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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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津軽

青空文庫。

iOS6にアップデートしたら、いままで使っていた「青空文庫を読む」というアプリが使えなくなり、別のアプリをダウンロードして、続きを読みました。
個人的には前のアプリの巻物のように横長になっていて(どっちも縦書き)、読んだ行までずるずるとドラッグしていく方が読みやすかったんですが、元がただのアプリだからアップデートはしてくれなさそうです (´・ω・`)

太宰治が戦時中に自分の故郷、津軽半島一帯を旅するという半分エッセイのような旅行記です。まぁ、何をやっていると言って、旧友を訪ねて、ひたすら酒をかっくらいつつ、津軽の歴史や風土を紹介しているのですが、ところどころに「軍事機密」なるものが顔を出すのが時代を感じさせます。

山場はやはり、育ての親(とは言うが、太宰が2歳の時に14歳で来たので子守と言った方がいいような…)タケを探して小泊を歩き回るところでしょうか。紆余曲折はあったものの、タケに30年ぶりで再会した太宰は、生みの母からは決して得られなかったという無条件の安堵を得て、「親孝行は当然の気持ちだ」といった感想を抱きます。そして、地主の子でありながら、タケのような使用人たちと自分は同類なのだと太宰らしい日陰者のような感想を抱いたところで幕。

ところどころに風土記とか古典が原文のままで入り(「右大臣実朝」も「吾妻鏡」がまるっと入ったように)、こういう引用の仕方は太宰の特長なのかもしれません。読みづらくて辟易しましたが (´・ω・`)

ただ、好きだから悪口も言う故郷への万感の思いを綴ったこの作品、太宰のなかでは好きな1作だったりします。

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パパ・ママ・バイバイ

早乙女勝元・鈴木たくま著。日本図書センター刊。

1977年9月27日に米軍厚木基地のファントムが神奈川県横浜市緑区に墜落、多くの犠牲者を出した事件のなかで、3歳と1歳の男の子の死にスポットを当てた絵本です。タイトルの「パパ・ママ・バイバイ」は、3歳の男の子の最後の言葉で、1歳の子は「ポッポッポ」と鳩ぽっぽを唄ったのが最後だったとか。

横浜市緑区(現在の青葉区)の米軍機墜落事件(事件について詳細がわかるページ)

酷い火傷のために亡くなった子どもたちの姿も涙なしには読めないのですが、それ以上に悲惨なのが2人のお母さんです。全身の皮膚の8割を火傷で失ってしまいましたが、通常、人間は半分を失うと命が危ないと言われているのです。皮膚がないとすぐに化膿してしまうので、それを防ぐために薬液浴と行われていましたが、激痛を伴うものです。さらに新聞で呼びかけてまでの皮膚移植を行いましたが、お母さんには2人のお子さんが死んだことは告げられず、別の病院で頑張って治療しているからという言葉を支えにお母さんは治療に耐え、とうとう退院できるまでになったのです。

絵本はここまで。

しかし、事故の直後、現場に飛んだ海上自衛隊のヘリは、ファントムを早々に見捨てて無事に脱出した米軍兵士を助けただけで住民は見捨てた上、2人のお子さんを失ったことを知ったお母さんが事件の経緯を知るにつれ、抗議を訴えるにつれ、とうとう国はお母さんを精神病患者にして、精神病院に閉じ込めてしまったとか。
お母さんが亡くなったのは事件の4年4ヶ月後のことでした。

痛かったろう。苦しかったろう。悔しかったろう。どんな言葉を手向けても決して報われることのないお母さんの思い。

わしは去年ぐらいまでこの事故のことをまったく知らなかったのですが、それでも米軍基地が必要と言えるのか?!という思いで、絵本を借りてきて、家族に読ませました。

事故を起こしたアメリカ軍はもとより、日本の軍隊である自衛隊さえ被害者を助けようとしなかった現実。それは決して見逃していいものではないし、日本全国、どこにも基地は要らないことの何よりの証拠だと思うのです。

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正義と微笑

青空文庫。

まだまだ太宰。

芹川進という俳優志望の若者の日記という体裁を取って、16〜18歳の成長と心の揺れ動くさまを綴った。

最初は著者自身のことかと思って読み始めたら、「芹川進」という名前が登場、完全な創作だとわかります。
なんとも初々しい感性の持ち主の少年で、ある時は中学校(旧制)のくだらなさに憤り、ある時は結婚する姉の身を案じ、昨日書いたことが翌日になると一変したり、何とも真っ直ぐな少年時代だなぁと思いました。
お兄さんも大学を中退して小説家を志していたり、母親が病気で寝ていて、父親も亡いのに誰も働かないで生活が成り立っているところはかなり恵まれた家庭のようです。書生(誰の?)やお手伝いさん、看護婦さんもいるので、「斜陽」のうちよりもっと豊かな感じ。
紆余曲折はあったものの、念願の俳優になるため、劇団に入ると、一転して日記が減り、最後はラジオで朗読なんかも任されちゃって、練習生とはいえ、なかなか芸達者の模様。
どっちかというと挫折したり、敗北者だったりする人物が主人公の印象が強いので、「走れメロス」に近い時期の、若い太宰なのかなぁと思いましたよ。

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新ハムレット

青空文庫。

まだまだ太宰。

シェイクスピアの有名な悲劇「ハムレット」を、太宰流に解釈するとこうなるとでもいった感じ。

なにしろ登場人物がやたらによくしゃべり、ホレーショー、オフィリヤなどを除いたほとんどの人物がやたらに猜疑心が強い。登場人物の誰かが「○○はあなたを敬愛しているんだ」と言ってもまともに受け取らないことこの上なく、裏の裏を読んでるつもりが、単に疑いあっているだけ、と端からは読めなくもない展開で、「ハムレット」の悲劇とは全然違う方に向かっていく。

結局、叔父が前王を毒殺したかどうかはわからないまま、ノーウェーとの開戦で終わり。何がしたかったんでしょう、これ… (´・ω・`)

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新釈諸国噺

青空文庫。

まだまだ太宰。やっとサ行。

井原西鶴の「日本永代蔵」から選んだ話を太宰カラーで現代語訳したとでもいうか新解釈したというか。ただ、「御伽草紙」に比べるとあんまり太宰っぽくない話も多いような気がするんだけど、これはわしが単にオリジナルを読んだことがないので、どっからどこまでがオリジナルで、どっからが太宰なのかわからんせいもあると思う。

地域は多岐にわたっているんだけど、話の内容は教訓ぽいのが多いのは井原西鶴のせいかもしれないし、選んだ太宰の好みかもしれない。

追記
wikipediaで見かけたら、元々教訓話が多いらしいです。

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