以上もある本を持ち歩いているのだ、俺よ?

だって〜、「点と線(たきがはが「オウガ Stage 6」に借用したタイトルでありますが、イメージ的には日中戦争時の日本軍です)」読みたかったんだも〜ん。でも、軽そうな文庫とか新書は全部借り出されていたんだも〜ん。

図らずも、デビュー作「西郷札」から初期の短編も読むことができましたが、いちばんおもしろかったのは「点と線」で、特に推理物じゃない小説はどーでも良かったです、ぶっちゃけ。特にですね、「或る『小倉日記』伝」「菊枕」「断碑」の3作はほとんどネタが一緒で、飽きました(才能はあるのに、貧乏だったり、身体が不自由だったりする主人公が、才能を発揮しようとして、周囲の迷惑顧みずに頑張っちゃうような話、と言うと身も蓋もない)。あと、最後に掲載された長編「眼の壁」も冗長な展開で飽き飽きしました(素人が探偵ごっこをやるのだが、随所に素人の限界が見え、実際に示唆され、視点もあっちこっちに飛んで、落ち着かない)。

「点と線」やはり、これがいちばんおもしろかったです。4分間の東京駅のトリックと、犯人のアリバイ崩しにこつこつと推理して、事実を積み重ねていく刑事、というのが松本清張氏の黄金パターンと見た。こういうのを読んでしまうと、「眼の壁」の素人探偵は行き当たりばったりというか、おもしろくない。今の時代のわしだと、どうして飛行機という発想がなかなか出てこないのか不思議でしたが、この小説が発表された当時は贅沢なものでしたな。

「くるま宿」くるま引きの辰さんが見せる意外な顔、という展開が、ちょっと山本周五郎さんの人情物っぽいような…(そうか?) くるま引きのおじさんが実は凄腕の侍だった、という展開は、一歩間違うとすごくチープな気がする。

「いびき」いびきのすご〜い男が島流しにあって…という話。ユーモアの方が強いか。

「凶器」好色なおっさんが殺されて、常々言い寄られていた未亡人に疑いがかかるが、凶器はどこに? あっと驚く凶器の始末、この勝負、犯人の勝ち〜

次はもっと軽い本を借りよう。そうしよう。

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