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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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フランケンシュタイン

メアリー=シェリー著。宍戸儀一訳。青空文庫刊。

久しぶりに読書。

ゴシックホラーの古典として名高い「フランケンシュタイン」を読みましたが、頭の中のイメージは先日観た「鉄人28号」のモンスター(リンク先は登場話のレビュー)です。あと、世の「フランケンシュタイン」と名のつく映画の怪物さんを想定して読んでいたため、中盤、フランケンシュタイン博士(怪物の生みの親)の語りになって、怪物さんが登場してしゃべり出した時はひっくり返りました。

いや〜 「鉄人28号」のモンスターもそうだったんですが、「フランケンシュタイン」って基本、しゃべれないじゃないですか〜! それが自力でしゃべり、知性を身につけ、感情を持つに至ったことを告白しているのを読んだら、どうにもフランケンシュタイン博士に同情できなくなりまして、その醜さと死体を使った(らしい。フランケンシュタイン博士が詳細を伏せているため)という生まれの不浄さを理由に生みの親からも世間からも、ひたすら嫌われ、憎まれ、徹底して排除される怪物さんにいたく同情しちゃいました。

あれほど愛しいと思っていた人間たちにも受け入れられず、でも、自分と同じ生まれの伴侶を作ってくれれば、人のいない南米のジャングルにでも行って、2人きりで生きていこうという提案を、途中までやりかけて迷った挙げ句に断られたのを見ると、そこまで冷たくせんでも…と思いました。確かに怪物さんはフランケンシュタイン憎さで弟を殺した張本人でもありますが、その知性は人間に勝るとも劣らぬもので、わかりあえるものではなかったのかと思ったり。

最後、全てを語り終えたフランケンシュタインは衰弱死してしまいます。復讐を成し遂げた怪物さんが北極の方に消える。何とも後味の悪い読後でした。

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ブラック・ラグーン

広江礼威著。既刊10巻。サンデーDXコミックス刊。

船戸与一さんが確か1巻の帯に推薦の言葉みたいなのを書いていたので前から気になっておりまして、きっかけがあったんで読んでみました。

日本の商社に勤める岡島緑郎はタイに出張の際、ブラック・ラグーンと名乗る運び屋に会社の機密ディスクとともに誘拐されてしまう。ブラック・ラグーンはディスクと緑郎の身柄と引き換えに身代金を請求するが、会社はディスクの秘密を守るため、緑郎ともども闇に葬ることを決める。直属の上司からそのことを伝えられた緑郎は、ブラック・ラグーンの乗組員、リーダーのダッチ、ガンマンのレヴィ、ブラック・ラグーン号を運転するダニーとともに会社が雇った傭兵部隊を撃退、そのままラグーン号の見習い水夫としてタイに残る決意をするのだった。

というのが第1話の粗筋なんですが、まぁ、後はブラック・ラグーン号と、彼らが根城にするタイの架空の港町に居座るロシアン・マフィアや香港系のマフィア、イタリア・マフィアや教会など、多彩な、ただし、みんな、基本的に暴力的な登場人物が入り乱れてのガンアクションという感じの話です。

わしは第6巻まで読みまして、飽きてきたんで止めました。やっぱり、完結していない漫画というのは読んでも、いまいちです。でも、この漫画、完結って、どこでもいいと思いました。作中の登場人物たちもあんまり変わりません。主人公の緑郎ことロックとレヴィは、作者の意向だといずれカップルになるようですが、第1話から第51話(最終話)までかけて、やっとヒロインに告白したどっかの大河ドラマの主人公のような進展っぷりです。褒めてません。

で最近、漫画評論家で原作者の竹熊健太郎さんのまとめ、「プロットが作れない漫画家志望の学生たち」みたいなのを読んでまして、その、終わることのない長編漫画、という枠に、この漫画も入っちゃってるんじゃないかなぁと思いました。

作者の中では最終回というのは決まっていて、そこまでの流れがあるのかもしれないんですが、主人公のレヴィをして、超凄腕のガンマンという設定で、それ以外にも超人がぞろぞろ出てきて、第6巻で終わった日本編(舞台は基本、海外、東南アジアが多い)でも弾丸を白刃で切っちゃうやーさんが登場しまして、やっぱりレヴィが勝つんだよねというお約束の展開に、いくら激しいアクションでも、第1巻から登場しているメイン・キャラクター(ラグーン商会の4人に、ロシアン・マフィア、香港マフィア、教会に、さらにだんだん増えつつある)が誰一人として死なない状況に、飽きてしまったのでした。まぁ、レヴィはヒロインだし、いずれロックと結ばれるという予想は立ちますが、ロアナプラ(という名の町が根城)に巣くう連中がことごとく生き延びるというのは、どうにも… 毎回、血で血を洗うような暴力描写なのに、ぬるい展開でして、いまいちでした。
で、そういう展開の遅さとか、ぬるさも、昨今の長編漫画にはありがちな感じもしてますんで、そんなことを思った次第。

船戸さんの「満州国演義」の7巻と8巻が出ているそうなんで読まねば!

