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されど平穏な日々

日々のつぶやきと読んだ本と見た映像について気まぐれに語るブログ。Web拍手のメッセージへのレスもここ。「Gガンダム」と「ジャイアントロボ」への熱い語りはオタク度Maxにつき、取り扱い注意! 諸事情により、コメントは管理人が操作しないと反映されません。時々、サイトの更新情報など。

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水俣病の50年

水俣病公式確認五十年誌編集委員会編。

水俣病にそれぞれの形で関わってきた、109人が書いた手記、というかエッセイというか、数ページの掌篇をまとめた本。表紙は「水俣病〜患者さんとその世界」にも登場した蛸取り名人のおじいちゃん。すごくいい表情をしてなさって、たきがは、個人的に大好きな写真だが、すでに水俣病で亡くなっている。

50年経っても解決していない水俣病。患者たちにしてみれば、50年どころか一生続く水俣病。水俣病の残した傷痕はいまだに深くまちを引き裂き、それは原因企業であるチッソに負うところも大きい。チッソが「水俣病はもう時効だ」とか言ってるというあほさもあるけれど、人は変わらないのだから、こちらから歩み出す道はないものかと思う。チッソをたたく。行政をたたく。そうしなければならない人たちがいることもわかっているのだけれど。

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水俣 胎児との約束

矢吹紀人著。

水俣病は絶対的な防御を持っていると思われていた胎盤が、有機水銀がすり抜けさせ、母親よりも排泄手段を持たない胎児たちに濃厚に水銀が汚染した、胎盤の安全性も絶対ではないのだと知らしめた最初の公害でもある。
医師として水俣に赴任し、水俣病の患者たちの治療を行ってきた板井八重子先生は、女性として、母として、不知火海周辺の母親たちの流産、死産の多さを知った。そのことと有機水銀の関係を調べた板井先生は戦慄すべき事実に気づく。
副題が「医師・板井八重子が受け取ったいのちのメッセージ」。

水俣病の胎児性の患者たちを語る時、「特に生命力が強い子たちだった」と聞いたことがある。その言葉に隠されているのは、胎児性水俣病患者たちは氷山の一角で、もっとたくさんの表に出てこなかった流産、死産した子どもたち、水俣病と認められることもなく幼くして亡くなった子どもたちがいた、という事実である。

それほど薄いとは思わなかったのだがすぐ読み終わってしまった。

「命とは一言で表せないもの、そして人々がつながってゆくもの、もし亡くなった命があっても残されたものがそれを愛しく思うならそれも意味があるもの、だと」という、板井先生と言葉を交わした高校生の手記が胸を打つ。

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原爆に生きて

山代巴著。

被爆者ではないけれど、峠三吉氏などとともに反戦・反原爆に関わってきた方のエッセイ集。
たきがは、不勉強だったもんで、タイトルに興味を覚えて借り出し、お名前は知りませんでした。「山代巴文庫」というのがあって、そのうちの1冊。もしかしたら、広島の原爆関連の文学者の中では著名な方なのかなぁ?
峠三吉氏は「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる原爆詩集の著者。

農業をしながら、被爆者たちの言葉を集めようと奔走する。けれど、アメリカに追従することで戦後の驚異的な復興を成し遂げた日本ではそれもまた難しいことだった。後の世の水俣病にもつながる差別的な構造を見通していたことは慧眼だと思った。

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複合汚染

有吉佐和子著。新潮社。上下巻。

実は初めて読んだ。なかなかおもしろかったので他の著作にも是非手をつけてみようと思うが、うちの職場にゃ本がたんまり。どれから手をつければいいんだい、べいびー?

30年以上も前に書かれた話、一応「小説」の形を取っているが、「半小説」という感じか。PBC汚染とか水銀汚染、農薬汚染など、いまとは若干実情の違うところもあるかもしれないけれど、30年も経ってまだ合成洗剤はなくなってないし、農薬もばりばり使われてる(聞いたところによると、水俣だけか農協全国かは知らないが、みかん農家には26回も農薬散布が義務づけられているらしい。26! まじかよ!)。そのくせ、うちが「低農薬」といって売ってるみかんを息子から送られたというおかあさん、「店で売ってるのは農薬を使ってるなんて断ってないのに送られたみかんには低農薬と書いてあって驚いた」とか。いや、単に書いてないだけです。うちよりずっと多いんですよ!
という話はさておき、有機農業などもいまにも十分通じるネタ。たきがは、自給自足って理想なんだけど、なんか読んでたら自分にもできそうな方法が書いてあって驚いた。

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ドンが聞こえなかった人々

半分写真集。「ドン」というのは「ピカドン」のドン。つまり、耳が聞こえない被爆者の方々の証言等を集めたものである。最初、この「ドン」が何のことやらわからなかったんだけど、読んでなるほど、と思って、そうなったら「ピカが見えなかった人々」もいたはずであろうが、そのような証言集はあるんだろうか? ちなみに長崎限定。これまた広島編もあるのか、知りたい。

タイトルで「?」と思って手にとって、原爆ものだというので借りて帰った。
つまり、世間でよく知られている証言集は、みな健常者のものなんだね。そんな当たり前のことに思い至らなかった自分を恥じる。
耳が聞こえないということで、それらの方々の証言はずっと光の当たらないものだったし、事情を知らないで被爆者手帳をもらってない、知っても時間が経ちすぎてもらえなかった、という人もいるそうだ。そこらへん、杓子定規な対応はなんとかならんのか。
まさに生き地獄を見てきた人びとだけれど、ほとんどの人は明るい笑顔を見せている。それだけが救いである。

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