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マリヤの賛歌

城田すず子著。かにた出版部刊。

ある日(2013年10月頃)、twitterで流れてきたTLを追っていったら、日本人の従軍慰安婦もいて、その方の手記だというので興味を覚えました。

わしは同じ女性として、従軍慰安婦という世界でも稀な制度を大変恥ずかしいと思っており、そんなことを考え出した人間に強い怒りを感じているので「ナヌムの家」三部作を見たりして、私的に調べたりしてるんですが、日本人の慰安婦もいるだろうなと心の隅で知っていたにもかかわらず、そういう方の手記を読んだことはなかったので、興味を覚えたのでした。

しかし、例によって密林に飛んだんですが、すでに絶版、手に入れるにはどうも発行元のかにた婦人の村というところにアクセスするしか方法はなさそうですんで、さくっと検索、出てきたのは館山に拠点を置く、NPO法人でした。わしはそこであちこちをクリックしまくり、たぶん、ここがその出版元だろうと思って、問い合わせのメールを送りました。

すると、返事には「当NPOは出版元ではない」とあり、かにた婦人の村が別物だとわかりました。さらにサイトをあれこれ調べていくと、従軍慰安婦の慰霊碑が、そのかにた婦人の村にあることがわかりましたが、一般向けに解放された観光地というわけではないので、個人で見学はできないとあります。ダメ元で電話してみたら、やっぱり、一応NPOを通してと言われちゃったので、NPOに電話します。

そのNPOが案内役として、かにた婦人の村も入れた戦跡コースをやっているのですが、基本、団体向けなので個人の案内はできず、まぁ、わしも素性を明かさずに電話していたのが悪かったんですが、ちょうど橋下の「慰安婦発言」騒動の直後だったもんで、いろいろと警戒されちゃいまして、どっかの団体を案内するのに合わせるなら連れていってもいいとまでは言ってもらいましたが、わしは基本、震災以来、千葉には寄りたくない人なんで、そんな館山の戦跡とか見て、長居する気はないのです。

で、またしても、かにた婦人の村にアタック、NPOに話はしたこと、団体と一緒ならいいと言われたこと、私的に従軍慰安婦に興味を持っていて慰霊碑にお参りをさせてもらいたいだけなことなどを告げて、10分ぐらいの来訪ならば、と許しをもらって、それっと館山に行ってきたのでした。ついでに海ほたるができて以来、利用者が減っているというフェリーを利用してきましたが、不便すぎて、二度と使わないと思います。というか、最後の最後で案内を放棄するな! ヽ(`Д´)ノ Uターンする羽目になったやろ! あんな不便な乗り物、二度と使わんわ! ヽ(`Д´)ノ と思ったけど、帰り、スマホがいじりたくて、またフェリーに乗ったのはここだけの話です…

フェリー乗り場から館山市までがけっこうありまして、例によって県別のまっぷるを買って、その地図を見ながら、どんと行けという感じで行ったんですけど、せっかく慰霊碑に行くんで、お花ぐらい買っていったら、わし、敵対した気持ちで来たんじゃないんですよ、って伝わるかなぁと思って、お花屋を探しながら走っていたら、こっちの方がえらい苦労しまして… 結局、農協系列の直売所でやっと見つけて、きれいそうな花束を2つ買って、なんだかんだと言っても、なんとかたどり着いたのでした。我ながら、相変わらず電突状態でぐだぐだなんですが…

何とか、かにた婦人の村に着きまして、駐車場がわからなくて、登りかけたら、オプ子ちゃんでもやばいよって幅の道路になったんで、慌てて下にバックして、何とか受付のシスターっぽい人に会って、挨拶して、慰霊碑にお参りして、帰ってきてから、この本を買って、ちょうどその時、暑かったもので南三陸で買ったボランティアシャツを着ておりましたら、「あなた、ボランティアに行ったの?」「はぁ、三度ばかり…」という話をしつつ、わしが今まで、従軍慰安婦にどういう経緯で興味を持ったのかという話もして、帰ってきたわけなのでした。

で、読み始めて思ったのは、金銭による縛りがあるとはいえ、基本、生まれ故郷から引き離された主に朝鮮の方々とは事情が違いすぎるなということでした。わしもこの本に書かれたことが全てだとは思いませんし、むしろ、酷いことの方が書かれていないのではないかとも思いますが、少なくとも著者の城田さんは自分の意志(環境に流されたり、立場上、行かざるを得なかったようなところもありますが)で行く場所を選んでいる。文面どおりに受け取るのならば、相手さえ選べるような状況にあった。この違いは大きいと思いました。

あと、わし的におもしろくなかったのは後半がキリスト教に入信し、その信者として生きる姿です。まぁ、かにた婦人の村というのはそういう施設なので宗教がらみになるのは仕方がないのですが、何というか、城田さんは教会にとって格好の宣伝材料だったんじゃないか、ということが、まぁ、本人も納得しているんでいいとは思うんですけど、苦しい時でも神も仏も拝まん主義のわしには気に入らなかったんだよという… そっちのが重要なんでしょうけどね。

一読の価値はあるし、従軍慰安婦の実態を知るのにいい本だと思いますが、他の国の慰安婦にされた方々と日本人の方々を同列に語るわけにはいかないなとも思いました。

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愛のアランフェス

槇村さとる著。全7巻。マーガレットコミックス。

フィギュアスケートの大会で衝撃的なデビューを果たした森山亜季実。男子のフィギュアスケーター黒川貢と運命の出会いを果たした亜季実は、やがて黒川と組んでペアスケーターとなり、フィギュアスケートの道を進んでいく。「アランフェス協奏曲」に乗せて送る、ラブストーリー。

わしが読むジャンルとしては珍しい部類に入る漫画です。ばりばりの少女漫画ですけぇ。ただ、わしもやったことのあるフィギュアスケートが題材だったもので手にとってみまして、「アランフェス協奏曲」に興味を覚えたので聞いてみたら、これがめっちゃ好み。特に第2楽章、まさにこの漫画のタイトルまんまに「愛のアランフェス」と呼ばれる哀調を帯びたメロディーが大好物だったのでした。ただ、わしのフィギュアは残念ながら才能に恵まれなかったため、フィギュア特有のひらひらスカートを着られるレベルの級になる前に引っ越しでスケート教室に通うことができなくなり、呆気なく終わったのでした。まぁ、そのおかげで運動音痴のわしですが、スケートだけは唯一、他人よりましに滑れるレベルにはなってますけど。

この漫画は珍しくキャラ燃えしておらず、特に誰が好き!っていうのはないんですが、読み直したら親父ほいほいなわしには沢田会長と森山パパの友情が泣けた! 亜季実の先輩で黒川の親友・筒美のお母さんの話にも泣けた!

フィギュアスケートがまだ今のようにジャンプが全盛じゃなかった時代の漫画です。わしは、今のジャンプ全盛の時代は嫌いなのです。

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スター・レッド

萩尾望都著。全3巻。フラワーコミックス。

故郷・火星に強い望郷の念を抱く白い髪、赤い眼の超能力者・星が異星人エルグと出会ったことで起きた冒険と、火星が失われるに至る経緯をスケール大きく描いたSF漫画。

わしの赤好きの原点とも言える、傑作少女漫画です。

実は何かの機会で、この漫画の連載第1回のカラーページを見たことがあり、その赤遣いに惚れたものの、週刊少女コミックはなかなか読む機会がなくて、実際に実物を読んだのはずいぶん後のことではなかったかと思います。

久しぶりに寄った茅ヶ崎駅前の古本屋で全巻セットで売ってたもんで、「愛のアランフェス」「この世界の片隅に」と一緒に購入。こんなに漫画を読んだのも、えらい久しぶりのことでした。

萩尾さんらしいスケールの大きさも好きなんですけど、なんと言っても主人公・星のキャラが魅力的。強いんだけど、どこかもろいところがある女の子というのは「スケバン刑事」サキの魅力にも通じるところがあります。

一時期、萩尾さんのSFが好きで「銀の三角」とか「A-A'」とか全集の買ってたんですけど、蔵書を整理した時に手放しちゃったのでした。もったいないことをしたものです。

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